もはや当ブログを見ている人は少ないかもしれませんが、総選挙について色々と思ったことが多いので、総選挙の総括はまだまだ続きます。
今回の総選挙を受けて、今後が注目されるのは、やはり敗北を喫した立憲民主党というのは間違い無いところですので、ネタも立憲関連が多くなってしまいます。
↓ 前回記事
目次
《東京都青梅市:御岳橋の下。紅葉が良い感じになってきた》
現在の立憲民主党の系譜
立憲民主党という名前の政党が出来たのは、2017年です。
このとき、旧・民進党が割れて、小池百合子東京都知事が創設した「希望の党」に入党したグループから排除された議員達の受け皿として、枝野代表が創設したのが「旧・立憲民主党」。
また、その後希望の党と、僅かに残っていた民進党の議員が合流し「旧・国民民主党」になり、その後、小沢自由党なども合流した。
更に昨年、「旧・国民民主党」が割れて、かなりの部分が「現・立憲民主党」に合流し、残った人達が「現・国民民主党」となりました。
また、上記とは別に、無所属として活動していていて「新・立憲民主党」に合流した、という議員もいます。
何か色々とややこしいですが、次のツイートが分かりやすく図にまとめていらっしゃいますので、参考にして下さい。
民主党から現在の立憲民主党に至る経路図を作成しました。頭がクラクラするくらい複雑怪奇な離合集散プロセスであるため、途中で何度もこの図の完成を諦めようと思いましたが、おぞましい紆余曲折の実態を把握したいという知的好奇心を推進力に何とか粘って完成させました(笑) pic.twitter.com/0IsdlpGvyx
— 藤原かずえ (@kazue_fgeewara) 2020年9月20日
系譜別 立憲の当選議員数
このように現在の立憲民主党が成立するまでの経緯は複雑ですが、ここでは、今回当選した立憲の当選者の系譜を大きく4つに分けることにします。
- 旧・立憲民主党所属議員(旧立憲民主党に所属していた議員)
- 旧・国民民主党所属議員(旧国民民主党に所属していた議員)
- 無所属(民進党分裂以降、無所属を経て現・立憲民主党に合流した議員。一時、希望の党に参加していた者も含む)
- その他(新人や、旧社民党議員等)
セミリタイアして暇な私は、それぞれの系譜の議員が今回、何人当選したか、カウントしてみたのです。
元ネタは次のwikipediaのページです。
参考として、現・立憲民主党の結党時の系譜別人数も挙げており、それは、次のサイトを参考にしました。
その結果ですが、かなり興味深いものになっています。
目視でカウントしたので、若干誤差があるかもしれませんが、大体の傾向は分かりますね。
ちなみに、wikipediaには、落選した前職が一覧で挙げられていますが、立憲の落選前職32名のうち、旧立憲が23名、旧国民が8名、無所属が1名となっています。
このように、旧立憲と旧国民とで当落の傾向が明らかに異なり、その結果、公示前には大幅に旧立憲の議席数が勝っていたのに、選挙後は旧立憲と旧国民の議員数が逆転してしまいました。
つまり、一口に「立憲は惨敗」と言っても、大幅に減らしたのは「立憲の中の立憲」であって、外様である旧国民は勢力を若干拡大してしまった、というのが実情。
ついでに言えば、一部の論客が「小選挙区では48から57に増やしたから、方向性は間違っていなかった!」とおっしゃっているのですが、彼らが贔屓にしているであろう旧立憲系の議員の多くは落選し、小選挙区を少し伸ばしたのは、やや距離のある旧国民系の善戦によるものということになります。
また、今では別の政党になってしまっていますが、現・国民民主党は8名から11名と、やはり善戦しています。
こう考えると、「いかにも左派」という勢力の退潮というのは数字以上のモノがあり、国民の多くは野党第一党に対して、もう少し建設的であることを望んでいるのだと思います。
変質してしまった旧・国民
じゃあ、今後の立憲民主党は、旧・国民の人達が主導権を握って方針転換を行っていくのか、というと、そう簡単な話でもありません。
旧立憲・旧国民でここまで差があると、彼ら自身、そのことを体感していないはずがないのです。「今回、落ちたのはほとんど旧立憲の人であって、旧国民の人は結構、国会に戻って来ているよな」と。
でも、そういう話が大手マスコミで取り上げられた、という話は聞きません。
恐らく、立憲の方々は、うすうす分かっていても、それは党内では言い出さない、言い出せない。タブーになっているのかもしれません。そこに目を向けるということは、分裂を意味することですから。
つまり、本質的なのに触れてはならない領域がある、ということが状況を難しくしている要因の一つ。
もう一つの要因は、旧国民と言えど、昔の旧国民からは変質してしまった、ということがあります。
旧・国民というと、泉政調会長あたりの政策提案型の人が思い浮かびます。しかし全員が全員そうではなく、政局型の人もそれなりにいます。あるいは、「それまでは穏健だったが立憲に合流してから旧・立憲と区別がつかなくないような行動をとるようになってしまった人」「共産党の毒まんじゅうを喰らって、完全にあたってしまった人」などもいるでしょう。
つまり、旧・国民は、立憲に合流したことで、かなり変質してしまったのかな、と。仮に、建設的な旧国民の人が代表になって「提案型を目指します!」とやっても、元の同志である旧国民の議員にさえ疎まれて失脚していく未来しか見えないのです。
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