「住みたい街」になどなるものではないね ~武蔵小杉大幅ランクダウン~
首都圏や関西圏などで、どこぞの不動産屋?が集計している「住みたい街ランキング」。私個人の食指が動く街はほとんど登場しないのですが、野次馬根性でつい見てしまいます。
そうしたら、あの武蔵小杉が9位から20位に大幅ダウンした、と出ていました。
目次
《東京都青梅市[この橋危険]》
武蔵小杉について
読者の方には、関東以外の人も多いと思うので少し説明しておきますが、ご存知の方は次項まで飛ばして下さい。
武蔵小杉は、川崎市中原区に存在する、南武線・横須賀線・東急線の接続駅です。
特に、平成22年に横須賀線のホームが出来て以降、乗り換えなしで行ける鉄道駅が増加し、一躍脚光を浴びました。そのことを誇らしげに書いているタワーマンションのサイトがありますので、参考に張り付けておきます。
それ以降、武蔵小杉駅は、業者の思惑と行政の後押しにより、タワーマンションが林立することになり、住みたい街にも上位にランキングされるようになります。
しかし、この頃からでしょうか、ネット上で負の側面が語られるようになります。短期間に急激に人口が増加した歪みというべきか、駅や街のキャパが全然追いついていないようです。
そして決定打となったのが、昨年の台風19号。
武蔵小杉を含む多摩川両岸地域が浸水し、関東の人口密集地域の被害として大々的に全国放送されました。
特に、駅近の2棟のタワーマンションが浸水し、うち1棟は被害が深刻で、一時期トイレも使えないという事態に陥ったのは強烈なインパクトを与えました。このことは、ネットでさんざん話題になったので、ご存知の方も多いでしょう。仮復旧はしているみたいですが、正式の復旧工事の費用を誰が出すのか揉めているみたいです。
ちなみにこのヤフー記事、配信日を東日本大震災の3月11日にしているのは偶然かな?
川崎市長、大いに危機感
前項で挙げた負の側面は、近年、急激な開発がなされた地域なら、大抵どこでもあり得る話・リスクなのでしょうが、特に武蔵小杉については、現象が象徴的に表れていたので、ネットや週刊誌等で叩かれることになりました。
その「叩かれている内容」がどこまで真実を反映しているのかは分かりませんが、とにかく、一時期は4位だった住みたい街ランキング、昨年は9位、今年は20位と目も当てられぬほどに凋落してしまいました。
このことに対し、川崎市の福田市長は、記者会見で次のように述べたそうです。
「かなりインパクトのある数字で、深刻に受け止めている」
「順位が上がっている時は積極的に(高順位だと)言ってきた」
「浸水被害の影響がかなり大きいと思っており、安全対策と魅力発信を続けていきたい」
今のタワマン乱立状態は、「それを建てて儲けたい」という業者の思惑の結晶ですが、彼らは勝手にマンションを建てることは出来ない。行政の側が、規制を緩めて建設の許可を出しまくらないと、ああはならないはず。
交通の至便を売りにして、入れ物を大量供給すれば、手っ取り早く人口と税収を増やすことができるのだから、そのときの行政は美味しい話だと思ったのでしょう。
そして、「住みたい街」の順位があがってますます注目されるようになり、行政もそれを宣伝する。更に人々が集まってくる。歪みも大きくなっていく。
しかし、ここにきて街づくりの欠陥が明らかになり大幅に順位が落ちると、そのことに対する注目度も大きく、市長が記者会見でコメントする羽目になる。
たかが一民間会社のアンケートを、深刻に受けとめざるを得なくなる。
「住みたい街」になどなるものではない(特に関東)
だいたい、住みたい街で上位にランクインする「街」というのは、全てとは言わぬまでも、大体相場が決まっています(特に関東の場合)。
すなわち、複数路線が利用可能で都心に程近く、(買い物ならぬ)ショッピングに便利、マスコミ等に取り上げられてオシャレ感がある、といったものでしょう。
そういう趣向を持った人は首都圏に少なからず存在しますから、そういう街は、彼らを掃除機のように吸引し、結果、「便利でオシャレかもしれないけど、どこかゴミゴミして家賃の高い街」になってしまいます。
また、「住みたい街」ということで、色々取り上げられて何かと雑音が多くなります。今回の武蔵小杉や、吉祥寺のようにランクダウンすると、ニュースになったりします。(私のような)アンチも発生し、例えば、次の記事のような取り上げ方もなされることになります。
時折、アンチコメントに対し、そこの居住者と思われる人が必死で反論を返しているのがなんか切ない。
また、行政も「住みたい街」のランクを維持するために、本末転倒なことをしだすかもしれません。
結局、「住みたい街」になると、その順位に由来するヒエラルキー意識が、色々とデメリットを起こしそうなので、自分が住んでいる街はそんなものにならない方がよさそうですね。青梅市はじめ西多摩地方は、そもそも人々の眼中に無いから気楽なものです。まぁ、「すっぱい蒲萄」なのでしょうけど。
★ランキングに参加しています。よい記事だと思ったらバナーをクリックして下さい。
★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます