50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

FP・山崎俊輔氏のFIRE論について思うこと

 FPの山崎俊輔氏がFIREに関して著作を出されていて、関連記事がいくつかネットに出ています。私は、著作は買っていないのですが、ネット記事には目を通しています。

普通の会社員でもできる 日本版FIRE超入門

普通の会社員でもできる 日本版FIRE超入門

  • 作者:山崎俊輔
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
Amazon

ネット記事

  1. 夢を現実に 1億円なくても早期リタイアは可能
  2. FIREの第一歩 月1万円でも多く稼ぐ覚悟
  3. FIREを成功に導く大事なスキル それは節約
  4. FIREをものにする資産運用 リスク取り過ぎは致命傷
  5. FIREするなら何歳? 3つのルートで考える

 FP等の書いたFIRE論は今後も取り上げていこうかと思いますが、山崎氏のFIRE論を読んで全体的に思うのは、

 「フツーの会社員が出来るFIREというのは、せいぜいこんな所であり、あまり夢がある内容ではないので、夢見がちな人にはウケないだろうな。でも、現実的に戦略を練ろうという人には参考になるかも」

ということ。

 

目次

f:id:retire50:20210904170045j:plain
 《東京都西多摩郡日の出町:平井川源流》

「一刻も早くFIREしなければならない」

 最近、FIREのことが多く取り上げられるようになり、FIREしたい人も前に比べたら増えているのでしょう(多分)。

 ただ、前にも書きましたが、どんなに強く望んだからといって、先立つものが必要なため、すぐに実現できるわけではありません。タピオカドリンクの流行りに乗るだけであれば、東京なら原宿辺りの流行りの店にいって数百円払って飲めばそれでいいのですが、FIREでは、こうはいかない。

 しかし、多数のFIREのコンテンツを沢山読んですっかりその気になってしまった人は、「このまま賃金労働を続けると、どんどん人生の自由な時間が削られていくので、一刻も早くFIREしなければならない!」みたいに感じています。

 そういう方達は、山崎氏のFIRE論は全くつまらない、老後資産作りに毛が生えたようなものに過ぎない、と評価するはずです。

「仕事でもらえる給料が高いほど、FIREには有利になる」という事実

 山崎氏の記事のうち、

 夢を現実に 1億円なくても早期リタイアは可能

  ⇒ これはよい。

 FIREを成功に導く大事なスキル それは節約 

  ⇒ これもよい。労働から逃れるためなら、節約は厭わないという人は多いと思う。

 しかし、例えば、FIREの第一歩 月1万円でも多く稼ぐ覚悟 あたりは、クソ扱いする人が多いんじゃないでしょうか。

 FIREというと、資産運用のテクニックに注目が集まります。(略)

 しかし、米国のFIRE本をいくつか読んでみると、むしろ「仕事をしっかりやること」にページが割かれています。

 実はFIREを実直に実践しようとしたとき、マネープランの王道である「年収をもっと増やす」というパートを抜きに語ることはできません。FIREへの取り組みの第一歩は「資産運用」ではなく「キャリアアップ」なのです。

 「キャリアアップ」ということは、要するに「仕事を頑張れ(そして給料をあげろ)」ということ。

 確かにこのことは間違っていなくて、アメリカのFIRE成功記事の翻訳などを読むと、そもそも、仕事で稼ぐ能力がずば抜けていて、そういう人が極度に仕事を頑張った上で、更に投資や節約もやった結果、若くして結構な額の資金ができ、その結果、早期リタイアを達成している、というパターンが多い。

 日本においても、FIRE本を出した某サラリーマン氏などは高配当株をウリにしていますが、実際には、彼は、サラリーマン時代の圧倒的な入金力があってこそ、あんなにも早く、そして沢山のリタイア資金が獲得できたのではないか、という推測がなされていますし、私もそう思っています。

 このように、華々しい事例には、その主人公が、能力面・金銭面・環境面で非常に恵まれている側面がある、ということは是非とも認識しておくべきことでしょう。

 しかし、FIREを目指している多くのフツーの人達は、そこまで能力面・金銭面・環境面に恵まれているわけでもなく、かつ、そもそも仕事がキライであり、給料をちょっと増やすために仕事を頑張るなどしたくもないわけで、本末転倒な話なのです。

 そういう人達に対し、「仕事でもらえる給料が高いほど、FIREには有利になる」という厳然たる事実を突きつけることは、夢を壊すことになるので、(一部で)クソ扱いされてしまうだろう、というわけです。

おわりに

 ネット記事を読む限り、山崎氏のFIRE論は、良くも悪くも、こういうテイストです。FPとして、日本人にとってなるべく再現性のあるやり方を提案している分、夢ある内容からは一歩も二歩も引いた内容です。

 一方、FIRE達成者のうち、特に紙の著書を出している方は、華々しい事例であり、夢ある内容となっています。そして、表面上は再現性の高さを謳っていますが、実際は、その著者が能力面・金銭面・環境面の何れかに恵まれていて、そのお蔭で資金が作れた、という側面は表立って記されていません。読む分には楽しいですが、かなり割り引いて捉える必要があると思います。

 世に出ているFIRE論も色々ですね。

 

★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
 ⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます