私は、もともと天邪鬼なんだと思う。
だから、昨今のように「FIREがブーム!アーリーリタイアして、自分の好きな事だけをやる生活を手に入れよう!」と世の中が喧しくなってくると、自分自身はリタイアをしているにも関わらず、手のひら返して「いやリタイア生活なんて言うほど素晴らしいものではないから、そんなもんに人生賭けてもしょうがないよ」みたいなことを考え、結果、水を差してしまうのです。
目次
《東京都あきる野市・JR五日市線・武蔵引田駅》
過去の水差し系記事
ブログを再開してから、水差し系記事はいくつか書いています。
- FIRE:RE(早期リタイア)よりFI(経済的独立)を優先せよ、という意見に賛成する
- 「FIRE」について考える7つの論点 ~私が考えること~
- FIRE達成後の資産の取崩とインカム収入、およびFIREを目指す問題点(FIREについて考える7つの論点・3)
あるいは、 1年近く前には、次のような記事も書いています。
自分で書いておいて何ですが、このような水差し系記事は、あまり評判がよろしくなく、下手すると読者を減らしているかもしれない(と思う)。
というのも、もともとリタイアブログの読者というのは、リタイアにシンパシーを持っている方が大半だから、というのが一つ。誰がどのようなスタイルでリタイアしようと大きなお世話だろ、というのがもう一つ。
まぁ、これらの水差し系記事のターゲットは決まっています。「好きなことで生きていく」とか「リタイアで自分の時間を取り戻す」とか、何の免疫も無い状態でそういうセリフに感化されてしまった結果、超若年・極少額で、(傍目には無謀に映る)リタイアをしようとするパターンに対してです。
だから、若年であっても「営業成績トップを何年も続け(あるいは投資で成功して、等)、資産は結構持っています」とか、ある程度年齢がいっていて、「先が見えているので、資産は多くないけど、年金年齢までは食いつないでいけます」みたいな人は、完全に対象外です。
水を差したくなる理由
リタイア生活と会社員生活、どちらにもメリット・デメリットがあって、一方が他方に100%勝る、ということはあり得ない。あるいは、同じ人であっても、年齢によって、どちらのメリットが大きくなるのかは変わってくる可能性がある。
でも、最近は、
「会社員生活は全面的に悪であり、いわゆる『社畜』に甘んじなくてはいけないから、全面的に善なるFIREを達成し、一刻も早く好きなことが出来る生活に移行しなくてはならない」
みたいな極論が多い印象。
このような極論も、一部のリタイアブログで細々と語られている分には面白いし、有用かもしれないけど、それがあまり表に出てきてしまうと、結構、胡散臭く思えてくる。だから天邪鬼である私は、水を差したくなるのです。
リタイアしていない人が水を差しても「外野の戯言」かもしれないですが、一応、私はリタイア生活を楽しんでいる側なので「酸っぱいブドウ」にはならないでしょう。
「老婆心」(別名:老害の戯言)というのも少しある
FIREに水を差す理由としては、前項で述べた通り、「天邪鬼」というのが大半ですが、「老婆心」の要素も少しあります(老害の戯言ともいう)。
トラブルが起こったり、病気・事故にあったり、心境に変化があったり、副業や投資の収益が減ったり、節約生活に疲れたり、年を重ねて肉体や精神力に衰えが生じたときなどに、最も頼りになるのは「お金」、時に「正職」です。「リタイアすれば、お金は無くとも、時間がある!」とは言っても、時間がモノを言うのは多くは平時であって、緊急時やイベント発生時には、金の力を借りる必要が出てくる。
特に若ければ若いほど、その後の人生は長いので、そのようなイベントが起こる可能性は高く、資金を充分に用意する必要がある。目先の節約生活が成り立っているからそれでいいってものではないだろうと、これは真剣な話。
資金が充分でないところに、そのようなイベントが訪れて、やはり「お金」や「正職」が必要だ、となっても遅い。「組織で上手くやっていけなくて前職を辞めた、長期間ブランクのある無職の人」を好条件で雇う会社って、ほとんど無いんじゃないでしょうか。
あれほど忌み嫌っていた賃金労働、しかも前職より条件が悪い職に戻らざるを得なくなるような事態になっても、「リタイアいいよー、会社なんか早く辞めちゃいなよー」と煽っていた方々は、責任をとってくれないでしょう。
でも、私としては、せっかくリタイアした方が、そのような形で挫折する、ということはあってほしくない。だから、せめて当ブログぐらいは、老婆心ながら、耳障りなことではあっても、必要と考えることは言っておこうと思っているのです。
★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます