50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

【FIRE】収益「のみで」暮らそうとする理由とは?《後編》

 《前編》では、FIREというスタイルが、「収益のみで暮らす(足りなければ労働)」というのが前提になってしまっていて、(元本以上に)取り崩すという概念がほとんど現れてこない理由として、

  • 計画として「だけ」なら簡潔かつ完璧
  • 収支均衡思想~資産は減ってはいけない~

ということを挙げました。今回はその続きです。

 

 

 

元本取り崩しは、FIRE的には「ダサイ」

 FIREという言葉自体には、FI(経済的独立)を以て、RE(早期リタイア)するという以上のものは含まれていません。だから4%ルールというのは、FIREの単なる一手法に過ぎないと私個人は思っているのですが、FIRE界では、これがスタンダードなものとして祭り上げられています。

 しかも、「4%の利回りで運用し、引出額を元本の4%以内に抑えれば元本が減らない」という、考えてみればアッタリマエだが、もとの理論からは少々ズレている内容が、早期リタイアのことなど何も知らないFPによる無数のネット記事だけでなく、なんと天下のNHKで紹介される始末。

FIRE(ファイア)生活とは 投資と倹約 達成した人のその後 - NHK クローズアップ現代 全記録

この5,000万円のうち毎年4%、つまり200万円の利益があるとすると、これ以内で生活すれば、ためた資産を減らすことなく生活ができるということなんです。

 

 こうなると、「元本に手をつけたか、つけていないか」というのが、FIREが順調にいっているのか、いないのかの指標の一つと見なし得ることになります。

 特に、FIRE界で発信している人の多くは、投資(あるいは副業)でリタイア資金を稼いだ、という方が多いです。彼らにしてみれば、そこまで投資や副業の腕前がある(少なくともネット上ではそのように発信している)のに、元本に手をつけることを前提にしてリタイア計画を立てるというのは、FIREとしては不完全な行為、口幅ったく言えば、ダサイ行為と見なすのではないでしょうか。

 それよりは、むしろ資産を増やして自らの投資や副業の腕前をアピールしたいというのが、FIREを発信する者の心理ではないかと思います。

 

将来の見通しがきかない「早すぎる退職」

 FIREの4%ルールというのは、「生活費の25倍を準備する」ということとニアリイコールです。それだけの元手がある場合、概ね45歳以降のリタイアであれば、計画としては安心できるものになっていると思います。

 仮に運用しなくとも、単純計算で年金年齢の65歳以降までもつだけの資産です。年金の受給額もそれなりのものにはなっています。

 だから運用するなというのではなく、そのくらいの見通しが立てられて、初めて資産運用で暮らしていくという決断に妥当性が生じるものだということです(日本では)。

 インフレもあるだろうし、4%が必ず達成できるとも限らない。暴落の可能性もある。元本に手をつけるとことは想定しなくてはいけないことだし、そのためには上記に述べたくらいの見通しが最低限必要でしょう。

 しかし、FIREというものは、20~30歳台を主な訴求対象にしているフシがあり、30台半ばくらいでFIRE達成!みたいな発信も多いです。

 30台半ばで、年生活費の25倍という資産だけでは、年金年齢まではもたないし、受給額も少ないから、何十年にもわたり(下手すると死ぬまで)資産運用のウェートが大きい状況を続けていかなければなりません。

 それでも25倍確保していればいい方で、かなりの低資産でFIRE達成!とかやっている方もいます。

 こういう状況では、将来の見通しがきかないので、元本に手をつけるという想定は怖くてできないでしょう。まして、相場が下がっているときも、損を承知で4%分を引き出せる人がどれくらいいるのでしょうか?(防衛の預貯金を別途用意するなら損を避けることができますが、FIREのハードルは当然に上がります)。

 結局、資産が足りない状況でこの種のリスクに対応するためには、他の収入(個人事業や賃金労働)に頼ってでも、資産を保全していかなくてはなりません。この手の人生設計はサイドFIREとかバリスタFIREなどと呼ばれ、実践者もいます。ただ、それをどのくらいの年齢まで続けるのか?続けていけるのか?ということは、表には出てこないですが、非常に重いテーマのはずです。

 

まとめ

  • 計画として「だけ」なら簡潔かつ完璧
  • 収支均衡思想~資産は減ってはいけない~
  • 元本取り崩しは、FIRE的には「ダサイ」
  • 将来の見通しがきかない「早すぎる退職」

 これらは、私の想像であり、複数あてはまるFIRE者もいれば、全くあてはまらないFIRE者もいることでしょう。個々の事例について、あれこれ言うものではありません。

 ただ、FIRE志望者にとって、収益「のみで」生活するFIREはキラキラ輝いてみえるでしょうが、別の見方に触れておくのも有益なんじゃないかな?と思い、このような記事をアップする次第です。

 

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