最近、ひろゆき氏が「遅刻しても成果さえ出せればいい」というような発言をされて炎上しています。
ひろゆき「遅刻しても成果さえ出せればいい」を論破する有吉弘行の “横綱相撲”…生き残るのは遅刻せず結果出す人(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース
ひろゆき氏は「僕はいまだに遅刻をよくする」とぶっちゃけ。南海キャンディーズの山里亮太から「『いい加減にしてくださいよ、時間守ってください』となったとき、どうやって切り抜けているんですか?」と聞かれると、「成果さえ出せればいい」と断言した。
(略)
しかし、ネット上ではひろゆきの持論に、批判的な声も多い。
少し検索してみたところ、ひろゆき氏は、少なくとも2019年にはこの理論に近い発言はされていましたが、今回、テレビで公言しちゃったもんだから、炎上の度合が大きくなった、といったところでしょうか。
ひろゆき氏の説が正しいかどうかは別にして、実際問題、「成果が出せれば遅刻なんてしてもいいんだ」という行動をしてしまえば、大抵の場合、エライことになります。
一般に、インフルエンサー(およびインフルエンサーを目指している人)の言うことには、ポジショントークが含まれているので、それらには気をつけた方が良いですね。
《東京都青梅市:川の上流端標識(荒川水系成木川)》
キャラクターを演じて信者を増やそう、という戦略
ひろゆき氏は、日本で2ちゃんねるを創設した後、色々あってフランスに渡り、そこでも色々と事業っぽいものをおやりになっている。
また、本を出されたり、youtubeで発言したり、ワイドショーにリモートで出演されなど、評論家っぽい仕事もされている。そのストーリーとして、「自由な事業家・youtuberが、何者にも囚われずに、日本や社会のタブーに(上から目線で)斬り込む」というのがあると思うんですよね。
それによって信者を増やし、その後のyoutube等の活動に繋げよう、という戦略があるものと見ます。
つまり、彼はキャラクターを演じているだけで、「成果を出せば遅刻してもいい」という発言はポジショントークなのだと思います。
ワイドショーには遅刻しないひろゆき氏
おそらく彼の周囲には、彼の遅刻を黙認してくれる優しい人々が一杯いるので、そういう人に対しては、遠慮なく遅刻する。
しかし一方で、ワイドショー出演の際には、時間通りにちゃんと座っていたりします。彼の論に従えば、ワイドショーで鋭いコメントができれば(成果)、遅刻してもいいはずなのに、そうはしない。
つまり、彼の本来のスタイルは「遅刻しても許される場面と、遅刻してはいけない場面を巧妙に使い分ける」というものであって、決して「遅刻しても成果を出せばよい」ということを貫くものではないということです。
遅刻云々がポジショントークだと断ずる所以です。
多数派をディスって自由な自分をアピール
後日談記事。
ひろゆき氏、“時間厳守”の有吉弘行は「誰かの機嫌を伺って時間を切り売りしている人」(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース
有吉が仕事に対する姿勢として「時間厳守」を徹底することを伝える記事だが、これにひろゆき氏は「有吉さんがタレントとして凄い人だとしても、誰かの機嫌を伺って自分の人生の時間を切り売りして、時給で働いてる人という枠の中なんですよね」と、持論を展開。「それが好きな人は成果より時間厳守でいいと思います。おいらは時間に縛られないで寝ててもお金が落ちてくる生活の方が好みです」とも、つづっていた。
有吉さんという「成果を出して遅刻もしない人」の話が引き合いに出されると、話の論点が「成果」から、「時給で働いている」云々という話にすり替わってしまいました。あくまでポジショントークですから、話の一貫性については、それ程重要ではないのでしょう。
さて、この記事では、時間を守っている多数派のことを「誰かの機嫌を伺って自分の人生の時間を切り売りして、時給で働いてる人という枠の中」と、明確に卑下するニュアンスで表現。これと、「時間に縛られないで寝ててもお金が落ちてくる生活の方が好み」である自分を対比させることで、時間から自由な自分の優位性をアピールしています。
ただ、先にも述べた通り、彼はワイドショーには時間通りに出演しています。仲間うちでは遅刻しまくっていたとしても、「テレビ出演に遅刻してはまずいな」と「誰かの機嫌を伺っている」ことには変わりないのです。それは「遅刻は是か非か」という以前に、時間という枠組みで社会は動いているからです。
だから、ひろゆき氏本人でさえ採用していない「遅刻しても・・・」理論を真に受けて、普通の人がそのことを実行(下手すると発言だけでも)してしまえば、大抵の場合、エライことになってしまうのです。
インフルエンサーのポジショントークには気をつけろ
この手のポジショントークには、例えば、
- 日本(人)は遅れている
- 社会は遅れている
- 人々は気づいていない
- これを実行すれば優秀・幸せになれる
みたいな論が含まれがちなため、受け手側に「そのことに気付いているインフルエンサーや自分は情報強者である」みたいに思わせることになり、結果、その論に心酔する人が出てきて再生数が稼げるわけです。
ただ、それは、往々にして、極論だったり、社会的にグレーorNGなことだったり、一部の人・有能な人・運の良い人にしか当てはまらないことだったりするため、結局は、ポジショントークの域を超えず、それを、一般の人・無能な人が実行してしまったらエライことになってしまいます。
この手の話は、リタイア界にも多くある気がします(具体的にどれと名指しはしませんが)。リタイア志望者は、リタイアしたいと思う気持ちが強いあまり、そのような話に心酔しがちでしょう。冷静になった方がいいんじゃないかな、と思うことが少なくありません。
★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます