50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

FIRE:RE(早期リタイア)よりFI(経済的独立)を優先せよ、という意見に賛成する

  最近は、セミリタイアより「FIRE」という語が幅を利かせているようで・・・。単なるRetire Early(早期リタイア)ではなく、Financial Independence (経済的独立)という概念が含まれていることが、これまでの「○○リタイア」などの語とは異なる特徴ですね。

 私のような「ちょっと早めの定年退職」とは違い、若い方中心のムーブメントです。そのような方にとって、FIとRE、どちらが大切か。

 リタイア生活を楽しんでいる私としては、REの良さを強調したいところなのですが、時折、FI(経済的独立)を優先せよ、みたいな意見を(極一部で)見かけます。そして冷静に考えると、全くその通りでありまして、賛成せざるを得ないのです。

目次

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《埼玉県飯能市(荒川水系入間川・成木川合流点)》

REを意識しながらもRE出来ない状態は、結構ツライ

 もちろん、REを全く考えるな、というわけではないですし、REがFIのモチベーションになることもあるので、バランス論ということにはなるんですが。

 ただ、私の経験から言うと、REをビンビンに意識しながら、REの実現の目途が立っていない状態、というのは結構ツライものです。

 私の場合、リタイアを意識してから達成までは5年強ほど。計算上、5年強でリタイアできることは分かっていて、ゴールは明確。それでもなかなか辛かった! この時期を如何に乗り切ったは、次の記事を参照。
  【過去の当ブログ参考記事】 リタイア決意後,実現までの辛い日々を乗り切る方法

 種銭も収入も少ない若い方は、おそらく5年では済まない方が大多数。

 例えば、大卒ストレート22歳で入社した後、ずーっとREを意識し、そのために準備を進め、副業などを組み合わせたとしても、よほど上手くやらない限り(あるいはリスクを相当大きくとらない限り)、実現するのは、早くても30代半ば頃というのが現実的な線ではないかと。

 実際、若者(20代~30代前半頃と思われる)がアップしていると思われる、FIREを目指す動画やブログ記事を何本か見たのですが、その道のりの遠さに絶望している方が何人かおられました。

 リタイア実現までの長丁場を、憧れのリタイア生活と現実とのギャップに苦しみ、「雇われて働くのは人生の時間の無駄遣いだ~~」などと意識しながら過ごすというのは、(例えそれが事実なのだとしても)なかなか大変なこと。

 最終的にREを目標を置くのは良いとしても、そのことを意識し過ぎず、まずはFI、(そして目の前の仕事)に注力した方が、精神的にも、仕事をするにも楽だと思うんですよね。

判断力が鈍る、過剰なリスクをとりがち

 いきなりですが、拙速の反対語として、巧遅という言葉があります(ゆっくりと巧みにやること)。

 この二つの言葉は、中国の古典『孫子』に出てくるものです。戦争やビジネスの世界では、確かに『巧遅は拙速に如かず』なのでしょうが、後戻りが難しく、「安定収入という武器」を手放すことになるREにおいては、拙速よりも巧遅を優先すべきだと思うんですよね。特に、若いほど、客観的な条件を整えるためのハードルが高いのです。

 しかし、前項の通り、REに拘り過ぎると、自分の思い描いているリタイア生活と現実とのギャップに苦しむことになります。すると、一刻も早くREしたいがため、判断力が鈍って過剰なリスクをとったり、変な情報商材に手を出したり、FIにとっては悪手となるものを、REのためにとってしまいかねない

REが最適解なのか、若いうちに見極めるのは難しい

 40代以降は、ある程度、今後の人生が見えてきます。
  【過去の当ブログ参考記事】 中年の危機 ~40代の悲哀を考える

 このくらいになると、今後の人生の方向性について、大体のことが確定してくるし、REのハードルは年齢とともに顕著に下がってきます。リタイアできる客観的な条件が整っている状況で、なおかつリタイアしたければ、すればいいと思う。

 しかし、人生3分の2以上が残っている段階で、基本的に片道切符であるREに一点張りしてよいのか見極めるのはかなり難しい

 確かに自由な時間は得られるけど、失うものもある。若いうちは認識できなかったREのデメリットが、中年以降に発現しないとも限らない。今後の人生はものすごく長い割に、判断材料が乏しいわけです。

 まぁ、生まれもってRE向き(あるいは投資家向き、個人事業者向き、ミニマム生活向き、サバイバル生活向き)の人はいますから、全員とは言いません。でも、大抵の人は、若いうちは、REは選択肢の一つとして頭の片隅においておくに留め、まずはFIを目指す! くらいが良いバランスだと思う。

 よほど幸運な例、あるいはリスクを過剰にとった例などを除き、FIの実現が見えてくる頃、そこそこの年齢になっている。このままREに突き進んでいいか、判断材料が増えているはず。そのときに最終判断しても遅くはない・・・と私は思うのですが、いかがでしょうか。

おわりに 

 色々、書きましたけど、私は若い方がFIREを目指すことはいいことだと思っています。REも含めて、人生の選択肢が広がりますから。

 REを必ずしも最終目的としない人にとっても、FIの状態は大きな武器。

 あるいは、FIが実現しなかったとしても(おそらくそちらの方が多数)、それによって得られた投資・節約スキルやお金は、やはり大きな武器。単なる「○○リタイア」よりも、FIREの方が裾野はむしろ広い、と言えます。

 ただ、若い方は、あまりREにとらわれず、色々な人生の可能性を模索して、そのなかで出来る範囲でFIを試みる、あわよくば、いつか資産が大きく増えたならREする、ぐらいに考えておいた方が、結果的に幸せになる可能性が大きくなるんじゃないでしょうか。何か説教くさくて恐縮ですが。

 

★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
 ⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます