家にいて仕事もせずというイメージが「ひきこもり」にはありますが、実は、完全リタイアした人の多くも、家にいて仕事もしていないですよね。
結局、完全リタイアって、ひきこもりの亜種なのか? という疑問が湧いてきてしまいますが、実際のところ、どうなのでしょうか?
目次
《東京都奥多摩町》
ひきこもりの定義を私に当てはめると?
実は、「ひきこもり」には公式の定義があります。二本松市のサイトに分かりやすく書いてありました。
様々な要因の結果として、社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職員を含む就労、家庭外での交遊)を回避し、原則的には6カ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態
(中略)
「普段どのくらい外出するか」という質問に対して
(1)趣味の用事の時だけ外出する
(2)近所のコンビニなどには出かける
(3)自室から出るが、家からは出ない
(4)自室からほとんど出ない
上記の(2)~(4)選択した者を「狭義のひきこもり」、(1)を選択した者を「準ひきこもり」とし、それをあわせて「広義のひきこもり」としています。
現在の私は「完全リタイア的セミリタイア」なので会社にも学校にも行っていない状態。ただ、買い物には頻繁に出かけるので、上記の(3)(4)に該当することはありません。
あとは、趣味でサイクリングをしますが、仲間がおらず一人で出かけます。この状態を8月まで続けたら(1)に相当、つまり「準ひきこもり」ですかね。
外出を伴う趣味は他に合唱団があるのですが、現在はやめています。いつか合唱団に復活するつもりなので、そうしたら、社会的参加として挙げられている条件のうち「家庭外での交遊」を満たして、ひきこもり卒業になるでしょう。
完全リタイア者は「ひきこもり」に該当し得る
このように、完全リタイアした場合、状況によっては、定義上、「ひきこもり」に該当してしまう場合があります。
さすがに、完全リタイアしたからといって、家からも出ない、という人はいないでしょうが、ゲームや読書など、自宅で行う趣味しかない場合は「狭義のひきこもり」、外出を伴う趣味であっても、サイクリングや釣りなどを一人で行うだけ、というなら「準ひきこもり」です。
そう、あなたも「中高年の61万人のひきこもり」のうちの一人なのです!
これは大変なことです! 天下のNHK様も大変だとおっしゃっています!
それでは、完全リタイア者は、ひきこもりを脱出すべく、何か行動を起こすべきなのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。この61万人という推計は、「目の粗いふるいをとりあえずかけてみた」程度の話だと思います。だから何ら問題の無いケースも多く含まれていて、必要以上に騒ぎ立てるのもどうかなぁ、という気がします。
調査のふるいの目が粗いのは、完全リタイア等、個別の事情をいちいち確認していたらキリが無いので、まずは、その人の外出状況だけにスポットを当てたためでしょう。
厚生労働省も暇ではないでしょうから、「完全リタイア者は、ひきこもりだから問題がある」などと考えて、何か対応に動き出す、ということは考えられません。
ひきこもりで何が悪い
2ちゃんねる創設者の西村博之氏が、ひきこもりについての対談に参加していて、色々と興味深いです。
冒頭で、西村氏自身も、定義上、ひきこもりに該当してしまうと疑問を呈していますね。そして、次のような発言もしています。
ひ:僕が思うひきこもりって、誰かに迷惑をかけるひきこもりなんですよね。別に迷惑をかけていなかったら、家に居続けても構わないと思うんですよ。要は生活保護だったら病気の可能性がありますけど、何らかのお金があるから働く必要がありません、で、俺外が好きじゃないから家にいるよっていうのは単なる選択肢の問題なんで、家に居続けてはいけませんっていう選択の自由を奪う方が僕はおかしいと思うんですよね。
まさに、完全リタイアした人にはあり得る話ですね。
「社会的参加」とやらは、働いているときに散々と行ったから、せめてリタイア後は好きにさせてくれよって感じです。
まぁ私なぞは「ひきこもりの何が悪い」と開き直っているからいいんですが、開き直ることも出来ない人はツライよね。定年退職後、定期的に通う所がないと悩んじゃう人もこのタイプでしょう。
日本社会は、「社会とつながる」とか「コミュニケーション能力」をやたらと賛美する風潮がありますが、このような社会の風潮が、かえって問題を作り出している側面もあるんじゃないですかね。
★ランキングに参加しています。よい記事だと思ったらバナーをクリックして下さい。
★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます