50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

東京の街は「利便性至上主義」で一元化される?

 東京には非常に多くの街がある一方で、その評価尺度は「利便性」に大きく偏っています。都心まで電車で×分とか、駅近にはこんなに沢山店がありますとか。

 大事なことかも知れませんが、それ以外の要素がかなり軽視されているような気がします。こんなことで、今後も街の多様性は保たれていくのでしょうか?

目次

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 《山梨県都留市:甘酒橋 ← 面白い名前です》

「柴又」が"利便性評価"の餌食に・・・

 先のようなことを思ったのは、次の記事を読んでのことです。

 確かに、柴又は、周辺の地区に比べれば便利でないというのは事実でしょうが、そもそも利便性で括ってはいけない街でしょう。

 おそらく、ライターもそのことは分かっているから、「≪単身者には≫向いていない」と限定形にし、「人情に触れる毎日が手に入ります」などと、柴又の魅力を書いてフォローしているわけです。

 でも、「人情に触れる」とか本当はどうでもよくて、結局は、列車の本数が少ないだの、チェーン店が少ないだのと、他の街と同列の評価をすることが、記事の主眼です。

 23区やその周辺にある街を、ことごとく利便性評価の俎上にあげて、便利だ、不便だとやっている。マスコミや不動産屋だけでなく、一般の人々の多くもそういう価値観に染まっていて、その餌食になるのは、柴又も例外ではなかった。

 こうやって、それぞれの街の個性というものが軽視されていき、最終的に「利便性のよい街」というただ一つの尺度で評価されるようになっていくのかもなぁ。すなわち、利便性至上主義です。

評価の尺度は少ない方がライターにとって書きやすい

 この手の街の評価記事ですが、本当にその街の個性をキチンと描こうとしたら、そう簡単なことじゃないですよね。

 自分が実際に生活してみるとか、そこまでいかずとも役所や住人に取材するとか、住人にはどんな人が多いのか調査するとか。外見、イメージ、噂だけでなく、その街の本当の姿を見極めるって、結構、難儀だと思うのです。

 でも、評価の尺度を利便性に絞ってしまえばカンタンです。大体、以下の点を抑えておけばよいのではないでしょうか。

  1. 都心部へのアクセス(神奈川県の街の場合は、横浜や川崎もプラス)
  2. 駅周辺の商店や施設
  3. 家賃や住宅販売価格の相場
  4. 一般的な街の評価(人気、イメージ等)
  5. 周辺の目立つスポット(公園など。誰でも知っているようなものでよく、穴場である必要はない)

 最も大事なのは1と2。いわゆる利便性と言われているものの9割はこれ。登山口へのアクセスとか、釣具店の品揃えの良さとかは絶対に利便性の評価対象にはならないのです。

 それと、コスパを見るために3。

 1~3だけで本質は尽くしているとはいえ、あまり記事が画一的になってしまうのも困るので、4と5を織り交ぜる。

 極端な話、ネットだけでも記事の材料は揃うと思いますが、いやしくもお金をもらって書いているライターなのであれば、一度は現地に足を運んでいるはず(と思いたい・・・)。

 このような、表面をなぞっただけの地域評価記事がネットには多いのですが、結局、多くの人の需要があるからこそ、大量に供給され続けているのでしょうね。

 記事は薄っぺらくても、その内容をもとに、自分の住んでる街と比較したり、将来どこに住もうか考えたり、というのが好きな人が多いのでしょう。

そして「住みたい街ランキング」へ

 このように、利便性評価というのは表面的な項目だけで行えるので、いっそのこと、点数化して序列をつけるということが考えられます。

 でも、実際それをやろうろすると、必ずしも楽なことではない。ネット記事なら調べたことを並べればいいだけだけど、点数化する場合、客観的な評価方法を確立しなくてはいけない。

 例えば、駅から5分かかるが品揃えの豊富なスーパーと、駅前すぐの場所にあるが最低限の品揃えに留まっているスーパーは、どちらが上か。

 「快速停車駅・東京駅まで25分」と、「各停しか停まらない・東京駅まで15分」は、どちらが上か。

 おそらく評価しようがない。人それぞれ、ケース・バイ・ケースということにしかならない。

 そこで「住みたい街ランキング」です。投票形式・アンケート形式なら、面倒なことを考えなくても、手っ取り早く結果が出るからです。

 もちろん、これは厳密に利便性の順にランキングされているわけではありません。街の個性やトレンド、知名度(これ大事)も加味したものにはなっているでしょう。

 でも、上位にランキングされた地域を見る限り、不思議とみるべきか当然とみるべきか、概ね、都心へのアクセスがよく、商業的に発展しているところがほとんど。

 そりゃそう。

 自分が住んでもいない、通勤・通学をしているわけでもない街のことなど、ほとんど知らないというのが普通。アンケートに答えるにしても、利便性とイメージしか判断基準が無いため、都心部にほど近い、お店などが一杯ある、聞こえのよい街が有利になってくるのです。

 本来、街には様々な形があってしかるべきなのですが、利便性という尺度を色濃く反映したランキングによって序列がつけられ、それに対して一喜一憂する。

 郊外や地方は、「国道16号線化」などと、街が均質化されていることを揶揄されることがありますが、東京がそれを他人事として捉えられるほど、街の個性を大切にしているとは思えません。

 

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