50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

「稼げない人は価値が無い」という発想で人生後半に幸せになれるか?

 今日は次の記事。

人生後半戦に「価値のないオジサンになる人」と「ずっと稼げる人」の8つの分岐点

 人生の後半戦に「価値のないオジサン」にならないためにはどうすればいいのか。マーケティングコンサルタントの酒井光雄氏は「年齢にかかわらず、成長を続ける人は自問と行動を繰り返す。仕事を通じて自身のブランドを築くことが、人生の後半戦を左右する」という――。

 この標題は「稼げない人は価値の無いオジサンである」ということと、ほぼ同義だと思いますが、なかなか辛辣ですね。

 もっとも標題をつけたのは、おそらく酒井氏ご本人ではなく、プレシデントの編集部だと思いますが、記事の内容はここまで辛辣でないにしろ、大同小異です。

 記事内容を完全否定するわけではないにせよ、それを実践して幸せになれるのって、ホンの一握りではないのか?などと思うわけです。

 

目次

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 《東京都奥多摩町:仏様の脇に宝暦4年(1754)とある》

大半の40代後半~50代は、職場において「アガリ」になる

 40代後半から50代にかけて定年退職が視野に入り始めると、これから自分はどれだけ実績を上げ、どんな評価を得られるかを自身で把握できるようになります。この年齢で管理職に昇進していなければ、これから先も役職に就く可能性は限られ、収入は増えていきません。

(略)

 40代後半から50代に「アガリになる人」と、「伸び続ける人」との分かれ目はどこにあるのでしょうか。その分岐点ともいえる8つのポイントを踏まえて、後半戦も社会が求める人材として活躍できるように自身をチェックしてみてください。

 これの前半部分は、概ね正しい認識だと思います。以前も当ブログで次のような記事をアップしています。

  【過去の当ブログ参考記事】 中年の危機 ~40代の悲哀を考える~

 ただ、後半部分、40代後半から50代において、「アガリになる人」と「伸び続ける人」はフィフティ・フィフティで存在するのではなく、前者が大半であり、後者は一部である、という点が抜けています。

 また、ここでいう「アガリ」とは、「職場において、より上の役職について収入を増やす、という可能性が断たれた」という、限定的な状況であることにも注意。

 逆にいえば、「伸び続ける」とは、「職場において、より上の役職について収入を増やす」ということになります。

職場で「伸び続ける」を目指しても、多くの人は幸せになれない

 「伸び続ける」って、字面上は、いかにも良いことであり、誰もが目指すべきことのように捉えてしまいますが、「職場において、より上の役職について収入を増やす」と具体的に言い換えてしまうと、その言葉にまとわりついていた普遍的なニュアンスが取り払われ、限定的・個別的な話になってきます。

 逆にいえば、「職場において、より上の役職について収入を増やす」という限定的・個別的な話でしかないモノに、「伸び続ける」といった美辞麗句が冠され、それが普遍的な価値があるかのように扱われ、「伸び続ける」ことに邁進させられるのが、多くのサラリーマンの姿です。

 それでも、定年に至るまで「伸び続ける」がことが本当にできるのなら、努力が報われて幸せなんでしょうが、先にも述べた通り、40代後半・50代になると、大半は頭打ちになります。

 大半の人が、いつまでも伸び続けるなんて出来っこない仕組みになっているのに、「稼げない人は価値が無い」などと煽られて、40代後半・50代になってもなお、不毛な「伸び続ける」ための努力をさせられ、やっぱり伸び続けることが出来ずに、定年を迎えることになる。

 不幸とは言わぬまでも、あまり幸福ではなさそうなストーリーです。

仕事とは別のところに価値を見出す

 これまで述べた、

  • 稼げない人は価値が無い
  • アガリになる人
  • 伸び続ける人

というのは、あくまで、仕事、しかも出世目線の言葉。

 仕組み上、40代後半以降は「アガリになる人」が大量に発生してくるのは避けられないわけで、それを一律に「稼いでいない、価値の無いオジサン」と言うのもどうなのかな、と。

 文句を言うばかりでもしょうがないので、いくつか提言っぽいことも書いてみます。

 私が思うに、「伸び続ける」ということにいつまでも拘るから、苦しい状態が続く。伸びる伸びないって、たかが職場の地位や収入といった限定的な話です。

 そこで、まずは、40代後半になったら、「伸びる伸びないといったことを忘れて、今までのキャリアの範囲内でよいので、目の前の業務に真摯に取り組む」ということ。

 出来もしない「伸び続ける」努力を続けるよりは、その努力を「積み重ねてきたものを良い形で生かす」方に振り向けた方が、いい結果が出るのではないかと思うからです。

 もう一つは、仕事とは別のところに価値を見出しておくことです。

 先の記事では

 成長を続ける人は、「仕事を通じて、(略)

 人生の分岐点を迎えても、年齢によって自分の限界を決めつけることなく、自身の可能性を拡張するために知恵を使い行動を起こしましょう。「アガリの人」などという概念は自分自身で払拭し、一度しかない人生を価値あるものとして過ごしてください。

などとありますが、「アガリの人」「一度しかない人生を価値あるものとして過ごしてください」というのが、仕事・出世目線の捉え方でしかないことに、発想の狭さを感じます。

 しかし、人生には、仕事の他にも様々な要素がありますから、そういうところに価値を見出しておけば、たとえ、職場では「アガリの人」となっても、その分野ではまだまだ伸び代はあるわけです。

 つまり、トータルで見れば「アガリの人」でも何でもない稼げないからって価値が無いわけでもない

 人生後半戦においては、この人の言うようなことはあまり役に立たず、「仕事・出世とは別の価値観」を、自分の中に醸成しておくことが幸せになるポイントではないか、と個人的には思っています。

 

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