コロナショックにより、不動産業界が影響を被っているそうです。
外出の自粛要請が出ているなか、物件の内見するのは憚られるし、不況だから、大胆な住宅ローンを組みにくい。普通に考えて、不動産売買が低調になるのは避けられないのかもしれません。
特に東京23区。日本で最も感染者が多くて、経済への影響も大きい地域。ここに、高額なタワーマンションが大量に建てられていますが、一体大丈夫なんだろうかと、他人事ながら心配してしまいます。
目次
《東京都青梅市[塩船観音寺]》
コロナでタワマン資産価値は下落する?
例えば、次のような記事があります。
「タワマンは安全資産だからコロナがあっても大丈夫だよ」ということなのだそうですが、そもそもこんな記事が出ること自体が、タワマンの資産価値が下落するのではないか、と考えている人が多いことの証左となってしまっています。
高額な金をつぎ込んで物件を買っているのだから、コロナという歴史的転換点において、自らの物件の資産価値がどうなるのか気になるのも当然でしょう。
タワマン購買層について
首都圏のタワーマンションって、価格がハンパじゃありません。周辺区であっても、例えば、70平米7000万や8000万くらいする物件が少なくありません。
そういうマンションって、さぞかし裕福な人が買っているんだろうな、と最初は思ってしまいます。でもよく考えると、首都圏には一棟数百戸のタワマンが何百棟もあるわけで、それらの大半が売り切れるほど、日本にタワマン好きなお金持ちがいるとは思えないのです。
一時期は中国人の爆買いなどもありましたが、結局、世帯年収が1000万円を超える程度の人達が、頑張って住宅ローンを払っている、というケースがかなり多いということです。
年収が1000万円超というと、かなり少数の富裕層ように思えてしまいますが、例えば年収700万の男女が結婚すれば世帯年収は1400万円にもなります。7000万とか8000万の物件であれば、どうにか買えなくもない領域に入るわけです。
こういう人達をターゲットに含めれば、市場が圧倒的に広がるので、1億円近いタワーマンションの建設や販売が進んでいるのでしょう。
もっとも、このような「パワーカップル」の全てが全て、このような買い物をしている訳ではありませんので、念のため、補足しておきます。
彼らも所詮は庶民
世帯年収1000万円超でタワマンを買っている人々、彼らは、仕事ができて高給取りなんでしょうが、所詮は庶民の域を出ません。
本当に裕福な人であれば、7000万や8000万のマンションごとき、現金買いなど朝飯前でしょう。
しかし、年収1400万円超くらいの世帯であれば、住宅ローンを組む必要が出てきます。手取りは1000万程度でしょうから、そのなかから、例えば7000万の物件のローンを払っていくのは大変なことです。
それでも、最終的にそのような物件を買う気になるのは、「それが資産になるから」というのがあるからでしょう。言い換えれば、将来売れば7000万円に近い額が返ってくる、という期待があるからこそ、「庶民」であっても7000万円のマンションを買う決断が出来るのだと思います。
逆に言うと、いくら交通や買い物の便がいいといったって、仮に将来3000万にまで減ってしまうという事であれば、そこに7000万円を出すことは厳しいのではないでしょうか。
資産価値を気にする生活
だからなのか、タワーマンションの購入にあたっては、将来にわたって資産価値を保ち得る物件なのかが、とても重視されます。
また、将来売ることを視野に入れていますから、住み始めてからも、自分の物件の資産価値が今どのくらいなのか、当然チェックします。特に、無理して買っている人ほど、資産価値が下落したときのダメージは大きいので、関心もより高くなることでしょう。
これまでは、23区のタワマンの資産価値は上昇基調でしたが、昨年、武蔵小杉の某タワマンで発生した、台風による物件の冠水だったり、今回のコロナ・ショックみたいなことが起こった場合、資産価値がどうなるか、気が気でない人も少なくないはずです。
特に、自宅(まさに自分の住んでいるこの住まい)を投資物件として扱うというのは、最終的にそれで儲かることがあるのだとしても、人によっては相当に心の負担になるのではないでしょうか。
最初から資産価値など考えない
もし私がセミリタイアしないで、夫婦の生涯収入をつぎ込んだら、我が家でも周辺区の安めのタワマンくらいは買えたかもしれません。
でも本当に買ってしまうと、何かマイナスの出来事があるたびに、自宅の資産価値を気にしなくてはならなくなり、自分の性格上、耐えられないことを確信しています。自宅の建物で儲けてやろうというのは性分に合っていないのです。
そのため、郊外の安い戸建を選択し、自宅の資産価値はハナから考えないことにしました。
形あるモノは古くなっていくにつれ価値が減っていくのはむしろ当たり前。ただ、もとが安い物件ですから、価値が下落してもたかが知れているし、その分の家賃を払っているのだと思えば、特に気にはなりません。
私ぐらいの年齢になってくると、「金銭的な得」よりも、「心の平安」の方が大事になってくるようですね。
最後に。本稿は、不動産の購入や住宅ローンそのものを否定する意図はありません。身の丈にあったローンであれば、いいと思います。
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