50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

自民新総裁に岸田氏、修正アベノミクスか

 前回、当ブログを不定期更新にすると言っておきながら、いきなりブログ更新。

 昨日、人煙稀な山道でサイクリングをしていたら、自民党の新総裁が岸田氏に決まったというニュースが出ていました(一応、iphoneの電波は入っていた)。

 個人的には生暖かい目で見守っていた総裁選ですが、ここで思うところを書いてみます。

目次

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 《埼玉県飯能市・秩父郡横瀬町・比企郡ときがわ町 苅場坂峠(昨日行ってたところ)》

久々の宏池会出身の総理大臣

 自民党って派閥が色々ありますけど、自民党内で「○○派」って呼ばれている訳ではないんですよね。「○○派」というのは、おそらく外部の人間が(マスコミ等)、一般人にも分かりやすく表現した俗称。本当は「○○会」みたいな正式名称があります。

 そして、岸田氏の出身派閥は「宏池会」・・・なんですが、この「宏池会」というのが、どうにもパッとした人がいない、という印象。これは、政治理念とか政治活動云々ではなく、キャラクターが地味、ということです。

 総理大臣も何人か出ているのですが、派閥の祖たる池田勇人さんはともかく、大平正芳氏、鈴木善幸氏、宮澤喜一氏といった面々。最近だと、(総理大臣ではありませんが)、加藤の乱で失態を演じた加藤紘一氏とか、野党時代の総裁だった谷垣氏とか。

 しかし、そんな宏池会、20年ぶり以上でしょうか、久々に総理大臣が出ました(正式には、臨時国会で指名されてからですが)。

 岸田氏も、閣僚経験者、自民党三役経験者、主要派閥の長であったにも関わらず、ついこの間まで「国民にとって空気」だったという点では、宏池会の血を受け継いでいると言えますが、それでも、歴代の宏池会出身の有力者の中では、まだまだ花のある方だとは思います。

修正アベノミクス

 色々、総裁選で論戦を交わしていましたが、岸田氏は「格差是正」とか「新自由主義からの脱却」のようなことをおっしゃっています。

 それはそうなんだと思うのですが、一部で語られているような「アベノミクスからの脱却」ということとは違って、「修正アベノミクス」というのが正しいかと。

 実際、次の記事にあるように、アベノミクスの三本の矢は維持する、ということのようです。

岸田氏「経済安保相を新設」、アベノミクス3本柱も堅持…経済政策を発表

 経済安全保障を担当する専任閣僚の新設を掲げ、安倍前首相が推進した「アベノミクス」の3本柱である「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「成長戦略」の堅持も盛り込んだ。

 岸田氏は「アベノミクスで成長した果実を分配しなければ格差が広がってしまう」とも指摘した。その上で、「新自由主義的な政策を転換する」と訴え、中間層の拡大を目指す「令和版所得倍増」を提唱した。

 それはそうだと思う。特に、アベノミクス前は円高や就職氷河期がメチャクチャひどく、絶対にあの状態に戻す訳にはいかない。また、安倍総理の最終支持率は5割を超えており、あそこまで支持のあった政権の主要政策を露骨に変更するのも違う。

 ただ、アベノミクスによる果実は、もっと多くの人が受け取るべき、というのは確かで、特に「令和版所得倍増」という言葉にそれが現れています。「所得倍増」という、派閥の祖たる池田勇人氏の主要政策の名前を、ここで持ち出してくるところに、岸田氏の意気込みが見てとれます。

 もっとも、安倍総理も、「アベノミクスの果実をどうにかもっと分配したい」と思っていたはずですが、結局は、「企業はもっと従業員の給料を上げて下さい」とお願いするしかなかった(というイメージ)。

 岸田氏でこれが実現できるかがキモなんですが、個人的な予想としてはなかなか厳しい。所得倍増とはいかなくとも、平均で一割でもアップすれば、それはものすごいこと。

 また、金融所得課税の見直しは、岸田氏の掲げる再分配政策の一環なのでしょうが、投資系リタイア者にとっては気になるところ

 岸田氏検討の金融所得課税強化 市場に警戒感: 日本経済新聞

 もっともこれは"真逆"と言われる高市氏も唱えていたことでしたから、ポスト・アベノミクスとしては、ある程度、既定路線だったのかもしれません。

コロナ対策

 今、新規感染者数が急激に減少しています。東京都だと、一週間ごとに半減、という驚異の減少率

 何だかんだ言って、ワクチンの効果が大きいのだと思いますが、更に、そう遠くない時期に治療薬が出るそうなので、いい方向に向かっている(と思いたい)。

 このことは、岸田氏にとって非常に良い材料。ある意味、ほとんど全ての泥を菅総理がかぶってくれ岸田氏はその果実を頂いている、という感じ。

 ただ、新規感染者数が増えてくることが再びあるでしょうから、そのときまでに、どういう風な対応を取るのか、整理しておいてほしいですね。

 例えば、一時期、自宅療養者が大量に出て、その際、「自宅療養はけしからん!」みたいな論調がありました。ただ、今後、治療薬が出たのなら、ちゃんとした自宅療養の道が開けるし、その方が医療に負担がかからなくなるメリットがあるわけです。

 インフルエンザだって薬を飲んで自宅療養が基本で、一部亡くなる方がいても、だからといってことごとく入院させるなんてことはしていないわけです。

 だから、コロナもインフルエンザと同じような対応が取れればそれが望ましいのですが、当然100%上手く行くことは無いので、何かしらの不手際は絶対発生しますし、重症化や死亡する人も出てくるでしょう。それでものすごい批判が殺到する。そういう場合に、どう対応していくか。

 総理大臣がどんなに強権を発動したところで、出来ることしか出来ないのだけど、再度の感染拡大の際、立ち回りが上手く出来るとよろしいのではないでしょうか。菅総理は、この立ち回りが下手だった、という評価はありますよね。

スキャンダル発生の可能性

 新内閣発足時や内閣改造の後のお約束となっているのが、スキャンダル。週刊文春あたりが常にネタを握っていて、タイムリーに記事を出してくるわけですよ(実際、下馬評の高かった河野氏については出してきましたよね)。

 岸田氏本人は潔白だったとしても、登用した人に何かキズがあれば、そこを突かれます。それは避けられないにしても、アタフタしてみっともない姿を晒せば、ご祝儀相場が一気に幻滅し、勝てる選挙も勝てなくなります。

 こういう対応力が岸田氏にあるか。人事を刷新するようなことをおっしゃっていますが、逆に言えば、こういうスキャンダルの対応経験が無い人を多く登用する、ということですから、なかなか大変かもしれません。

 

★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
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