50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

参議院選終盤情勢の独自考察

 参議院選挙ももう終盤戦。各社の終盤情勢調査も出揃ってきたので、開票前に改めて考察してみたいと思います。かなりの長文です。

目次

 

 情勢調査は色々とありますが、ここでは朝日の調査を中心に見ていきます。何といっても、前回、(個々の選挙区はともかくとして)もっとも近い数字を予測したのが朝日だったからです。

 

参院選2022 朝日情勢調査 | 朝日新聞デジタル

 

自民:堅調だが、比例は他党に若干流出

現職の支持率低下は選挙前にはありがちな現象であり、あまり重く見る必要はない

 まず。

 選挙を控えて内閣支持率が低下していますが、このことの影響は限定的です。なぜなら、選挙を控えて現職の支持率が低下するというのは、結構ありがちな話だからです。さらに言うなら、現職が当選後に支持率が大幅アップする、というところまでがセットです。

 なぜこのようなことが起こるのか。

 まず、普段の調査においては、「この人(総理や知事など)を支持するかしないか」と問われた場合、無党派だったり、野党を支持している人でも「支持する」と答える人が結構います。その結果、支持率は高く出がちです。

 しかし選挙が近づいてくると、そのような人は「○○を支持する」と回答することに抵抗を感じるようになります。それは、与党に投票しないor迷っているのに、「○○を支持する」と明確に回答することは矛盾するからです。

 結果、支持率は下がったりするわけですが、その○○が当選した暁には、そういう人達の支持が復活し、更には勝ち馬に乗る人が上乗せされ、支持率が大幅アップするのです。

 今回の場合、物価上昇や節電の問題も少しはあるかもしれませんが、大半は上記のようなメカニズムで支持率が下がっているだけなので、あまり重く見る必要はないとみています。

与党の勝利があまりに言われ過ぎて、比例が伸び悩む

 さて本題。

 選挙区においては、対立野党(主に立憲民主党)がグダグダなのもあって、自民は非常に堅調。圧勝の兆しすらあります。

 複数区においては、北海道・千葉の二人め、および京都が接戦なのを除けば全勝。一人区でも、新潟、長野、岩手など、これまで自民が勝てなかったところでも、競り勝つ可能性があります

 ただ、比例は伸び悩んでいますね。「20議席いくんじゃないか」とも言わることもあったのですが、朝日の情勢分析を見ると「15~19」に過ぎません。

 それは、与党の勝利予想が言われ過ぎて、選挙区は自民でも、比例は他党に入れようとする傾向が強まっているからです。

 保守系有権者であっても、「自民以外に良さげな党があれば、そちらに入れたい」という人が、実は少なくない。でも、選挙区では、対立候補が「かなり左に寄ってしまった立憲」や「当選の見込みのない小政党」だったりするので、結局、自民に投票するしかない。

 しかし、比例は別。自民以外にも保守系の新興政党があって、しかも小政党でも当選の目がある。「それほどまでに自民が勝つのであれば、これ以上自民が議席を増やすよりも、そのような小政党にチャンスを与えたい」このような心理が、一部の保守系有権者に芽生えているようです。

維新:比例で野党第一党、複数区でも接戦に持ち込む

 次は、話の流れの都合上、維新について述べます。

 朝日の情勢調査だと、比例の議席数は「6~9」となっており、立憲の「5~8」を上回っていて、比例での野党第一党が視野に入っています。

 前回の衆議院選では、大阪・兵庫はもちろん、他の関西地区、富山、徳島、首都圏の一部地域などでも、維新は立憲を比例票で上回っていました。現在、この傾向が一層強まっているようです。特に、先述の自民の比例票の流出の一部が維新に流れているのも追い風です。

 ただ、それ以上に、今回の選挙の最大のハイライトだと思うのが、選挙区、特に複数区における維新の追い上げです。

 大阪・兵庫を除くと、前回の維新の強さは主に比例で発揮されていました。なので、選挙区ではまだまだで、今回も、地盤のほとんど無いところからスタートしているところが多いです。

 しかし、その後、猛烈な追い上げにより、次の選挙区において接戦にまで持ち込んでいます

  • 茨城(2人区)2議席
  • 埼玉(4人区)4議席
  • 東京(6人区)6議席
  • 千葉(3人区)3議席
  • 愛知(4人区)4議席
  • 京都(2人区)2議席
  • 奈良(1人区)
  • 広島(2人区)2議席
  • 福岡(3人区)3議席

 各選挙区の状況については、長くなるので、読みたい方は次の「▶詳細」の「▶」をクリックすれば、表示されます。

 

 茨城についてはノーマークの方も多かったでしょうが、かなり前、当ブログで触れていますので、よければご参照下さい。

【次回参議院の趨勢 2】 立憲vs維新、野党第一党をかけた戦いのゴングが鳴った! - 50歳で早期退職し、セミリタイア!

一方、複数区は波乱が予想されます。・・・ここでは茨城選挙区を取り上げます。・・・特に立憲と維新の間で2位争いが注目されます。

 

 また、大阪2議席、兵庫1議席、神奈川1議席は既に当選圏内です。朝日の予想だと選挙区獲得は4~7なので、上記の接戦区ではあと取れても3議席くらいだろうということになりそうです。

 でも私は、朝日の予想を超えて取ってしまうこともあり得るんじゃないかと思っています。というのも、維新は新興の勢いある政党です。今回、何もなかったところから接戦に持ち込んでいるところは、終盤~当日にかけても伸びしろが非常に大きいと思うからです。

 実際、前回の総選挙でも、「維新は3倍増」という予想が多かったなか、実際には「4倍近く」まで議席を伸ばしてしまった、という「実績」があります。

 とにかく、上記の接戦区でどれだけ維新が伸ばすかは、今後の政局を占う意味で、非常に重要な注目ポイントであるのは間違いありません。

公明:一部の選挙区で落とす可能性

 ということで、維新の割を食うのがその他の政党。

 自民も、千葉2人目や京都、奈良で接戦になっていますが、それ以上に、他の政党の方が危ない。

 まず公明については、福岡の最下位当選争いを維新と繰り広げる羽目になっています。他の候補の多くについても、下位当選争いを余儀なくされている状況であり、一部の選挙区で落とす可能性もゼロではないと思います。

立憲・国民:維新に勝ち切れるか

 さらに、まずいのは、立憲、国民といった民主党系政党。

 共産党との共闘があまり進んでいなかったり、そもそもの党勢の衰退によって、一人区が不調なのは明らかですが、従来なら、複数区でそれを(多少は)カバーできていました。

 しかし、その頼みの複数区さえも維新に侵蝕されつつある状態です。茨城(無所属)、埼玉(国民系無所属)、東京2人め(立憲)、愛知(国民)、京都(立憲福山氏)、広島(無所属)などは、予断を許さない状況。これらの複数区で維新に勝ち切れるか否かで、今後の展開が随分と違ってきそう

立憲神奈川:共倒れを回避のため、候補一人を"切り捨て"

 立憲は、神奈川で二人を擁立していますが、現状、どちらも当選圏内に入っておりません。共倒れが懸念されていましたが、やっぱり、という感じです。

news.yahoo.co.jp

  こうした中、一人でいいから当選させようと、立憲は、「候補の一本化」(=もう一候補は"切り捨て")したことをツイートで公表し、炎上しています。

立憲民主、参院選神奈川の寺崎候補“見捨て”波紋、笠議員「上位の水野候補当選を最優先」 – SAKISIRU(サキシル)

立憲民主党笠浩史衆院議員(比例南関東)が5日、参院選神奈川選挙区で同党が公認している2人の候補者について、党本部が情勢調査で上位の候補者の当選を優先する方針を固めたとツイッターに投稿した。

共倒れを避けるためとはいえ、片方の候補者への支援注力を公然と明らかにするのは極めて異例。情勢下位の候補者を実質的に見捨てるような発言だとしてネット上で波紋を広げている。

 どうしても調整がつかなかったというのもあるのかもしれないが、横浜市長選の勝利、総選挙で神奈川の甘利氏を落選させたことで、自らの実力を過大評価してしまった面もあったと思う(どちらも特殊な状況の元での勝利であり、立憲の実力とは言い難いんだけどね)。

 

 ただ、ここで一本化を宣言したところで、「もう一人の候補」が降りる訳ではないから、立憲票が分散することに対する根本的な解決にはなっていません。しかもツイッターで報告しちゃったものだから、一本化対象候補から「切り捨てられた候補」に同情票が流出しないとも限らないわけです。

 だから、楽観的に見ても5位当選がいいところじゃないかな。

 神奈川選挙区は本来4人区なのですが、欠員補充の意味で今回のみ5位まで当選できます。ただ、5位当選を果たしても、その任期は3年しかないので、3年後には、6年の任期を終えた牧山氏とバッティングしてしまいます。しかも3年後の当選人数は4人に戻っていて、立憲が二人当選するのはまず不可能です。

 そうなるくらいなら、共倒れしてしまった方が、まだスッキリするような気がするが、ここまで党勢が退潮気味だと、そうも言ってられないのでしょう。

 とにかく、この件、相当なしこりが残ることは間違い無さそうです。

諸派:参政党

 最後、諸派の参政党について簡単に。

 朝日の調査だと、比例で0~3議席を得る可能性が高いそうです。0~3議席とは、随分と幅がありますな。80万票に留まるかもしれないし、300万票に達するかもしれない、という数字ですよ、これは。

 他社の分析も併せて考えるに、生データ上、比例ではかなり善戦するような数字が出ているのだと思う。ただ、今回初めての立候補ということで、その生データをどのように扱ってよいか苦慮している、ということなのでしょう。

 こんな比例票、一体どこから湧いてきた!? という感じですが、それは、先にも述べた自民からの流出票のうち、維新に行かなかったものが、かなりの部分を占めているはずです。

 

★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
 ⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます