最近、投資環境の様子が思わしくないからなのか、「FIREブーム終焉!」的なことが言われることがあります。特に、本国のアメリカではインフレにより、退職済の方も生活プランの見直しを迫られているのだとか。
FIREブームの終わり。仕事を見つけないと、これから生活できない!6月米雇用統計 詳細レポート | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
FIREブームが始まった時は、これほどの急激かつ大幅なインフレを想定していなかった。それだけではなく、FRBの利上げの副作用で、FIREの資金源であった株式投資の収入まで不安定になっています。いったんは退職した人たちも、生活プランを大幅に見直しする必要に迫られ、再び働き始めるようになったのです。
まぁ、それでもFIRE志望者の方は、むしろこれからが本番!と構えて、頑張って下さい、という風に思いますね。
目次
《東京都西多摩郡日の出町:多摩川水系北大久野川の上流端標識》
FIREに「ブーム」という言葉はそぐわないと思う
私がこれまで違和感を持っていた言葉に「FIREブーム」というのがあります。
ブームというのは、一時的な盛り上がりに対していう言葉。そして、その対象がポケモンGOやタピオカなのであれば、一時の盛り上がりというのも当たっています。
しかしことFIREに関していえば、ポケモンGOやタピオカとは違う性質を持っています。
確かに、FIREをした人・目指す人が増えると、表面上、一時的には盛り上がるので、端からみると「ブーム」に見えるのでしょう。しかし当人からすれば、FIREというのは目指してから死ぬまでの超長期戦のはずであり、一時の流行り廃りで、やったりやめたりするもんでは、本来ないはず。
ブームであろうと、ブームでなかろうと、地道に資産管理を行って地道に生活していく、という、地道な活動を何十年も行っていく、というのがFIREの本質だと、私は思っているので、ブームという言葉はそぐわないかな、と思うのです。
ブームが終わって本来の在り方に戻ることを期待
まぁ、私は、FIREが盛り上がっているのは、一部の限られた人々の中であり、ブームと呼べるほどのものではなかった、と思ってはいますが、一方で、FIREというものが本来の在り方以上に広がり過ぎているような気はしています。
例えば、
- ○○FIREの言葉がやたらと量産されるとか
- 金融商品や投資本の売り文句にFIREを使ってみたりだとか
- FIREセミナーみたいなものが出来たりだとか
- 著名人や新聞までがFIREを扱ってみたりだとか
- やたらとキラキラ描かれたFIRE像に、FIRE反対論者が異を唱えているとか
- 入金力に欠ける人が、極度の節約とバイトで食いつないでいる状態をFIREと自称してみたりだとか
- 「金融リテラシーの低い日本人」を嘆く意識高い人々が多く発生したとか
こんなのはみんな徒花。もし、本当にFIREブームが終わるのであれば、これらの徒花は少なくなり、本来の在り方に戻るのでは?という風に期待しています(まぁ、少しは残るでしょうが)。
FIREはこれからが本番
一方、本当に、キチンとFIREを目指したり、あるいは早期リタイア生活を始めている人にとっては、むしろこれからが本番ではないか、と思うんですよね。雑音が少なくなって、やっと等身大のFIRE生活というのが見えてくると思いますし。
バブル経済の頃、フリーアルバイター(現在でいうフリーター)なる人達が現れました。彼らの発想は「正社員で拘束を受けることなく、自分の好きなことをやって暮らしていこう」というものであり、現在のバリスタFIRE等と変わるところはあまりありません。FIREなんて、名前以外は取り立てて新しいモノではないのです。
しかし、バブル崩壊とともに、そのフリーアルバイターは凋落してしまいました。私は、この時代に、丁度、学生⇒新社会人だったので、彼らの持てはやしぶりと、その後の凋落について直接知っています。だから、最近のFIREの徒花の繚乱ぶりについて疑問を持っているのです。
ただ、バブル崩壊・フリーアルバイターの凋落に比べれば、最近の株価の下落など大したことではありません。むしろ、行き着く所まで行ってから大暴落するのでなくて良かった、とポジティブに捉えるべきだと思います。
FIRE志望者の多くが求めているのは、上記のような徒花ではなく、「地道に資産管理を行って地道に生活する」ことであるはずで、そのためにはどうすればよいか、再検討するいい機会ではないかと。
過去記事より。
米国株暴落でFIREの難易度が上昇したというが・・・ - 50歳で早期退職し、セミリタイア!
気になったのは「難易度が急上昇」という文言。動画では、いくつか上昇原因が挙げられており、株価下落のほか、金融所得等への課税強化や副業の環境悪化など。
(中略)
FIREというものは、本来そこまで考慮に入れて計画するべきだと思うので、このくらいで「難易度が上がった!」と発想すること自体が間違っているような気がするわけです。
これに付け加えていうならば、この程度で「FIREの難易度が上がった!」とかおっしゃる方は、上記のような徒花に乗せられ過ぎだと思うんですよね。
「FIREの難易度が上がった」のではなく、「もともとこのくらいの難易度だった」と思って、FIRE界から去っていくのか、計画を見直してFIRE界に居続けるのか、検討すれば良いのでは?と思います。別にFIREが不可能な世の中になったとは思いません。
★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます