今日は、「大きなお世話」と言われるであろう、でもどうしても私が感じてしまうことについて、書いてしまいます。
それは、FIREの一形態として注目されている「バリスタFIRE」というものの名前についてです。
目次
バリスタFIREについて
バリスタFIREというのは、(多くは生活資金の不足分を補うために)FIRE後も若干の副業やバイトを行う、というものです。「バリスタ」というのはネスレ製のコーヒーマシンのことで、カフェでバイトするようなイメージですね。
実は、私が最初にリタイアを検討したときも、バリスタFIRE的なものを選択肢に入れていましたから、このような方式が登場する背景はよく分かります。
とにかく、完全リタイアできるだけの資産は貯めるんだけど、フルタイムの仕事を辞めた後でも、何かしら(フルタイムではない)仕事をしてもいい。あるいは、しなくてもいい。そのような選択ができたらどんなにいいでしょうか。
でも、このような状態を実現するには、それだけの資金が必要。つまり、フルタイムで仕事する期間をそれだけ長くとらなくてはなりません。
一方、リタイア後も、生活のために短時間働くことを許容すれば、数年早く辞めることができます。でも、「働いても働かなくてもいい」という自由は得られない。
これはジレンマです。リタイアの検討を開始した頃、かなり悩みましたが、結局、前者をとりました。
つまり、「低資産でいいから、なるべく早くリタイアしたい」という需要があるんですよ。
フリーターと何が違うの?
ただ、この「バリスタFIRE」という言葉を最初に見たとき、思ってしまったのです。
「それってフリーターと何が違うの?」
と。
もちろん、フリーターとバリスタFIREとは似て非なるものなのだと思います。以前、私はフリーターとセミリタイアの違いについて述べましたが、フリーターとバリスタFIREの違いについても、概ね、当てはまると思います。
まず、形式的な面からいくと、フリーターの多くは「そもそも最初から就職していない」、リタイア者の多くは「就職していたが辞めた」という違いがあります。
そしてこの形式的な違いが、資産状況の違いや現実の行動にも結び付いているのではないでしょうか。
バブル期フリーターの多くが刹那的・享楽的な生き方をしていたのに対し、リタイア者のほとんどは、身の丈に合った生活をし、現役時代にある程度の資産を構築し、退職後どのように食っていくか、シミュレーションしています。下手な正規雇用者よりも堅実だといってよいくらいです
ただ・・・ただです。
「生活費を補うためにバイトをしてまーす!」
みたいなことを前面に押し出したネーミングはいかがなものかと。
バリスタという言葉は日本人にはあまり馴染がないので、ピンと来ないですが、例えば、スタバFIRE、コメダFIRE、コンビニFIRE、吉野家FIRE、みたいに言い換えてしまうと、一気に生活感がアップしてしまいます。
バリスタFIREのメインは、「バリスタ」ではない
バリスタFIREを目指している人って、別にスタバとかコメダで働きたくてバリスタFIREを目指しているんじゃないと思うんです。
必要最低限の時間は補助的に働くけど、メインは「バリスタを使っている以外の時間」にあるはずです。ですが、バリスタFIREと言ってしまうと、バリスタというのが前面に出てしまって、「それってカフェで働いているフリーターと何が違うん?」と思ってしまうのです。
一方、「バリスタFIRE」という語と類似の言葉に「セミリタイア」があります。この言葉の初出は故・大橋巨泉さんだと言われています。この言葉の本質は「セミ」という部分にあります。
完全に引きこもってボケーッとするのではなく、テレビの仕事はほぼ引退するけれど、大好きなゴルフや世界各地の自分のお店の経営については、これまで以上に積極的に活動しますよ、という意味合いが込められています。
夢のある言葉だと思います。
個人的には「サイドFIRE」という語が良いと思う
ということで、バリスタFIREという、フリーターの亜流みたいな名前は、自嘲気味に言うならともかく、一般にはかなり微妙なネーミングではないでしょうか。
自分が、もしこの形態のFIREを目指すのであれば、実際にバリスタを使うかどうかに関わらず、類義語の「サイドFIRE」と名乗るだろうな、。
「サイド」でお金を稼ぐことは、それがバイトでもフリーランス的なことであっても、あくまで「サイド」であって、メインは自分が楽しく暮らすことにあります。
こっちの語の方が、先のセミリタイアに似て、それを目指している人が、目指しているモノを的確に捉えている言葉のように思えます(もっとも、そのサイドであるはずのことに多量のリソースを割いている状態は、最早、サイドFIREというより、フリーターや個人事業主の領域ですけどね)。
余計なお世話なんだけど、自分はそういう風に受け取りました、という話です。
★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます