前回、前々回に続き、7つの論点について、私の考えを書いてみます。
前々回
前回
目次
《東京都青梅市・荒川水系成木川源流部》
元記事
【論点1】率直に言って、FIREにどのような印象を持っていますか?
【論点2】なぜ、今、FIREが流行るのでしょうか?
【論点3】人は経済的自立の達成によって、心持ちが変わりますか?
【論点4】どのくらいの資産があれば経済的自立を達成したと言えるのでしょうか?
【論点5】FIREを達成するには何年かかるのでしょうか?
【論点6】FIRE達成後の資産の取崩とインカム収入をどう考えたらいいでしょうか
【論点7】FIREを目指すことの問題点は何でしょうか?
今回は論点6・7についてアップします。
【論点6】FIRE達成後の資産の取崩とインカム収入をどう考えたらいいでしょうか?
取崩しと収入をどうするかは人それぞれであって正解はありません。その時々の望ましい生活スタイルに見合った支出を続けた上で、死ぬまでにお金が尽きなければいい。
「死ぬまでにお金が尽きない」というのは一見困難そうに思えますが、考えてみれば、今でもほとんどの高齢者たちは、定年後、なんだかんだ言って「死ぬまでにお金が尽きない」という状態を維持しつつ死んでいくわけです。この状態をもっと早いタイミングで作り出すだけだと考えれば、言われているほどハードルが高いことではないと思います。
例えば、経済的独立に向けコツコツ地道な準備を進めて、例えば15年なり20年経つと、資産が良い感じに育っていて、「死ぬまでにお金が尽きない」というのも、あながち不可能ではなくなってくると私は思っています。
この域まで達すれば、完全リタイアは難しかったとしても、セミリタイアやサイドFIREに移行して、無理無い範囲でインカムを追い求め、いつしかそれが難しくなってきたとき・面倒になってきたときに、必要に応じて取崩しモードに移行していく、みたいな方法論が可能です。
一方で、最近は、20代で3桁万円でFIREしました!みたいな「ぼうけんしゃたち」が登場しています。
当面は何とかなるとしても、先の長さを考えると、ファミコン版ファイナルファンタジー1をLV.10でクリアする、あるいは、ナゴヤ撃ちを使わないでスペースインベーダーを1万点とるくらいの、相当な縛りプレイだと思います(例えが古すぎ?)。
彼らが将来もらえる年金はかなり少ないでしょうから、普通に考えて、その3桁万円は老後資金として、ほぼまるまる確保しておく必要があり、少なくとも60歳くらいまでは安易に取り崩せない。資産3桁万円では、投資収益もほとんど期待できない。
すると、生活費を限界まで削った上で、生活費以上のインカムを確保し続ける、みたいな持続可能性に問題のありそうなスタイルを、数十年間行っていく形にならざるを得ない。
つまり、FIREやセミリタイアというより、フリーターや個人事業主に限りなく近いのが彼らです。
「資産の取崩とインカム収入は人それぞれ」とは言え、「いざとなったら資産の取崩しだけで相当の期間生きていける」という奥の手を握っているかそうでないのかは、極めて重要なポイントでしょう。
【論点7】FIREを目指すことの問題点は何でしょうか?
一度FIREの魔力に憑りつかれると、その人はFIREのことしか見えなくなって視野が狭くなりがちではないか、と思うことがあります。
ただ、全ての人に当てはまることではなく、FIREのうちFIから入ってくる人、最終的にはREを目指しつつもまずはFIに注力している人などは、むしろ普通のサラリーマンよりも視野が広いよな、と思うことが多いです。
ただ、REに心を奪われ過ぎちゃっている人はどうかと思いますね。
実際にREできるような客観的条件が極めて不充分にも関わらず、労働や労働者に悪態をつきまくり、「一刻でも早くREしなくては、どんどん人生の時間が無駄になっていく・・・」みたいな思考に陥らないようにした方が、トータルで幸せになれると思います。
【過去の当ブログ参考記事】 FIRE:RE(早期リタイア)よりFI(経済的独立)を優先せよ、という意見に賛成する
まぁ、他人の人生なんで余計なお世話なのですが、FIREを目指すことの問題点を挙げるということであれば、こんなことを指摘したいということです。
★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます