50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

老後準備のためだけではない!貯蓄の効用

 今回は次の記事。

現役時代を老後の準備で終わらせてはいけない | マイナビニュース

ある雑誌で、ファイナンシャルプランナーが大卒の新入社員に対し、「給料の一部は老後に備えて貯蓄する習慣をつけなさい」とアドバイスする記事が掲載されていました。 私はこれを読んで、前途洋洋な新入社員に対し、なんとも人生のスケールが小さくなるようなアドバイスに感じました。(略)

それに、貯金に精を出すことは、お金を使わない生活です。そしてそれは、今の自分の生活圏の外側へ踏み出さないということです。(略)だから私は、ガンガンお金を稼ぎ、それを自分や自分の大切な人の成長や進化のために使いたい。 

 この記事を書かれたのは、以前も取り上げた、成功指南ビジネスの方です。

  【過去の当ブログ参考記事】 「成功指南ビジネス」と早期リタイアの関係とは

 

 この手の話は、人々がガンガンにお金を使う価値観を持っていないと説得力を持たせることが出来ないわけですから、しきりにお金を使うことを勧めます。

 数ある価値観のうちの一つとしては十分に認められるものですが、今の世の中の価値観は、遥かに多様化していて、成功・成長一辺倒の古典的な価値観を広めていくのも、そう楽ではないだろうなどと思うのです。

 ところで、この記事の表題・内容を読む限り、人々(特に若者)が貯蓄をする目的・効用は老後準備が大きなウェイトを占めていて、そのために今現在の人生を犠牲にしているのだ、と解釈できます。この記事に限らずよく言われることですが、それって本当でしょうか?

 むしろ、今後の人生をチャレンジングなものにしていくためにも、貯蓄というものは若い頃から、むしろ積極的に捉えていくべき項目ではないかと、もうすぐ50歳を終える私などは思うわけです。

目次

f:id:retire50:20201114220345j:plain
 《東京都青梅市:奥多摩橋》

チャレンジするにもお金は必要では?

 チャレンジといっても色々とありますが、起業にしろ、投資にしろ、転職にしろ、幾ばくかのお金が必要なのでは?と素朴に思うのです。蓄えがなければ、いざチャンスが巡ってきても、それを生かしきれない。

 例えば、「好きな仕事だけど今よりも給料が低い職場」に転職する場合、蓄えのほとんどを使ってしまうような生活」をしていたら、もうアウトってことになりますよね。起業や投資なら尚更。

 私なぞは、50歳になるまで蓄えてきたお金で早期リタイアに踏み切っています。早期リタイアは、この記事の筆者は否としていますが(「成功指南ビジネス」と早期リタイアの関係とは参照)、大きな人生上の決断を経ているという点では、起業や転職と変わるところはありません。

 そして、十分な蓄えがあるということが、早期リタイアにしろ、起業や転職にしろ、どんなに決断の後押しになってくれるか、知れないのです。

金をかけたものだけが価値ある体験や発想なのか?

それに、貯金に精を出すことは、お金を使わない生活です。そしてそれは、今の自分の生活圏の外側へ踏み出さないということです。(略)しかし、今の自分が見たことのない世界を体験しないとか、今の自分が持っていない発想や価値観に触れないという生活は、自分が進化しないということを意味します。 それは味気ない人生ではないか。

 思うんですけど、金をかけないと体験、発想、価値観を得られないって、貧乏暮らしや貧乏旅行、貧乏メシさえコンテンツとして成立してしまう今の世にあって、それこそ価値観・発想として古いのでは?

 もちろん、世の中には成金向けビジネスもありますし、勉強のために高価なサービスを使ってみるということもあるし、人脈を得るための交際費も必要なのでしょうから、お金を使うことを全面否定するものではありません。

 でも、「今の自分が見たことのない世界を体験」するのに、人にお金を使わせるための「人為的な仕掛け」がふんだんに盛り込まれた高額な商品・サービスを使うことばかりが能だとは思えないんですよね。 

 お金を掛けてはいないけど、無から作り上げた素朴な「自分のやり方」だって、十分、「今の自分が見たことのない世界を体験」できるものではないでしょうか。

 むしろ、企業が仕込む「人為的な仕掛け」のネタが尽きかけている現状では、こちらの方が求められているものかも知れないと思うわけです。でも、「人にお金を使わせるための人為的な仕掛け」を至上としている限り、このような発想や価値観は、かえって生まれにくいわけです。

おわりに

 別に、貯蓄のために爪に火を灯すような生活をしろってことではありません。ただ、「貯蓄」にはもっと積極的な意味があるし、この人のいう、

それよりも、仮に貯金は300万円しかなくても、毎月安定的に20万円が入ってくるとしたらどうでしょうか。今月20万円使っても、来月にはまた20万が振り込まれる。来年もその次の年も、毎月毎月20万円入ってくる……。これなら安心して生活設計ができるのではないでしょうか。

という、自転車操業的な皮算用を現実のものとするのにも、やはり元手はあったほうがいいんでないの?ということ。

 ただ一方で、「新入社員の頃から老後準備を考えるだなんて、寂しい」という筆者の考えも分かるのです。老後不安を煽るだけの記事が増殖していますから。例えば、次の記事など一例。

  貯金2000万円でも老後破綻の危機 ハロワ通い61歳男性の不安

 ただ先にも述べた通り、今後、どういう人生を歩むにしても、蓄えがあると選択肢は広がる蓄えが無いとリスクを取りにくい、ということは確実にあるから、貯蓄体質にはしておいた方がよい。「老後準備」はその分かりやすいキッカケであると捉えておけばいいんじゃないかな。

 ちなみに私も20代の頃は老後資金のことなど考えずに、様々な無駄遣いをしてきました。そして、あの無駄遣いが、巡り巡ってその後の人生の糧になっているかといえば、そうでないものが多数あります。 

 20万円もらって20万円を全額使うことばかりが、自分を進化させることの唯一の手段とは限らない、ということです。

 

 当ブログ過去記事より。

資産保有額の階層図について新たな提案(アッパーマス層とか準富裕層とか)  

私が考えた資産階層
アンダー層

  • 資産保有額100万円未満。
  • 普段から生活が困窮、あるいは普段はどうにか暮らせていても、不景気やコロナなどで失業したら、日をおかずして生活が困窮する。

途上層

  • 資産保有額100万円以上、500万円未満。
  • 500万という数字は、かなりの年収があっても「なかなか貯まらない」タイプの人々が超えることが出来ないと個人的に考えるライン。
  • 職を失ってもただちに困窮することはないが、安心とも言いにくい。
  • 投資や住宅ローンのようなリスクはとりにくく、まずは、貯蓄を積み重ねるべき人々。

 私の個人的な感触によれば、少なくとも500万達成までは貯蓄に励んだ方がよい、ということになります。

 

  【過去の当ブログ参考記事】 「若いうちは金をどんどん使え」はバブルの残滓か?

 

★ランキングに参加しています。よい記事だと思ったらバナーをクリックして下さい。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ

★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
 ⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます