十数年前、「消えた年金」というのが大問題になり、このことが民主党政権を誕生させることになる大きなキッカケの一つとなるのですが、遅ればせながら、この件が何と私自身に関わっていたことが判明したので、年金事務所に出向き、結果、もらえる年金が若干増えたというお話をします。
目次
問題を認識するまでの経緯
下の写真のように、自分の年金手帳が2冊あることは、結構前から認識していたんですよね。今思えば、この事象があったら要注意なんです。
でも、消えた年金問題について騒がしかった頃は、そのことと「年金手帳2冊問題」が自分の中で結びつくことがありませんでした。
「行政の年金の記録がいい加減で、払ったはずの年金が払ったことになっていない」というところまでは分かるのですが、マスコミでは、政権批判をするのに忙しかったようで、それ以上のことがあまり伝わってこない。
野党議員が「人海戦術で台帳を全数チェックさせろ!」みたいなことは言っていたのですが、「具体的にどういう人がこの問題に該当しているのか。自分や家族が該当していた場合どうすればよいのか」みたいな、国民の側として出来ることを冷静に伝えたマスコミは少なかったように思います。
その後数年して、この「消えた年金問題」は騒ぐだけ騒いですっかり忘れ去られ、政権もいつの間にか自民党に戻っていましたが、問題が全て解消されたわけではありませんでした。
一方、私は2014~15年頃からリタイアの計画を立て始め、当然、年金についても調べるわけです。ねんきんネットに加入して自分の支払い記録を閲覧しましたが、その記録において、学生時代の納付記録は「未納」になっていました。
しばらくの間、そんなものかと思っていたのですが、あるとき、年金手帳が2冊あることを思いだします。そこで更に詳しく調べてみたら「消えた年金問題」に関わっている可能性が高いことが発覚したのです。
- 私の大学入学前、制度上、学生の年金加入義務は無かった。
- しかし、大学在学中、大学生でも20歳以上は加入が義務づけられるようになったため、親がその手続きを行い、国民年金のオレンジ色の手帳が交付され、年金番号が付与された。
- 卒業後、就職すると、それとは別個に厚生年金に加入し、青い手帳が交付された。このとき、別の年金番号が新たに付与された。
- 結果、同一人物が二重に年金加入していることになった。老後、青い手帳の年金番号で受給申請を行った場合、オレンジ色の手帳時代の納入記録は無いものとして受給額が計算される。
ということです。
私の場合は上記の流れですが、この問題の本質については、年金制度の変遷が大きく関わっていてここでは書ききれないので、例えば、次のサイトをご覧ください。
年金事務所へGo!
ということで、年金手帳(というか、年金番号)を統合する必要があるのですが、そのためには、手続きが必要になります。ただ、急ぐものでもないので、年金事務所へ行くのははリタイア達成後と考えていました。
しかし実際にリタイアしてみたら、いきなりコロナ! 結局、手続きは昨年10月にまで持ち越しとなってしまいました。
青梅年金事務所はJR青梅線小作駅からほど近い場所にあります。予約などはせずに、いきなり出かけていって対応して頂けました。新旧の年金手帳と身分証明、印鑑などを持参したと記憶しています(印鑑を実際に使ったかは覚えていません)。
ブースでは、飛沫防止用の透明なカーテンがかかっていました。
担当の職員に事情を話すと、書類を持ってきてくれて、その書類に必要事項を書き込んでいきます。その際、新旧の年金手帳の情報が必ず必要になります。
その日は書類を提出して終わり。
数週間後に、無事、番号の統合が完了したとの通知が郵送されてきました。
ねんきんネットで確認した結果、取り戻した年金額は・・・
ねんきんネットに学生時代の納付記録が反映されたのは、それから更にしばらくしてからですが、次のようになっていました。
- 平成3年度分以前(大学3年時)は「未納」(統合前と同じ)
- 平成4年度分(大学4年時)は「免除」(統合前から変更)
「免除」期間が1年追加になったことにより、基礎年金の額が僅かばかりですが上昇するはず。
現実を書く前に、皮算用してみます。
基礎年金は「40年間保険料を支払った後、年間約78万円支給される」という制度なので、支払い1年あたり、単純計算で78/40=1.95万円もらえることになる。平成4年度の私の場合、(納付ではなく)免除なので、更にその半分の9750円。つまり、今回の手続きで、年間9,750円、受給額が増加するはず。
そこで実際に増えた金額をねんきんネットで確認すると、年間6,508円でした。
皮算用より少なくて残念ですが、平成4年当時の保険料は9700円(現在は16,600円ほど)だったから、まぁこんなものなのかもしれません。
すったもんだした割には寂しい金額ではありますが、例えば15年間受給したとすれば、総額10万円近くにはなりますし、ノーリスクで行える手続きですので、該当しているのに手続きしない、という手は無いかと思います。
本記事の続きもどうぞ。
★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます