50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

都心に住むより郊外で家賃浮かせる方がよくない?

 首都圏におけるコロナ前の住宅論といえば、とにかく都心の職場近くに住めと。通勤時間を浮かせられれば、高い家賃も充分ペイするものなのだ、とこういう感じでした。

 その論を補強するためか、多摩ニュータウンあたりを引き合いに出して、郊外の不動産を「負動産」扱いし、都心を相対的に優位に見せる論調も盛んでした

 最近はコロナで多少は疑問を呈されているようですが、それでも都心優位の論調が大幅に衰退することは無いんだろうと思います。

 都心の住宅。もちろん、それは考え方の一つです。でも、その考え方の一つに過ぎないことが、あまりにもよく言われ過ぎている気がするので、天邪鬼の私は、逆の論調で書いてみようと思います。

 ちなみに以下述べることは、首都圏の話であり、名古屋や関西では必ずしも当てはまることではありません。

目次

 

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 《東京都青梅市:和田乃神社から都心方面への眺め》

都心に住めというそのココロは仕事や通勤の便

 本当に都心が好きで、無数の飲食店でグルメ三昧とか、イベント施設などに通いづくめの毎日を送っている方なら都心がいいと思う、確かに。

 でも、「都心に住め」というのは、そういうこととは限らないんですよね。例えば、当ブログの過去記事で、とある論を分析したところによると、

都心に住めばエンドレスで仕事に没頭できる!

 たとえ、家賃が持ち出しであっても、生活がカツカツであっても、そんなことは小さな問題。終電を気にせずに仕事や人脈作りに励むために、都心へ移り住め、と、こういう趣旨です。

 これは極端な例かもしれませんが、つまり、仕事や通勤の便を考慮して職場が近い都心にすべきだと。

郊外に住んで家賃を浮かせれば、数十年後には・・・

 ただ問題は、都心の家賃・購入価格は非常に高いということなんですね。

 先日、郊外の八王子駅徒歩圏と都心部の四ッ谷駅の家賃最低額をスーモで比較してみました(八王子と四ッ谷なのは、私個人が中央線になじみがあるからです)。

 独身向けの20~25平米の賃貸では、八王子だと3.0万円、四ッ谷だと6.5万。その差3.5万円

 結婚してもう少し広いところとなると、もっと差は広がります。60~70平米で同じように調べたところ、八王子だと7.8万円、四ッ谷だと19.0万。その差11.2万円

 この差額、本当にペイするものなのでしょうか?

 それでも、独身であれば、3.5万円余分に払って都心に住むというのはアリな気がします。

 でも、結婚して60~70平米に住む場合、差額11.2万円はちょっと大き過ぎる。家賃補助がある場合でも、大抵は上限額や年齢制限があります。

 このくらい差が生ずるのであれば、例えば片道1時間(往復2時間)、余分に通勤に費やしたとしても、その分、家賃を浮かせて貯金なり投資に回す方がよくない?などと思ってしまうのです。

 というのも、月給を11.2万円上げたり、副業で11.2万円稼ぐというのは相当に大変なことだからです。平日に往復で2時間分何もしない時間が増えるというだけで、毎月11.2万円分余計に稼ぐのと同じ効果があるのですよ。しかも、この浮いた11.2万円は非課税なのですよ(月給や副業は課税対象)。

 以前述べた「時間を蓄える」という発想を用いると、毎日2時間分余計に通勤に失われるといっても、11.2万円という現金に形を変えて手元に残るのですよ。 手取りで11.2万円を得ようとしたら、労働日換算で10日前後に相当してしまうくらいの額ですよ。

 もし11.2万円を積み立て投資したら、数十年後にはウン千万円になっていますよ。これだけの額があったら、70歳定年に怯えている人だって、10年単位で早くリタイアできますよ。

 逆に言えば、毎日2時間得しているようでいて、実は10年間を失っているようなものですよ。

  【過去の参考記事】 時間を蓄えて早くセミリタイアする、という発想

 

 もちろん、通勤ラッシュはツライものです。そこで私の場合は時間がかかってもいいから空いている各駅停車に乗ったり、始発駅を活用したり、ということをしていました。

 【過去の参考記事】 満員電車を避ける、これが私のポリシー

人々は浮いた2時間で何か有意義なことをしているのか?

 もう一つ。

 高い家賃を払って通勤時間の2時間が浮いたという方は、その浮いた時間で有意義なことをしているのでしょうか? 本当にそうならプライスレスなのでしょうが、そうではない人も実は少なくないのではないかと、私は睨んでいます。

 私が青梅に住む前は、JR中央線沿線の職場近くの社宅に住んでいました。9時始業ですから、8時45分頃に家を出れば充分に間に合う。

 一方、青梅に引っ越してからは、家を出る時間は7時25分になった。その差1時間20分。往復で2時間40分。

 問題は、その2時間40分で何か有意義なことをしていたのか?ということ。

 ハッキリ言って、していませんでした。

 朝はダラダラと起きてインターネットして、出社時間を待つだけ。

 夜は「早く仕事を切り上げよう」という意識が働かないから、ダラダラと仕事する。早く帰れたときも、家でインターネットする時間が増えるだけ。

 むしろ、青梅に引っ越した後の方が、キビキビと時間を使うようになった

 通勤時間は一般的に無意味とされていますが、電車内には手持ちの本やipad以外何も無くてインプットに集中できるので、むしろ時間を有効活用するようになりました。

 【過去の参考記事】 "お金"は貯められるが"時間"は貯められない

 「浮いた時間を有効活用できないのは、あなたが時間の使い方を知らないからだ」

 確かにおっしゃる通り。でも、職場での激務をこなしつつ、自宅で身を入れて自己研鑽などに励むのって、そんなに簡単なことではないよなぁ、と思うのです。

一極集中を保ったまま職住近接なんて、無理筋

 むしろ、

 「仕事が大変で、通勤に時間を割いていられない」

という方が多くの方の実情に近いのかな、と思います。夜9時や10時(あるいはもっと遅く)まで仕事したり飲み会したりすると、そこから遠くまで帰るのが大変。

 あるいは子育てと仕事を両立させるためには遠隔地だとツライものがあるから、家賃が高くてもいいから都心に、、、という選択肢は当然あり得ます。

 でもそれって、激務を続けるために、あるいは、自分を特定の職場に最適化させるために、わざわざ毎月11.2万円もの大金を持ち出している、ということであって、「都心に住んで職住近接スバラシイ」みたいな、よくある論調はちょっと綺麗事過ぎるよなぁ、と思うわけです。

 しかし、都心部での職住近接が最近増えたのは事実で、特に、タワマンによる物件の大量供給によるところが大きいと思います。ただ、ガチの都心だと価格が高過ぎて一部の富裕層以外買えないので、やや周辺の湾岸地区や武蔵小杉などがその代替地として持てはやされていたわけです。

 これらのマンションはかなりの高額だけど、世帯年収1000万超の夫婦あたりなら、頑張れば買えなくもない絶妙な価格設定。その背中を押すのに、「資産価値が落ちない」という期待が大きな役割を果たしていることは、以前述べました。

 【過去の参考記事】 自宅の資産価値を気にして暮らすのは大変そうだ

 それでもやはり、誰にでもとれる選択ではありません。また、タワマン林立地域はインフラ等が人口の増加に追い付いていないから、過密地域特有の問題が起きる。

 そう考えると、都心一極集中の現状を変えないで、職住近接の意義ばかりを説かれても、ほとんどの方にとっては無理筋であり、マウントの材料は増えたけど。。。という感じです。

  【過去の参考記事】 マウントは取る方より取られる方が楽だな

 まぁ、都心部で職住近接を果たした人達は、あんなにも多くのコストをかけているんだから、郊外の負動産に住んでいる人間に対して、マウントをしたくなる気持ちも分からなくはないのです。

 コロナで多少なりとも一極集中が改められるのでしょうか? 少し長い目で見た方がいいかもしれないね、というのが次の過去記事なので、よろしければお読み下さい。

  【過去の参考記事】 コロナで注目、地方・郊外。人の流れはいずこへ?

 

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