50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

孔子の教え「暇が辛いならゲームでもしていろ」ありがたくその通りにしよう

 ― 無職になると、退屈過ぎてツライ。

 こういう話が巷に満ち溢れています。定年退職された方、勤め先を解雇された方。また、一部にはセミリタイアの方からも聞こえてきます。例えば・・・。

40代でセミリタイヤしたら暇すぎた。 | 生活・身近な話題 | 発言小町

この調子ではぐだぐだ生活するだけ。かといって誰かに一日を拘束される生活に戻るつもりはないのですが、なんというか幸せ過ぎて暇過ぎて飽きました

  仕事をしていない、ただ退屈なだけの時間をどうやって時間を潰すのか?

 この永遠の課題について、古代中国の聖人が指針となりそうな言葉を残してくれています。

目次

 

f:id:retire50:20200528153539j:plain
 《東京都瑞穂町》

孔子先生、ゲームで暇をつぶしすることを勧める

ある『論語』の言葉

 いきなりですが『論語』です。

子曰、飽食終日、無所用心、難矣哉。不有博弈者乎、為之猶賢乎已。

 

先生(孔子)がおっしゃった。

「一日三食、満足に食えるのはいいんだけど、何も心を働かせることが無いというのはツライことだよね。サイコロ(博)とか碁(弈)というものがあるじゃないか。何もしないよりは、そういうことをしていた方がいいよ。」

 サイコロや碁といった娯楽が紀元前500年頃には既に存在していた、というのは驚きですが、更に驚きなのは、孔子という偉い人が、暇つぶしとして、これらの娯楽を推奨していた、という事実です。

 というのも、孔子という人は、仁や義、礼といったものを学問を通じて学ぶことを説いていた、いかにも堅苦しそうなイメージのある人だからです。

 現代風に捉えるなら、無職・ニート・セミリタイア・ひきこもりといった人達に対して、

 「食っちゃ寝ばかりしていないで、資格をとるなり、職安に行くなりしなさい」

などと口うるさく言いそうなところ、

 「退屈でツライなら、ゲームでもしていたらいい」

と、随分、ユルイことをおっしゃる。

暇なときでも「有意義なこと」を探し回っている現代社会

 現代日本では、休日においてさえ、自己成長だったり、人との交流だったり、そういうことのために、「何か有意義なことをしていなくてはいけない」みたいな、(私に言わせれば)強迫観念みたいな考え方が行きわたっています。

 そういうことが身に染みついてしまっている人が、仕事を退職したりすると、新たにその「有意義なこと」を見つけ出すことが出来ず、結果、暇を持て余す人が続出しているようです。

 例えば、TVゲームなんかも別に悪くないはずですが、「有意義なこと」とは見なせなくて、それに時間を費やしてしまうと罪悪感を感じ、「これではいけないのではないか」などと考えてしまう。

娯楽の重要性を説いた孔子

 でも孔子先生によれば、そうではないんだと。何もしないというのはさすがに辛いけど、サイコロ遊び程度のものでもやっていれば、心がリフレッシュできるんだと。

 通常の論語の解説書などでは、仁や義などの説明に力点を置いているため、上記の一見堕落したような言葉はほとんど無視されています。でも私は、古代社会において、娯楽の重要性をいち早く指摘した、注目すべき言葉だと思っています。

孔子先生は、「ニート状態」にあった

 前項の言葉が、どのようなシチュエーションで発せられたのか、『論語』には何も書かれていませんが、娯楽に偏見を持っていたら、絶対に出てこなかった言葉でしょう。個人的には、孔子先生自らの無職時の経験に基づいているものと確信しています。

 以前も述べた通り、孔子先生は、当時の王様に仕える家臣を務めていましたが、クビになったり自ら三下り半を叩きつけたりして、無職の時間がかなり長かったようです。

50retire.hateblo.jp

 もっとも、弟子に学問を教えていたので、完全な無職ではなかったのでしょうが、ニート的な状態に置かれていた期間がそれなりにあったことは確かです(求職はしていたので「ニート的な状態」と、ややボカしたに表現しています)。

 時にはヒマ過ぎて、食うしか能の無いウンコ製造機の状態に陥って、これでいいのかと苦しんだときもあったのでしょう。

 そういうとき、孔子先生の心を慰めたのは、堅苦しい学問ではなく、サイコロや碁のような娯楽だった。

 また、孔子先生の弟子だって、順調に士官できているとは限らないから、自らの経験に基づいて、暇の潰し方をアドバイスした。

 孔子先生ほどの人でさえ、ゲームで暇潰ししていて、しかもそのことを肯定的に話している。今、暇を持て余している人も、何ら悪びれることなく、TVゲーム(には限らないですが)などにいそしめばいいと思います。

元祖・ツイッターであった孔子先生

 ちなみに、『論語』の文章は、そのほとんどが上述のような断片的な会話から成り立っています。しかも会話の相手は、王様とか他の家老ではなく、弟子がほとんど。気楽なおしゃべりなのです。

 日常生活で自分の気づいたこと、思ったことを短くつぶやいて弟子に拡散した、という点では、現代のツイッターに通ずるところがあります。元祖・ツイッターといってもよいかもしれません。そして『論語』は弟子たちによるリツイートの記録でしょうか。

 ただ、基本的には、『論語』は君主や父兄に忠実に仕えろ、というトーンなので、リタイア者にはあまりオススメできる内容ではないことは言っておきます(本稿で紹介したような面白会話が飛び出すこともたまにはあるのですが)。

 リタイア者にオススメなのは漢文だと『老子』『荘子』、日本古典だと『徒然草』『方丈記』などの隠者文学です。大穴として『菜根譚』を挙げておきます。

[決定版]菜根譚

[決定版]菜根譚

  • 作者:守屋 洋
  • 発売日: 2014/12/19
  • メディア: Kindle版
 

 

★ランキングに参加しています。よい記事だと思ったらバナーをクリックして下さい。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ

★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
 ⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます