参議院選挙の結果について独自見解、および今後の政局
昨日、参議院選挙の投開票がありましたので、私個人の独自見解を書いてみたいと思います。
目次
銃撃事件の影響はあったのか?
まずは、安倍元総理の銃撃事件の影響はあったのか?という点です。
これは前例の無いことですし、銃撃事件の無かった世界を再現することなど出来ませんので、正確なところは知りようがありません。
それでも一応、前回、予想を書いています。
この構図だと、保守系の有権者が、自民へのお灸的な意味で、思想信条的に多少合わなくても民主党系政党や小政党に投票することがありますが、今回の事件で自民にいくらか回帰する可能性があります。特に接戦区では影響が大きく、自民が当選しやすくなると見ます。
比例も同様で、自民の比例票が維新や保守系小政党に流れがちだったのですが、今回の事件で、かなり流出は減って、19~21議席くらいは取るかもしれません。
限定的ですが、この通りにはなったと思います。仮にあの事件が無かったら、自民の比例は低調で、その代わりに維新か参政党がもう1議席くらいとったかもしれません。
また、京都は2位当選の立憲と3位落選の維新は僅差であり、あの事件が無ければ、もう少し自民から維新に票が流れて、維新が立憲を上回っていたかもしれません。
更には、接戦1人区を1~2議席くらい、自民が落としていたかもしれません。
ただ、事件の有無関係無く、
でしたので、若干の入れ替わりはあるにせよ、事件によって結果が大きく変わったということは無いように思います。
各党の評価
自民
大勝といって良いと思います。ただ比例は前回から1議席減らしており、銃撃事件が無ければ、更にもう1~2議席くらい減らしていた可能性もあります。
比例で減らした分は、維新や国民民主党、あるいは参政党、下手するとNHK党などに流出した可能性があります(国民民主党は議席を減らしているが、党勢を考えれば、比例では健闘している)。
これは、「当面は今の与党でいいが、他党の奮起も期待したい」という意識の表れのような気がします。比例票というのは、現在の選択というより、将来の期待値も色濃く現れるものですので。
立憲
厳しい結果だと思います。
1人区は、長く民主の牙城だった岩手や新潟を落とすなど壊滅的。複数区では維新の猛追にどうにか持ちこたえたとは言え、全体的にかなり下振れしています。その典型が蓮舫氏。各選挙の得票数。
- 2004年 924,643(3位当選)
- 2010年 1,710,734(トップ当選)
- 2016年 1,123,145(トップ当選)
- 2022年 670,339(4位当選)
比例区では、辻元氏がトップ当選を果たしたものの、得票数は全国併せて40万票弱で、辻元氏ほどのネームバリューにしては物足りない結果に思えます。
また、有田芳生氏の凋落も著しく、2010年は373,834票で党トップ当選を果たしているのに、今回は僅か46,476票で落選。
維新
議席は倍増しましたが物足りない結果のように思います。銃撃事件があったとはいえ、私も維新の伸びを過信しており反省しています。
銃撃事件により落としてしまったと思われる議席も若干ありますし、それ以外にも惜しい選挙区(複数区)もありましたが、根本的には、まだまだ地域政党の枠を脱し切れていないということなのでしょう。
比例では野党第一党になりましたが、それは維新の伸びにもまして、立憲の衰退によるものが大きいです。
(参院選は小政党が乱立しやすく、その分、票が分散するので、衆院選以上に得票率が低く出がちな点は割り引いて考える必要があります)
共産
比例の改選5議席から3議席に減らしていますが、むしろ6年前の方が出来すぎであり、通常運転に戻ったと見た方が良い気がします。あの頃はブラック企業追及で、共産党が人気あったんですよね。
国民
党勢から考えると、改選7議席の維持というのは最初から無理な話でした。山形と愛知を死守し、比例3議席をねじ込んだだけでも(さらには埼玉で推薦を出した上田元知事が当選)、党勢にしては善戦しています。
とはいえ、議席を減らしたことには変わりないので、敗北扱いか。
社民
政党要件の比例2%、および福島代表の議席を守りました。この党はこれだけでOKでしょう。
その他
れいわ、参政、NHKなどは、いかにも令和の時代らしい小政党。ネットの活用で、このような小政党が今後も現れるのでしょうね。
今後の政局・自民
政局的には、自民が大勝したことよりも、安倍総理が亡くなったということの方が重要なファクターとして捉えられているようです。
特に最大派閥の安倍派はどうなるんだ、自民党は混迷の時代を迎える、みたいな。
個人的な憶測を言うなら、多少ゴタゴタするかもしれませんが、(枝野代表の言葉を借りれば)「コップの中の嵐」で終わるんじゃないでしょうか。
選挙に勝利して政権は安泰、(郵政民営化のような)党が割れる政治イシューも今のところ無い。そのような場合、何だかんだで落ち着くところに落ち着く、というのが、自民党です。
一方で、岸田首相から安倍元首相の影響力は無くなります。緊縮財政や増税の方に梶を切ってしまうことが心配されているようです。
今後の政局・野党
これについては、以前、参議院選挙 ~ 立憲民主党を中心とした今後の政局 に書いていますが、補足します。
まず、立憲の泉代表は、代表辞任を否定されています(現段階では)。
ただ、党内では、枝野時代に戻りたがっている方が少なくないと思いますので、このような言い分は通りにくそう。泉代表がおとなしく辞任し、枝野時代に時計を戻せば(新代表は辻元氏、というのが私の憶測)一時の安定を得ることができる。しかし、党勢回復の見込みはほどんど無い。
一方で、枝野時代に時計を戻そうとする動きに反発する動きも全く無いとは言えない。この対立が活発化した場合、安倍派の混迷なんて問題にならないくらいに混迷する可能性がある。前回はおそるおそる代表選を行うことで危機を逃れたが、今度こそ分裂の話になるかもしれない。
一方で、国民民主党。先に、「5議席は善戦」と書きましたが、議席を減らしたことには違い無いので、それが通るかどうかは微妙。立憲と同じく、このままでは党勢浮揚の兆しはほとんどない。
先には「玉木代表続投でこれまで通り」から「代表辞任⇒新代表」、さらには「党分裂」「連立与党入り」など全ての場合があり得る。
とにかく、この2党は、何も起きないかもしれないし、ガラガラポンになってしまう可能性もある。
個人的には、立憲に関しては、政権を取ることは諦めて左派の盟主格に活路を見出すことも考えてよいと思う。共産党との協力も復活させて。
維新・国民・ファなどの第三極派は、独自性を出すのもいいけど、もう少しまとまって選挙協力などをやらないと、こちらもジリ貧だと思うんだよね。
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