50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

エンゲル係数に住宅費を加えた「青木係数」に注目(青木雄二氏考案)

 自虐的に「俺、エンゲル係数が高いんだよなー」などと使われるほど有名なエンゲル係数。「消費支出に占める食費の割合」のことです。

 しかしこの係数が提唱されたのは1857年のドイツだそうで、それから150年以上も経過した現代日本において、果たしてこの数値をそのまま適用するのが妥当なのか?と疑問を抱いたのが故・青木雄二氏。ん?どこかで聞いたような?

 そう、『ナニワ金融道』という漫画の作者である、 あの人です。

  本日は青木氏の命日でもあるので、青木氏が提唱した『青木係数』について述べてみます。

目次

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 《東京都奥多摩町》

エンゲル係数の考え方

 エンゲル係数について、ネットから少しピックアップしてみます。

エンゲル係数 - Wikipedia

 "エンゲル係数の値が高いほど生活水準は低い"傾向にある。これは、食費(食糧・水など)は生命維持の関係から(嗜好品に比べて)極端な節約が困難なためであり、これをエンゲルの法則という。 経済成長に伴い生活水準が向上していくため、エンゲル係数は経済成長に伴い低下していく。

エンゲル係数って?計算式や日本と世界の平均・推移を紹介 - 暮らしニスタ

総務省の調査によれば、1980年の日本のエンゲル係数の平均は、約29%。そこから徐々に下がっていき、2000年には23%ほどに。その後、消費税の増税や物価変動の影響により、2012年から再び上昇傾向にあります。

 どんな富裕層であっても、毎日毎食、築地や銀座の高級店で何十・何百人前を食べ続けることは生理的に出来ない。

 一方、どんな貧乏人でも、生きていくために、毎月1万円程度は食費に回す必要がある。

 このように食費というのは、他の出費に比べ上下格差が小さい。このことに注目したのがエンゲル係数であり、一般には、20~30%あたりをウロウロしているようです。

青木係数について

 一方、青木氏は、現代日本人の生活レベルを計るには、食費だけ見ているのでは不充分ではないかと、次の著書で「青木係数」を提唱しておられます。

 

ゼニの幸福論 (impress QuickBooks)

ゼニの幸福論 (impress QuickBooks)

  • 作者:青木 雄二
  • 発売日: 2017/10/27
  • メディア: Kindle版
 

(略)これは、青木式の新しいエンゲル係数や。青木係数といってもよい。

(略)僕が考えるに、食費もさることながら、家賃が家計を大いに圧迫している。これを計算にいれないことには、いまの日本人の生活レベルは数値化できない。

(略)そこで、僕の考えた青木係数は、住宅費と食費の合計額が、一家の消費支出に占める割合を算出する。

 確かにこれは一理あって、特に最近の大都市部は、駅近・都心近を重視する傾向が強まっており、高い住宅費を厭わない傾向にあります。

 一度、高い住宅費を設定してしまうと、これが固定費となって家計を圧迫します

 たとえ賃貸であっても、例えば、15万のところに住んでいた世帯が、節約のために8万のところに引越すなんてこと、生活レベルを落とすことにつながるし、通勤が困難になる可能性もあるし、家族がいればその同意も必要だから、そう簡単なことではない。

 単純にエンゲル係数に、単純に住宅費を追加するだけでよいのかは分からないけれども、何かしらの形で住宅費を考慮に入れた指標でないと実態が見えにくい、ということには賛同します。

青木係数で家計診断

 では、青木係数と実際の家計はどのような関係にあるのでしょうか?

 青木氏は「厳密な調査をしているわけではないから、はなはだ大雑把に直感的にやらせていただく」と断った上で、次のように述べておられます。

 あなたの住宅費(家賃・ローン)と食費の合計は、家計の何割だろうか?

 この合計値が、家計の五割を超えているあなたは、とても貧乏である。

(略)四割程度から五割未満なら、まあそこそこ。

 この層が、いわゆる日本の”中流”やろ。住宅費の適正な比率は、収入の三割以下だといわれている。だから、じつはこのレベルの人がいちばん多いと思う。

  この後、実家の持ち家に住むなどして住宅費がほとんどかからない場合、かなり食費を使ったところで手取りの三割程度で、青木係数がこのくらいなら、生活はラクだろうということも書かれています。

 どうですかね?

 青木氏が例として挙げているのは、次のようなケース。

仮に手取り月給が30万円だとすると、家賃やローンに9万円。それに食費が6万円で、すでに青木係数は5割に達してしまう。

 大都市近郊で子あり世帯の場合、そこそこ現実的な設定だと思うのですが、それでも青木係数は5割に達してしまう(これは手取りを全て消費支出に回した場合。貯金をしていたら更に青木係数の値は大きくなる)。

 このようなことを考えてみるとき、日本はかなり貧乏国家なのではないか、ということを青木氏は述べておられます。

 さらに私は、「もっと収入があって、しかも贅沢する世帯」を考えてみました。

 例えば手取り50万を使い切っている世帯があるとして、うち家賃が20万、食費が10万だとします。

 すると青木係数は6割。食・住という生きるための最低限の費用だけで、これだけ使用しているのであれば、いい場所に住んで、いいものを食べてと、表面的には裕福そう見えても、本当に裕福なのかは疑問が残るところです。

私の青木係数(リタイア後の想定)

 リタイア後に想定している、私の青木係数も算出してみましょう。とはいえ、世帯全体の数字は出せないから、私のみの数字で。

 まず分母は、税金等を除くと年間120万円想定。

 次に分子。

 固定資産税12万円(年間)と食費48万円(月4万とする)は夫婦折半。それに私個人の昼食・外食を年間6万円とすると、(12+48)/2+6=36万円。

 よって、36/120=30%となります。ただ、住居費に固定資産税だけなく、将来の修繕費を年割にした額も考慮に入れると、35%くらいにはなるでしょうね。

  【参考記事】 我が家の家計とリタイア資産状況について、もう少し詳しく書いてみる

青木係数の限界

 青木係数が低くても、やはり家計に問題があるというケースはあります。

お金のプロが「貯まらない人」を家計診断してみた! | サンキュ!

夫月収(手取り) 26万5000円
妻月収(手取り) 8万円
家賃 4万5000円
食費(酒代込み) 4万円
外食費 1万円

  分母を、夫婦の手取り月収合計、分子を家賃+食費+外食費とすると、9.5/34.5=27.5%となり、青木係数的にはかなり堅調です。にも関わらず、「毎月ギリギリか、赤字」。

 そこで他の支出を見ると、保険料(貯蓄型)4万円、子ども費5万円、車費3万7000円など、かなり大口の固定費が家計を圧迫していることが分かります。

 エンゲル係数が提唱された時代は、早死にが多くて今ほど老後のことなど考えなかっただろうし、お金が無ければ無理に子供を学校になど行かせなかっただろうし、自動車なんてほんの一部の大金持ちしか持っていなかっただろうから、この種の費用は無視してもよかった。

 でも、現代日本では、平均寿命が80歳超、そして高等教育・自動車が庶民レベルでもかなり普及しています。便利にはなりましたが、その分、生活をしていくハードルが大幅に上がったということです。

 住宅費だけでなく、これらの費用も考慮に入れないといけないのかもしれません。難しい時代になりました。

ゼニの幸福論 (impress QuickBooks)

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  • 作者:青木 雄二
  • 発売日: 2017/10/27
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