いつまでも「総選挙の総括」でもないので、標題からこのフレーズは下します。ただ、相も変わらず、立憲民主党絡みのネタです。
立民 選挙前の議席 確保できなかったことを科学的に分析へ | 2021衆院選 | NHKニュース
10日の特別国会の召集を前に立憲民主党は9日午後、両院議員総会を開きました。
(略)
そして、選挙前の議席を確保できなかったことについて、福山幹事長が共産党との連携がどのように影響したのかなどを科学的に分析し、新しい執行部に引き継いでいく方針を説明しました。 (太字はセイルによる)
ここで「科学的」という言葉を持ち出してきました。この言葉は、枝野代表も御納得の上、出されたものでしょう。
ネット上では揶揄する向きもありますが、私は、このワードチョイスに立憲執行部の苦悩が見てとれると思うのです。
目次
どんな選挙でも「科学的な」分析をするのが普通(大政党なら)
福山幹事長が何をもって「科学的」とするのかは不明ですが、ただ、勝っても負けても、選挙後には、
- 候補者本人や選挙活動をした人の実感
だけでなく、
- 自党の政策や政治姿勢
- 対立政党/候補の動向
- 世論の動向(マスコミやネット)
- 各選挙区の個別事情
- 選挙期間前・中に発生した、日本や世界における出来事
そして何より
- 具体的な数字
などをもとに、「客観的な分析」をするのは普通だと思います(とりわけ大政党なら)。
これをもって「科学的」と称するなら、それには違和感を感じませんし、逆に、これ以外に「科学的な分析」などしようもない。
そういう意味では、いつもやっているような選挙後の分析を今回もやる、というのが実態なのだと思います。
敢えて「科学的」と掲げる理由
にも関わらず、敢えて「科学的」と掲げる。ポイントはここですよね。この言葉には、立憲民主党の執行部、とりわけ枝野代表と福山幹事長の苦悩が見て取れます。
何故「科学的」と掲げるのか。あくまで私の推測レベルですが、以下、書いていきます。
バイアスを減らすため
選挙結果の分析って第三者がやるのではなく、大抵、身内でやりますからね。どうしても自分達に都合の良いようなバイアスがかかる。
まぁ、今まではそれでも良かったのだけれど、今回は「野党共闘は良かったのか悪かったのか?」という点について徹底的な総括が求められている。しかし、この件は、所属各議員ごとにバイアスが強烈にかかる。しかも正反対の方向に。
要は、私達はなるべくバイアスを減らして冷静に議論します、だから皆さんも冷静になって下さい、ということを言いたいのだと思います。
分裂への燃料投下の勢いを弱めるため
正直なところ、今回の選挙の分析は、よほど上手く玉虫色にまとめない限り、党内から相当な反発が出ることは想像に難くありません。つまり、この分析自体が燃料投下となり、場合により、分裂しかねない結果となります。
そこで「科学的」という言葉。「科学的」という言葉には、人を黙らせる効果があるのです。つまり、この燃料の勢いを少しでも弱めるためのワードチョイスだと思うのですが、今回の場合、どこまで効果があるか。
共産党からの反発を和らげるため
あと、今回の選挙分析の結果次第では、共産党から反発を受けることも予想されます。だから「これは科学的・客観的に分析した結果なのです」と反発を和らげよう、という意図も含まれているのではないか、と。
大枠の真実は「科学的な分析」などせずとも明らかだったりする
ということなんですが、一方で、あの豊田真由子氏は次のように分析されています。
豊田真由子氏 野党共闘 “議席減” に「立憲の人気がなくなったんじゃなく、元々ない」(東スポWeb) - Yahoo!ニュース
今回野党が共闘したことによって小選挙区で自民党が議席を減らして、立憲がその分増やしたというのは間違いない。
(略)
一方で立憲が比例で議席を減らしたことについて「皆さん誤解してるのが、立憲の人気がなくなったんじゃなくて、元々ないんですよ。
(略)
希望の党の票はじゃあどこに行ったかというと、それが立憲の人たちにくっついたんだけども、票はついて来なくて、多分維新に行ったんです。
豊田氏の分析には、自らのフィーリングも交じっていると思いますが、細かい部分はともかく、大枠の真実はこんなところでしょう。「科学的な分析」などしなくても分かる話ではあるんです。でも、当事者としては「科学的な分析」という手続きを経ないと収めることができない。選挙に負けたから仕方ないんだけど、ちょっと執行部の方には気の毒にも思ったり。
次回は、いよいよ、本丸である「旧・民主党にとって、野党共闘は正しかったのか?」について。
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