米国株暴落でFIREの難易度が上昇したというが・・・
FIREで言及されることの多かった米国株の調子が、最近あまり良くないということです。それによって「FIREの難易度が上がった」という方もおられますが、いやいや、「FIREの難易度なんて、もともとそんなもんだろ、これまでの見積りが低すぎただけなんじゃないの?」などと思ってしまいました。
目次
《東京都奥多摩町》
あるyoutube動画について
私が前文のように思ったのは、次のyoutube動画(少し前のものですが)の標題を見てのことです。
標題やサムネールは煽り気味ですが、内容はそれほどでも無いです。
気になったのは「難易度が急上昇」という文言。動画では、いくつか上昇原因が挙げられており、株価下落のほか、金融所得等への課税強化や副業の環境悪化など。
でも、思うのですが、特に20~30代でFIREを目指そうとするなら、そのような変化を織り込むのが当然ではないのかな。それであれば、今回の下落くらいは想定の範囲内と余裕をかますくらいが丁度いいくらいでは?
でないと、株価がこれまでとちょっと違う動きをするたびに、あるいは制度がちょっと変更になるたびに、「難易度が上がった!」、あるいは円安で円換算だと資産が増えたことになり「難易度が下がった!」などと一喜一憂することになってしまう。
いやいやそんなもんじゃないよね、と、動画を作成された方も分かっておられると思う。
ただ、そのような賢明な方ばかりでもありません。上記動画にも、理想的な複利のグラフが現れますが、この類のグラフを見て、「〇〇株に毎年〇万円投資していれば、〇年後にはFIREできそうだ」みたいな皮算用している人も多かったと思う(私もずっと昔はそうでした)。
でも実際には、投資環境は理想的な複利ではなく、ランダムウォーク的な要素もある程度含まれます。理想的でない状態に一旦陥ったとき、最終的には戻すとしても、理想的ではない状態が何か月、いや何年続くのかは誰にも分からない。
FIREというものは、本来そこまで考慮に入れて計画するべきだと思うので、このくらいで「難易度が上がった!」と発想すること自体が間違っているような気がするわけです。
厚切りジェイソン氏のツイート削除
あの厚切りジェイソン氏がツイートを削除して、一部で話題になっています。
累計38万部を記録した同著でジェイソンは米国株投資を推奨。しかし、直近1か月で米国株は下落中とのことからジェイソンに批判が集まり、ツイートを削除したのではないかと憶測を呼び、一部メディアで報じられていた。
(略)
ジェイソン本人も「笑。話題にしてくれてありがとう。米国株が長期で見たら大した暴落でもないよ。それは関係ない。SNSが嫌になっただけ」と憶測を否定した。
続けて「僕の書籍で説明した理由でまだ米国株の長期・分散・積立投資が正しいと思っているし、僕がまだ続けているよ。冷静に計画通りで」とつづり、(略)
投資は自己責任が大原則ということで、ジェイソン氏の擁護をされる方も多いです。それはその通り。
でも、書籍なりネットで大々的に発信する場合、情報の受け側にはリテラシーの無い方も一定割合で含まれることは、発信側も知っていなくてはいけないはず。特に、投資なんて、要は金儲けの話だから猶更。
リテラシーの無い人々を多く含む世間、(リテラシーどうこう関係無く)情報発信に厳しい見方をする人々を多く含む社会に対し、大々的に発信して(収益を得て)いるのは自らやっていることだし、そのことによって、人々に数十~数千万単位のお金を拠出させる可能性があることの重大性を考えれば、色々と言われてしまうのも、まぁ仕方無いことかもしれないな、と思はなくはない。発信内容の正当性は別にして。
「投資は自己責任」という原則がありますから、情報の発信者が人々の損失を補填する義務が生じることは全くありません。一方で、発信した情報について、人々から色々と論評されることまで免責するものでもありません。
自分が、セミリタイアについて手放しで称賛するようなことはあまり書かなくなったのも、そういうことがあります。
★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます