50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

リタイア資金の計算は「逆算の発想」も利用する

 老後資金orアーリー・リタイアするのにはいくら必要?みたいなネット記事は腐るほどありますが、これは人によって異なるので、ネットの煽り記事よりも、まずは自分で計算みることが大切。

  【過去の当ブログ参考記事】 リタイア資金は自分で計算するのが大事

 そして、細かな部分はともかく、概算くらいなら、中学数学の一次関数・一次方程式が理解できていれば、誰でも可能なはずなので、本来はFPに依頼するまでも無い話です。

 当ブログ過去記事より。

「貯蓄取崩し型セミリタイア」の資金計算・超概要

 例えば、年金支給開始時を初期状態として、次の式がプラスになればよいのです。

   資産初期値-(生活費-年金額)×年数

 インフレとか、天災とか、年金額が思うようにもらえないとか、思ったより長生きしてしまうかもとか、心配のネタはいくらでも挙げることはできます。

 でもまずは、楽観的予測でもよいから、上記の式をプラスにすることが第一歩。楽観的予測をプラスにすることさえ出来ていないのに、悲観的な条件ばかりをいくらあげつらったって、詮無きことです。

 これは、

  「毎年の生活費」を既定値として与えておいて、最終的にいくらの資金があればよいか

という考え方。

 でも逆に、

  「最終の資金額」を既定値として与えておいて、その場合、毎年の生活費はいくら使えるのか

という考え方もアリあのかな、と思います。

 つまり、「逆算の発想」です。

目次

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 《山梨県小菅村:多摩川支流小菅川にかかる「雄滝」》

老後破産しないためには○○万円貯めておくべき?

  「早期リタイアに〇千万円必要」「老後破産しないためには△千万円貯めておくべし」みたいな感じで不安を煽る記事が多いですよね。

  まぁ、この手の記事を参考にするのも悪くはないでしょう。

 でも私はこう思います。 老後に○○万円必要って、実際に準備できそうもない金額を言われたところで、どうしようもないじゃないか、と。

 「ゆとりある生活」あるいは「安全サイド」で水増しした数字を、毎月の生活費として単純に積み上げていくと、結構とんでもない金額となります。

 このような額を根拠に、ひたすら長く働くことを勧めたり、バラ色の投資を勧める類は、不安を煽るのには長けていても、FPとしてみた場合どうなのかな、と思います。

 「準備可能な額」から逆算する

 とはいえ、何らかの既定値を設定しないと、資金計画を立てようがありません。

 そこで、生活費を既定値にするのではなく、「準備可能な資金額」を既定値にしたらどうでしょうか

 つまり、「現実的に準備できる資金額」を決め打ちで設定してしまい、その場合、毎年生活費としていくらまで使えるのかを「逆算」で求める、という発想です。

 例えば、50歳でのリタイアを検討していて、「その頃には、退職金を含め、3000万くらいなら準備できそうだ」としたら、まずは3000万円を既定値として設定し、この額を一生持たせるために、どう貯金を取り崩したらよいか、そのペースを逆算してみるのです。

 更に、年間支出をX万円として、90歳まで生きると仮定。年金は65歳から年間130万を受け取るとすると(年金額はねんきんネットで調べる)、この間の収入・支出は、

  • 既定の資金額 3000
  • 年金収入 130×(90-65)=3250
  • 支出 X×(90-50)=40X

 90歳での死亡時に年金と全財産を使い切るとすると、40X=3250+3000、これを解いてX=156.25となります。

 すると、支出を年間150万に抑えておけば、90歳まで生きても金が尽きることはない、ということが分かるわけです(改めて計算すると、90歳時点で250万円残ることが分かります)。

 このように概算してみると、「〇千万円必要!」という話からは見えてこなかった、リタイア資金のリアルが見えてきます。

逆算した結果から再検討

 前項のような試算だけでは終わりません。むしろ、話はここから。前項で求めた値が厳しい、ということであれば、何か↓対策をとることになります。例えば次のような。

年間150万で生活できるよう支出を見直す(前項の具体例の場合)

 前項の例では、年間150万まで使えると計算されましたが、60歳までは国民年金の支払いがあります。他にも健康保険などがあるので、それらを加味すると、可処分なのは年間120万(月額10万円)くらい。

 実は、我が家の出費も、夫婦二人で年間(120万+α)程度なので、+αの部分をどうにかすれば、年間120万円で暮らしていくことは可能なんですよね。

  【過去の当ブログ参考記事】 我が家の家計とリタイア資産状況について、もう少し詳しく書いてみる

 120万というのは、かなり少ない額のように思えますが、それでもどうにかなっているのは、何と言っても住宅費が安いからです。とにかく、安く住める住宅を手に入れておくことです。実家に戻るか、格安の賃貸か、築年数のいった郊外戸建なら、相当に費用を抑えることが出来ます。

  【過去の当ブログ参考記事】 貧乏リタイアにはトカイナカが手っ取り早い?

副収入を得る

 投資かバイト。私の得意分野ではないので、別ブログを見て頂く方がよいと思いますが、有効な方法だと思います。

 年間60万(月5万ペース)程度のバイトを10年続ける程度でも、資金繰りは大分楽になります。

リタイア年齢を1年延長する

 リタイア資金不足を補うには、何だかんだいっても、リタイア年齢を延長するのが一番手っ取り早いのではないか、と思います。

 前項の具体例において、条件を次のように変更してみます。

  • リタイア年齢を50歳から51歳に延期
  • 50~51歳の間の、手取り給与から支出額を差し引いた額を250万とする
  • 年金の受給額が年間130万から132万に増加したとする

 このときの年間生活費をY万円とすると

  • 既定の資金額 3000+250=3250
  • 年金収入 132×(90-65)=3300
  • 支出 Y×(90-51)=39Y

 39Y=3250+3300、これを解いてY≒168

 前項の条件では、X=156.25でしたから、年間に使える額を一気に10万円以上増やすことが出来るわけです。

年金の繰下げ受給

 長生きを想定するなら、年金の繰下げ受給も有効。例えば、1年繰下げて66歳受給開始とすると、年金は8.4%増えます。

 年金受給1年繰下げと、前項の51歳リタイア延長と合わせて行うと、詳しい計算は省略しますが、年間に使える額は170万を超えてきます。

おわりに

 これまで述べてきたのは概算レベルですが、このような地味な計算を積み重ねていくことで、非現実的な数字に絶望したり踊らされたりすることは避けられるのではないでしょうか。堅実かつ冷静な人であれば、早めにリタイアできる可能性はそれなりにあると思っています。

 ・・・と、ここまで書いたら、次の記事を見つけてしまいました。

老後資金は「いくら必要か」ではない!? | TRILL【トリル】

ですから私は、「いくら貯めるべきか」と考えるより、「リタイアまでにいくら貯められそうか」という視点で「MY老後資金」を計算し、そこから老後の暮らしを描いたほうがよいと考えています。

(略)

 それよりも「自分の老後資金」を知り、そこから暮らしをイメージするほうが現実的だし前向きです。

  発想としては当ブログと同じなので、併せて読まれるとよいかもしれません。

 

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