最近、山崎元氏の次の記事が公開され、いくつかのリタイアブログで言及されています。
私自身は「FIRE」を自称するつもりは毛頭ありませんが、まぁ、似たようなこと(セミリタイア)を行っているので、これらの論点について私がどう考えているか、書いてみるのも一興かと。
論点が7つもあるので、複数回に分けてアップします。
目次
《神奈川県相模原市・相模川水系秋山川下流》
元記事
記事に載っている論点は次のもの。
【論点1】率直に言って、FIREにどのような印象を持っていますか?
【論点2】なぜ、今、FIREが流行るのでしょうか?
【論点3】人は経済的自立の達成によって、心持ちが変わりますか?
【論点4】どのくらいの資産があれば経済的自立を達成したと言えるのでしょうか?
【論点5】FIREを達成するには何年かかるのでしょうか?
【論点6】FIRE達成後の資産の取崩とインカム収入をどう考えたらいいでしょうか
【論点7】FIREを目指すことの問題点は何でしょうか?
今回は論点1・2についてアップします。
【論点1】率直に言って、FIREにどのような印象を持っていますか?
多くの人には、リタイアして働かないで暮らす日々がいつかはやってくる。つまり、FIREのうち、E(arly)はともかくとして、FIRの日はほとんどの人にやってくる。そのときに対する備えは、早くから意識した方がいい。
もちろんただ老後破産に怯えるのではなく、例えば、固定費を見直して浮いたお金を積立投資するとか、会社以外に浪費せずに楽しめるモノ・場所を作っていくとか、その程度のことをちゃんとしていくだけの話。
そういう意味では、それほど特別なことではないと思います。FIREなんて名前はついていますが、通常のリタイアと比べて、E(arly)が付くか付かないか、というだけの違いです。
数学的帰納法のパラドックス(と言われているもの)に、次のようなものがあります。
- 髪の毛が0本しか無い人はハゲである。
- ハゲの人に髪の毛を一本植え付けてもやはりハゲである。
- よって、全ての人はハゲである。
これにならって、
- 35歳でリタイアした人はFIREである。
- FIREした人より一日遅れてリタイアした人もやはりFIREである。
- よって、35歳以降でリタイアした全ての人はFIREである。
みたいに書いてしまうと、FIREと、"E無しのFIR"の境界なんて分からなくなります。
だから、FIREを遠い世界の出来事と思うのではなく、FIRE的発想を自分の人生に取り込んでいこう、と捉える方が多分幸せになれる。それが、FIREなのか、E無しのFIRなのかに関わらず。
【論点2】なぜ、今、FIREが流行るのでしょうか?
私が子供の頃、既に「脱サラ」という概念があって、FIREと同じではないものの、「会社から月給をもらう以外の方法で暮らしたい!」という発想自体は取り立てて新しいものではありません。
時代を遡れば、明治の高等遊民、鎌倉末期の徒然草(吉田兼好)、古代ローマの市民など、FIREみたいなものが登場する素地というのは、雇う・雇われるの関係がある社会なら、いつでもどこでもあるんだと思います。
ただ、昔だと、情報を得る手段としては、紙媒体しかなく、情報源が限られていた。でも、今はインターネット時代。日米欧の達成者や志望者がアップしたブログや動画、あるいは投資などに容易にアクセスできる環境がある。このことが今の盛り上がりに一役も二役も買っているのでしょう。
ただ、「FIREが流行っている」とは言っても、タピオカドリンクを飲むとは訳が違い、それを望んだら誰でもできるというものではありません。
つまり「FIREが流行っている」というのを正確に言うと、
- FIREに憧れるのが(一部で)流行っている
- FIREを煽るのが(一部で)流行っている
- FIREを実現した人が(ごくごく一部)いる
程度のこと。
特に最近は、これは金になると睨んだのか、怪しげなyoutuberやインフルエンサーが、どんどん煽っていますからね。youtubeの広告にも変なのが出て来ています。
以前、「成功指南ビジネス」というものについて書きましたが、今後は「FIRE指南ビジネス」が幅をきかせるようになりそうです。
【過去の当ブログ参考記事】 「成功指南ビジネス」と早期リタイアの関係とは
そして、本来FIREしてはいけない人ほど、そういう怪しいモノ・情報を掴まされる可能性が高い。そこから人生転落する人も出てくるかもしれません。
流行るというのは、そういうことも含んでいるのだと思います。
・・・次回に続く・・・・
★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます