FIREと4%ルールについてテキトーな雑談
"FIRE"なる言葉、今現在リタイアを検討中の方の多くが目にしているはず。すなわち、"Financial Independence, Retire Early"(経済的独立を果たし早期退職すること)の略称で、アメリカで生まれた概念です。
日本における早期リタイア・セミリタイアと親和性があるので、私も注目しています。本稿では、雑談ベースのテキトーなことをつらつらと書いていきます。
目次
《東京都青梅市》
FIREについて
私は、私の理屈でリタイアを果たしてしまっているので、FIREについてそれほど詳しいわけではありません。ただ、初耳の方もおられるかもしれないので、一応、解説記事を貼っておきます。
【エンタメよもやま話】究極の節約でアーリーリタイア 米の若者がめざす真の“働き方改革”とは(1/4ページ) - 産経ニュース
(略)米のミレニアル世代(1981年から1996年の間に生まれた人)の間で最近「FIRE(ファイヤー) ムーブメント」に賛同する人が急増しているのです。「 Financial Independence, Retire Early =財政的自立と早期リタイア」を標榜する運動のことです。
更には、資金運用の虎の巻まで用意されています。
具体的には、収入の70%を貯蓄に回し、貯蓄額が年間経費の30倍、もしくは貯蓄額が100万ドル、日本円にして約1億円になれば、今の仕事を辞め、リタイア生活に。その後は毎年、総貯蓄額の3%から4%を銀行から引き出し、慎ましい生活を続けることを提唱しています。
要するに、アメリカ発祥の早期リタイアの一形式ということ。
恐らく、それまでの早期リタイアは、アメリカンドリームで大成功し、巨額の資産を築いて豪遊することが前提で語られていた。それに対し、FIREは、資産額1億円程度で、運用・倹約しながら生活していくという小ぶりなもの。
こういう方式でも実はリタイアが可能・・・言われてみれば大したことない話なのですが、言われてみないとなかなか気づきにくい。まさにコロンブスの卵。
一旦、このことが認識されると、早期リタイアのハードルが下がった!ということで、我も我もと、ムーブメントと呼ばれるまでになったのでは?と想像しています。
日本における「FIRE」
今でこそ、「FIRE」なる言葉、日本のリタイア界隈でも有名になっていますが、私がリタイアの検討を開始した5年以上前には全然見かけませんでした。
いや、FIREなる言葉自体は、それが提唱されたアメリカで、もっと前からあったのですが、私がこの概念を認識したのは、多分ここ2年以内のことです。
その後、日本のリタイア界でも急速にこの概念が浸透し、リタイアブログでもFIREについての投稿が見られるようになりました。最近は、「セミリタイア」よりも、最初から"FIRE"を標榜するブログさえ見かけるまでになっています。
FIREを標榜しているブログ、特に達成者のブログって、投資で成功して華々しいイメージがありますね。
そもそもブログの作りからして違う。Wordpressでガッツリ作り込み、どうすればFIREを達成できるのか、理論と心構えをしっかり説いていらっしゃる。
これに対して、セミリタイアブログで比較的多くみられるような、無料ブログで、日常の出来事をテキストだけでボソボソ綴るのは、華々しいFIREにそぐわない。
まぁ偏見です。でも、FIRE紹介記事(特に英語からの翻訳記事)には、30代で日本円にして数千万の後半、あるいは億単位の金を貯めてリタイアした華々しいアメリカ人のケースが典型例としてたびたび登場するので、そう思ってしまうのかもしれません。
豪遊系リタイアより小ぶりとは言うものの、この年齢で億単位を貯めるって、充分華々しいですよ。
20代、30代でリタイアする「FIREムーブメント」が流行ってる | ギズモード・ジャパン
(略)FIREムーブメントはとにかく退職年齢がめちゃ早いという違いがあります。
ウォール街の金融関係で7年働いて225万ドル(約2億5500万円)貯め込んで28歳でリタイアした女性J.P. Livingstonさん(29)はその最たる例で、(略)
でも、アメリカ人でも貧乏リタイアしている人は絶対いるでしょ。わざわざ日本向けの記事にはあまりしないだけで。
4%ルールについて
FIREを語る上で切っても切り離せないのが「4%ルール」。
セミリタイア (F.I.R.E) するなら知っておきたい資産運用の「4%ルール」とは ?
「4%ルール」とは、年間支出の25倍の資産を築けば、年利4%の運用益で生活費をまかなえるという考え方だ。年間支出が仮に250万円なら、6,250万円の資産を築いて年利4%で運用すれば、理論上は資産を維持したまま生活できるというわけだ。
このルールの素晴らしいところは、「リタイアの必要額」を簡単な数式で表したこと。これにより、リタイア必要額は、これまで漠然と思われていたほどに莫大な額(何十億円とか)ではない、ということが示された。
でも、このルールが有名になり過ぎて、このルールありきでリタイア計画を立ててしまうのはどうかなぁ?と思ってしまう。
実際、FIRE指南サイトでは真っ先に4%ルールを説明していたりします。あるFIRE志望サイトでは、自らの年間支出額を単純に25倍して、きりよく切上げ・切下げした値を、リタイア目標額に設定していたりしました。
でも、みんな違う形のリタイアがあるはずなのに、機械的に公式で算出するっていうことに、頭の古い私は、少々の疑問を感じているわけです。
4%ルールって、あくまでこれが考え出された当時のアメリカの状況に基づいたもの。でも、ここは日本。しかも毎年毎年状況は変わっていきます。今年はコロナが発生して、今後どうなるか不透明です。
毎年4%の運用益を出して、その運用益分だけを支出することにすれば、資産は維持できるっていうけど、今後何十年間もそう都合よく続けていけるものなのかなぁ。しかも、上記の理屈だと、持てる資産を全額リスク資産に投入することが前提になっているし。
私自身は4%ルールではなく古い方法で計算
こうケチつける私はどうしているのか?
先述した通り、私がリタイア計画を立てたときは4%ルールなんか知りませんでしたから、地道にEXCELで資産推移表を作成していました。
資産推移表って、資産の初期値と年間支出額だけ分かれば作成出来るってものじゃないんですね。
「毎年の基本的な生活費としていくら使う」「○歳で家を修繕するための費用」「△歳で学校に通うための費用」「□歳からいくらの年金をもらう」「×歳で死ぬときにはいくら残す」など、考えつく限りのイベントを表に書き込んでいく。
あまりキツキツな計画を立てると破綻しやすくなるので、適宜、安全率を施す。
想定外のことがどれだけ起こるかにより、楽観プラン、悲観プランなども併せて検討する。
つまり、資産推移表は人生計画表なんです。
こういう古い方法で検討してきた私にとって、「4%ルール」というのは、あまりにも簡明に過ぎるわけです。公式は確かに便利だけど、個々の人生の揺らぎというものを、そこに反映させる余地があまり無いからです。
「4%ルール」は一つの考え方ではあるけれど、あくまで数あるなかの一つというだけのことであって、それが経済的独立&早期リタイアを達成するための秘訣であるが如く扱うのはどうなのかな?と思います。
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