50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

退職後にまで「社会と繋がって」ないと不安な社会

 「働くとは、社会と繋がることである」。次のブログ記事で行われている書評において、その書籍の主張がそう表現されています。

  続いて、

それぞれの立場は違っても、「人や社会と繋がりたい」という気持ちは誰しもが持っています。
そして「働くこと」を通じて、私たちは、人と社会と繋がっていける。

なんて記載もされています。

 実際、このような「意識の高い見解」が、世間では多数派なんだと思います。でも、「人や社会と繋がること」に淡白な少数派にとっては息苦しさを感じる主張でもありますね。

 

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 《東京都青梅市》

 

 現代日本では、「働くこと」や「社会と繋がること」は、個々の人生においてプライオリティを極めて高く置くべき事柄として扱われています。先の主張は、この二つの事柄を等価として扱うべし、というものです。

 その主張を更に言い換えると、

 「働いていないということは、社会とも繋がっていない、ということ」

となります。

 先のブログ主や書籍の著者の主張に留まらず、日本社会一般においても、このような意識でいる人は、そう珍しくはないんじゃないですかね。

 すると、働いていない者は、すなわち社会とも繋がっていない。「人生における大事な二つの事柄が、両方とも欠落している人物」という烙印を押されることになります。

 

 このブログ主は「そこまでは言っていない、その人にとっての"居場所"があればいいんだ」とおっしゃるかもしれません。

 でもブログ記事の全体を読むと、その「居場所」として想定されているのは、実は「会社」だったり「働くこと」といったトーン。「"家"で本を読んでいる」なんてのは、"居場所"のうちに入るのでしょうか。

 社会なんかと繋がってなくったって、本人がそれでよければいいし、社会と繋がろうとする場合でも、それが仕事や会社でなくてはならない必然性など全く無い、と私なぞは思うのですがね。 

 

私自身、以前勤めていた会社では、様々な人と繋がることが出来ました(中略)。

けれども、会社を辞めると同時に、多くの繋がりは失われてしまったのです。(中略)

平日の昼間にはもう、一件の電話も鳴りません。

誰も自分自身を必要としてくれる人はなく、日々社会から忘れさられ、干されたような気分。

今まで「“個人”で繋がっていたと思っていた関係は、”会社”を通して繋がっていた関係にすぎなかった」と気づかされたのです。

 この辺は感じ方の違いですかね。

 私は、在職中、会社から緊急案件の電話がかかってくることに怯えていたので、退職後は、心の底から安堵しました。

 また、会社での人間関係なんて、最初から「会社を通して繋がっている関係であり、死ぬまで続けるような関係ではない」と割り切っていたので、退職後に寂寥感を感ずることもありません。このブログ主は若いんでしょうが、純情だねぇ

 

よく定年後の男性が、社会から孤立してしまうと言われます。
それは会社という「居場所」を失い、むき出しの個人になってしまうからなのです。
人は誰かに必要とされ、貢献できることで、勇気と希望を持って、前向きに生きていくことが出来ます。
失ってみて初めて、その辛さを思い知ったのです。

 未就労のひきこもりのように、「将来、君はどうやって食っていくんだ」というケースならともかく、今まで何十年も働いてきてやっと定年退職したお爺ちゃんを「社会から孤立」という扱いをして、「貢献」だの「勇気と希望」だのと、あれこれ指摘するのは可哀想ですよ。

 

 先日アップした記事で、私は次のように述べました。

50retire.hateblo.jp

日本社会は、「社会とつながる」とか「コミュニケーション能力」をやたらと賛美する風潮がありますが、このような社会の風潮が、かえって問題を作り出している側面もあるんじゃないですかね。

 「社会と繋がる」ということが単に賛美されるだけでなく、それが無い者は「人間性に問題がある」的な扱いをされがち。

 結果、その必要性が薄い人々や、そうすることに困難を覚える人にまで、「社会と繋がってないとまずい」と不安を覚えさせて、かえってその人を不幸にしているケースは少なくないんじゃないか、と邪推します。

 

 まぁ、色々書いてきましたが、言いたいことは、「働く」とか「社会と繋がる」なんてのは手段に過ぎないという考え方もあるから、そこに至高の価値を置いて、自分がその域に達していないと悩む必要なんてないよ、ということです。

 もちろん、先のブログ記事の主旨もある面ではその通りであり、否定するものではありません。ただ、相対化してみたかっただけです。

 

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