ひろゆき氏がどこぞの動画で「逃げ切ったとカウントすると人生楽しい」というようなことをおっしゃていました 。この人は結構、テキトーなことを言い散らかしている印象はありますが、確かに、いつか「逃げ切った」という言えるようになる、というのは、早期リタイア・定年リタイア、何れに関わらず、望ましいことだと思うので書いてみます。
目次
《東京都奥多摩町:奥多摩湖》
「逃げ切った」という確信は「思い込み」
この動画では、58歳で資産8000万の人が登場し、小さな会社を興して年収200~300万、年金は月13万の予定だが、これで逃げ切れるか?ということをひろゆき氏に相談しています。
傍目には余裕で逃げ切り可能で、ひろゆき氏もそう断じている。ただ、私に言わせれば、もっとも重要なパラメータである「生活費」が明らかになっていないので、本当に逃げ切れるのかは不明。
まぁ、この相談者のことは置いておくとして、「逃げ切った」とはどういうことか?についての、ひろゆき氏の考察は興味深いものを感じました。
まぁ、「現有資産」から「死ぬまでの支出」を引き算し、それがプラスになれば、理論上「逃げ切った」とカウントはできる。
ただ、将来に絶対は無い。預けている銀行や、投資している会社が全て倒産する確率は、厳密にはゼロではない。もし仮にそういう事態が起これば「人生詰みましたー」ということになるのだから、「逃げ切った」と確信していても、そこには「思い込み」が必ず含まれている。
それでも「逃げ切った」とカウントした方が楽しく過ごせる
ただ、本当にそうなる確率は極めて低いわけで、そのようなことにまで逐一対処しようとすると、死ぬまでお金の心配をし続けなくてはならなくなる。結果、精神的に負担になり、その精神的負担から逃れるために死ぬまで働き続ける、みたいなループに陥ってしまう。
そのことの実例として、「1億3000万円もあるのに、心配でリタイアできない」というケースが、当ブログを含め、様々な所で言及されています。
【過去の当ブログ参考記事】
将来を極度に悲観したり、資産残高を保持することに拘り過ぎると、せっかく築いた財産なのに、自分や家族の人生を豊かにするために使えない。結果、その1億円を握りしめたまま死ぬまで働き続ける選択をとることになってしまうなら、やはり不幸だと思う。
「現有資産」から「死ぬまでの支出」を引き算して、それがある程度のプラス(私の場合、1000万円)になるのであれば、例え思い込みが含まれていたとしても、そこは割り切って、逃げ切ったとカウントすると、安楽に暮らせる。
【過去の当ブログ参考記事】 リタイア後の予備資金はコミコミ1000万円で計算している
私自身も、このような状況であるので、自分のことを「逃げ切った」とカウントしています。だから、「将来、お金が足りなくなるかも」「もっとお金を稼がなくては」という考えを持つことは無く、勝手気ままに暮らしています。
【過去の当ブログ参考記事】 「稼ぐ」のが面倒臭いのです、正直なところ
まだ逃げ切っていない人も、50代までには逃げ切りたい
しかし、セミリタイアやサイドFIREしている人の大多数(特に20代・30代の方)は、その段階には至っていないと思うんですよね。
例えば、資金3000万円の人が35歳でリタイアしたとしたとします。世の中には7000万とか1億とかいう景気の良い数字が踊っているので錯覚しがちですが、35歳で3000万というのはかなり優秀な部類だと思います。
それでも、年間100万円取り崩すだけで、65歳で尽きてなくなってしまう数字ですから、さすがに「逃げ切った」とカウントは出来ない。だから、完全リタイアではなく、セミリタイアとして、あるいはサイドFIREとして、配当金なり副業なりを得ることにより、リタイア後もこの3000万を極力維持していく必要があります。
でも逆に、この3000万を維持し続けることが出来たとしたならば、いつかは「逃げ切った」と言える日が来るんですよね。それはいつなのか? ケース・バイ・ケースですが、個人的な感覚で言うと、50代半ばあたりまで当初の3000万円が維持され、かつ住宅費を含めた支出が最適化されていれば、いい線行っているんじゃないかと(独身・持ち家の場合)。
- 注)なお、もっと後、例えば、50歳でリタイアする場合であれば、35歳リタイアの場合より、維持資産は少なくてよい。年金受給額に差があるからです。
もちろん、「逃げ切った」からといって、ただちに投資や副業を止める必要はなく、自分が楽しいと思うのなら、そのまま続けて資産を上乗せしていけばよい。
ただ、リタイア後にもノドの小骨のように残っていた「毎月いくらいくら稼がなくてはいけない」という大いなる義務から、人生のある段階で解放されることの意義は大きいのです。
逆に言えば、バイト程度の労働であっても、「それを生涯続けることが必須」のループに陥ってしまうと、若いうちは良くても、いつまでたっても逃げ切りの態勢に入ることができず、年齢を重ねるごとに、どんどんしんどさが増していくことでしょう。
経済的独立が完全ではない段階で、サイドFIREやセミリタイアすることを検討している方もいるかと思います。そのこと自体は別に良いと思いますが、50代には逃げ切り態勢に入れるくらいの資産と収支計画をあらかじめ整えてからリタイアすることを強くオススメします。
★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます