以前は日陰者扱いだった早期・セミリタイアですが、最近は装い新たにFIREという名を変えて、ネット記事どころか、TV番組にまで登場するようになったのは、少々オドロキです。
そうすると、必ず出てくる意見として「全員がリタイアしたら、日本という国が成り立たなくなる」というものがあります。
確かに「本当に全員がリタイアしたら」日本が成り立たなくなるのはその通りでしょうが、そもそも「全員がリタイア」なんてことが非現実的な仮定なので、安心して!と言いたいです。
目次
《東京都西多摩郡瑞穂町・多摩川水系残堀川上流端》
そもそも大半の人は目指すことさえしない
セミリタイアというものがi以前より表に出てきて、興味を持つ人の絶対数が増えたのは事実でしょうが、じゃぁ、それが日本経済に影響を与えるほどにメジャーな動きなのか、というとそうではないでしょう。
FIREとかセミリタイアとかいう概念をネットで見ても、大抵は「ふ〜ん」と思うくらいだろうし、一時的に興味を持っても、「じゃぁ、現実的に自分にそれが可能なのか」を計算してみると、加減乗除が出来るくらいの学力があればミッションの困難さに気づくことでしょう。
結果、大半の人はエントリーすることさえしない。目指すか目指さないか、という時点で、相当数がふるいにかけられる訳です。
リタイアの型とその実現性
残った数少ないリタイア志望者ですが、芸能界やプロ野球のように、リタイアを目指したからといって、実現できるとは限らないのがこの世界。
早期リタイアの実現パターンとして、大きく次の4つに分けてみます。
- 事業や投資などが当たったり、雇われでも営業成績抜群などによる高年収により、若くして生涯のお金を稼ぎ切った(稼ぎ切り型)。
- 不動産投資やフリーランス、資本家など、拘束時間の少ない業態への転身(個人事業型)。
- リタイア資金は非常に低額にとどめ、支出の最適化の範疇を超えた超節約生活、必要に応じて低負荷バイトなどをして乗り切る(低資産・超節約型)。
- 前々から収支の最適化や積み立てをコツコツ行ったことが報われて、中年以降にリタイアできるだけのある程度の資金を作ることが出来た(コツコツ型)。
もちろん、全ての事例において、綺麗にこの4つのどれかに分類されるものではありませんが、傾向としては、こんなところではないかと思います。リタイア後にも働くかどうかは、この分類では重視していません。
1番の稼ぎ切り型が最も理想的なのでしょうが普通の人にはかなり難しい。日本が成り立たなくなるほど、このような人が増加するとは思えない。
2番の個人事業型は、拘束時間が少ないというだけで、社会にサービスや資本を提供している側の人間ですから、日本が成り立たなくなる!の批判対象に含めるのは不適切でしょう。
3番の低資産・超節約型は、「こんなに少額でも工夫次第でFIRE出来るんです!」的なコンテンツを盛んにアップするから一部で目立っていますが、実態としてはそれほど多くないのではないかと、睨んでいます。
斜陽の40代・50代がリタイアしたからといって・・・
4番のコツコツ型は、地味だしリタイア年齢は遅めだが、難易度はメチャクチャ高いという程ではなく、実は早期リタイアのパターンとしては結構多いのではないか。
ボリューム・ゾーンは恐らく40~50代。彼らのうち、積極的に情報発信をする人は比較的少ないだろうから、サイレント・マジョリティといったところか。
とかく、40代・50代のサラリーマンは斜陽扱いされるもの。
例えば、昨今流行している(ように一見見える)早期退職勧奨は45歳とするのがトレンド。
【過去の当ブログ参考記事】 70歳就業法と45歳定年制。矛盾する流れ、日本はどうなる?
また、「50歳を過ぎた社員は新しい価値を生まない」みたいな、随分とひどい言われ方もしている。www.businessinsider.jp
だとしたなら、40~50代のほんの一部が早期リタイアしたところで、それは、斜陽の割に給料高めの人が、経済的に自立して自発的に辞めてくれるということだから、日本が成り立たなくなるどころか、多くの日本企業にとってはありがたい方向性なんじゃないの?
リタイアできる人はどんどんリタイアして、若い人にその席を譲る。新陳代謝が活発になっていいじゃないですか。
いつまでも会社にしがみついていたらいたで批判され、早めに辞めたら辞めたで批判される。いちいち取り合う必要は無さそうです。
色々書きましたが、要するに言いたいことは、 「リタイア者が増えて日本が成り立たなくなるなんて、そんなことありっこないから安心して下さい。」ということ。
★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます