50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

早期リタイアはたとえ50代でも極端な行動。「働く」を旨とする多数派からはそう映る。

 先日、「50代でリタイアした女性」が立ち上げた掲示板について取り上げましたが、その中で彼女の行動を「極端」と評したレスがありました。

恐い……女性リタイア者へ「幸せ自慢するな!」と攻撃

 

50代でひきこもりになりました。幸せです。 | 生活・身近な話題 | 発言小町

正社員で30年勤務した後、自主退職した50代女です。
愛犬と好きなだけ散歩し、好きなだけ本を読み、主人以外誰とも話さない生活が、この上なく幸せに感じます。


30年頑張ってきてボロボロだから仕事をやめて快適
そりゃそうでしょう。
お疲れ様でした。

 (略)

トピ主さんは随分極端ですよね。

今は仕事をやめて快適でしょうけど、50代で年金まで後10年以上
私も家庭の事情で専業主婦だった頃がありますが
ダンナの給料だけでやっては生けるけど、貯金が出来ないことにびっくり
で、年金を計算するとそのダンナの給料の手取りの半分に届くかどうか

 (略)

ボロボロになるほどの仕事をして健康を崩すのはなしですが
ただ、無為に時間をすごすより適度に稼ぐという生活はいいですよ。
多分もうちょっと時間がたつとその意味がわかってくると思いますよ。

 「極端」という語をニュートラルに使っているのではなく、明らかに「極端なのはダメだ、あなたはそのことを分かっていない」と価値判断を含んだ意味合いです。

 もちろん「適度に稼ぐ」のもありだと思います。でも、私が思うに、それは数ある人生のあり方の一つという位置づけ。

 仮に、50代でリタイアするのは、ある意味極端な選択であったとしても、「適度に稼ぐ」と比べて、いかにもダメなあり方のように言うのは違うのでは?と思います。

 

目次

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 《埼玉県入間市:狭山茶の産地》

「極端」の判断基準

 「極端」という語をネット辞書で調べると、次の通り。

極端(きょくたん)の意味 - goo国語辞書

1.普通の程度から大きく外れていること。一方にはなはだしくかたよっていること。また、そのさま。「議論が極端から極端へ走る」「極端な言い方」

2.(略)

  一般的な語義解釈だと思いますが、問題は、「極端かそうでないかの判断基準」はどうするのか?ということです。

 例えば、気温。

 私が子供の頃、真夏の最高気温は33度ぐらいが相場で、35度に達しようようものなら、充分に極端な値でした。しかし昨今は35度程度では誰も驚かなくなっています。

 気温という客観的な測定値においてすら、極端かどうか判断基準が一定でないのに、リタイアするべきか仕事するべきかみたいな、主観的・個別的要素の大きな事柄においては、尚更です。

極端かどうかの判断は主観的なもの

 問題は、「極端だ」と批判する方は、それが主観的判断である、ということに気づいていないことがあることですね。自らの主観的基準を、「誰もが認める絶対的基準」と取り違えていてそれと大幅にずれているものを「極端だ」と言う

 例えば、「随分極端ですよね」と批判の対象になっている、50代でリタイアした女性についても、彼女の資産状況とか、生活スタイルとか、退職前に激務を30年続けてきたこと、定年の下限である60歳まであと10年を切っていることなどを総合的に勘案すると、実は「それほど極端ではない」ということはあり得ます。

 しかし、「人間、働くべきなのだ」という判断基準が、批判者の中にあったら、「仕事をしないリタイア」というのは、いかにも極端な選択に映る

 更に、「人間、働くべきなのだ」というのは、少なくとも日本においては多数派の価値観ですから、「誰もが認める絶対的基準」と勘違いしやすいのです。

 そして、「誰もが認める絶対的基準」を論拠にすると、たとえそれが勘違いであったとしても、批判としては非常にやりやすくなります。ただ、法律違反したり、他人に迷惑をかけているわけではないから、「極端」ということを根拠として叩くのです。

 「多数派の判断基準からずれている」という、ただそのことだけをもって、「極端」という言葉を使って叩かれてしまうかもしれないというのは、何とも切ないことです。

「何歳でリタイアするか」は、極めて主観的・個別的な問題

 先にも述べた通り、「何歳でリタイアするか」なんてことは、実は、極めて主観的・個別的な問題であって、「誰もが認める絶対的基準」なんてものは、本来、存在し得ないものです。

 冒頭の批判者は、次のようなことも書いておられます。

まぁ億はともかくですが、50代でもし夫婦ともリタイアするなら数千万は必要ですよ。ちゃんと計算してみましたか?数千万と言う金額は都市伝説でも何でもありません。事実ですよ
少なくとも我が家で50代でリタイアするならそう計算できます。世間の話ではありませんよ。
トピ主さんはちゃんと計算してみましたか?

 このような金銭的な話は変に一般化されやすいですが、良く読めば、「自分がリタイアするなら数千万円が必要で、自分はそれを準備できてない」という個別の話に過ぎません。

 一方、リタイア女性の生活スタイルは「愛犬と好きなだけ散歩し、好きなだけ本を読み、主人以外誰とも話さない生活」というもので、そのために大金が必要とも思えず、また、こういう人がそれまで浪費をしてきていて貯蓄が少ない、とは考えにくいわけです。

 だから、誰もが50代になっても、なお労働して稼ぐ、ということが必須とは限らないのです。

 

 戦後の日本では、定年制度のもとに働いている人が非常に多くなったから、最低限、一般的な定年とされている年齢(60~65歳)までは働く、ということが「誰もが認める絶対的基準」かのように思い込んでいる人がいて、それに合わない行動をすると「極端」に映るのだと思います。

 

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