新型ウィルスという「黒船」で、社会はどう変わるか
今回は、新型ウィルスに関して、少し社会的なことを書きます。
一冊の本といくつかのネット記事が登場しますが、どれにもマユツバなことが書かれています。でも示唆に富んだ内容と思うので、取り上げたものです。
目次
《東京都檜原村》
ウィルスは歴史を変える力を持つ？
まず、この本。初版は30年以上前。今回のコロナウィルス騒動を眺めるのに参考になるかも？ということで最近、読み返したもの。当記事は、この本の理論を自己流に再解釈して得た知見により、書かれています。
この本の主張の一部に、「ウィルスやバクテリアがもたらす病気が歴史を変えてきた」というものがあります。
本の中でいくつか例が挙げられていますが、例えば、欧州においては、ペスト（黒死病）こそが中世を近代に変えた主体である、と。ペスト菌によって生きることを許された遺伝子・体質を持った人々が、近代西洋を作っていったんだ、と。
なんか怪しげな説のように思えますが、病気の大流行が歴史や社会を変えてしまう、ということ自体はあり得ることではないかと思います。コロナウィルスもまた然り、かもしれません。
北朝鮮の体制
北朝鮮でのコロナウィルス感染状況について正式には何も伝わってきませんが、上記の記事のように、なかなか悲惨な状況と推測されています。悲惨さが高じると、彼らの体制にも何かあるかもしれません。
日本社会への影響
日本社会はそこまでドラスティックでないにしても、コロナが収束した後、これまでの日本社会の在り方を反省し調整する局面に入ることでしょう。
例えば、在宅勤務の促進、無駄な会議の削減、不動産バブルの崩壊、医療体制の在り方の見直し等、いくらでもありそうです。万一、オリンピックが中止になった場合は、議論は更に熱が入ることでしょう。
これまでのような働き方や価値観にも深刻な疑問が呈され、セミリタイア的な発想が、もう少し一般化していくかも、というのは手前味噌に過ぎるか。
欧州移民社会とコロナウィルス
・・・移民と社会の関係である。欧州では、21世紀、常にこの問題に悩まされているが、今回の意外な欧州での新型肺炎危機に対する恐怖感、不安感は、これが大きいのではないか。
つまり、社会が分断されており、移民およびそれに類する人々が社会の中では実質的に分離されているために、医療の問題や社会的な包容力の問題もあり、社会的に保守的でいられる人々の外で問題が広がり、もともと相互に理解、信頼がないから、外で感染が広がれば大きな恐怖感を持つし、・・・（後略）
「日本が新型肺炎に強かった」かどうか、現段階で断定するのは危険な気がしますが、それはそれとして、上記の引用部分はあまり見かけない観点なので興味を持ちました。
異様に分かりづらい文章なのは、下手に書くと差別的に取られるため、表現をボカしているからでしょう。でも、ここではハッキリと書いてします。
すなわち、従来の欧州国民（の一部）は、「あの移民達がコロナを蔓延させている元凶なのではないか」と疑念を抱いていて、それ故にヒステリックな拒絶反応を起こしているのでは？ということなのでしょう。
それが本当かどうかは分かりません。ただ、日本で移民政策がとられていなかったのは、今回のコロナウィルスの件に関して言うなら、幸いなことだった、と思います。
もちろん、日本にも大和民族以外の民族や外国人はいますが、それなりの軋轢はあっても、深刻な対立が起きているわけではありません。
一方、欧州の移民問題は、日本の外国人問題なんかとは次元が違います。家族単位でいきなりドカッとやってきて、集落を作って子供をガンガン産み、自分達とは異なる異教の儀式を高らかに行っている。国の「内部」に、全く理解できない「外部」の者達の集団があちこちに出来上がってしまった。一部の国ではテロのようなものも起きている。
このような背景のもとに新型ウィルスが突然広がった場合、従来の国民（白人＝キリスト教信者）が、移民達（イスラム教）に対し、先に述べたような負の感情を抱いても全く不思議ではありません。
おわりに
今回の新型コロナウイルスは、これまで人間社会の内部に存在しなかったものが突如現れたもので、人間社会からしたら「外部」です。最後の例に出てきた欧州への移民も、もとの欧州社会からしたら、やはり「外部」から来た人達です。
先のパンツを捨てるサルを著した栗本氏によれば、人間社会が「外部」と接触した場合、その外部に対応するために、必然的に社会は変わらざるを得ないのです。
「外部」といって分かりにくければ、日本的に「黒船」と言い換えることもできましょう。新型コロナウィルスという黒船の来航に際し、我々人間社会はどう変わっていくのでしょうか？
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