我々は、大きな買い物をしてしばらく後、元を取ったかを問題にします。
しかし最近、この「元を取る」という言葉には、二つの意味があるように思いました。
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《山梨県丹波山村:知る限り最も上流にある「一級河川・多摩川」の標識》
自宅散髪で元は取れたか?
そのように思ったキッカケは、先日(8/24)、自宅で散髪したときのこと。
コロナを契機に自宅での散髪を始めようと、ヘアカッター(バリカン)を購入したことは、以前述べました。
巣ごもりリタイア生活に投資した。楽しく緊急事態を乗り切ろう!
そこで、これを機会に、自宅での散髪を試みようと、次の機種をポチったのです。
買った当時は9422円(ちなみに8/24時点では7832円…orz…)。
試行錯誤を重ねながらも、おかしな髪型にはなっていないのでまぁヨシとしています。
8/24現在で3回使用しました。これまでのように散髪屋で切ってもらった場合、1回あたり5000円近く払っていたので、「元は取れたな」と一瞬思いました。
でも、別の考え方も浮かんできました。
確かに、この機器に9422円を投資したことで、散髪屋3回分15000円弱を支払わないで済んでいます。
でも、お店では、自宅よりも遥かにいいサービスをしてもらえます。
やはりプロの方が上手だし、洗髪もおしゃれなシャンプーで念入りに気持ちよくやってもらえる。マッサージや耳かきもついている。
そういう意味だと、自宅散髪はせいぜい1000円カットぐらいの価値しかない。いや、1000円カットの理容師さんより自分が下手なことを考えると600円くらいかな。
この機器の生み出す価値が1回あたり600円だとすると、「まだ全然元は取れていない」のです。元を取るためには、あと13回、この機器で散髪しなければいけません。
「元を取る」の二つの意味
お分かりでしょう。「元を取る」には、次の二つの意味があるのです。
- その商品を購入することにより、支払わないで済んだ経費が、その商品の価格を上回った。
- その商品の生み出した真の価値が、その商品の価格を上回った。
私の自宅散髪の場合、1の意味では元は取りましたが、2の意味で元を取るのはまだまだ先なのです。
じゃあ、私がヘアカッターを買ったのは後悔しているのか?というとそうではありません。1の意味で元を取れただけで充分満足しているからです。
確かにお店でやってもらうサービスは、自宅ではなかなか得難いもので、それがお店に行く楽しみの一つではありました。ただそれは副次的なもので、高額な散髪代を払ってまでそのサービスが欲しいのか?というと、そうではなかった、ということです。
この考え方を他のケースにも当てはめて考える
このような考え方は、散髪以外にも応用がききそうです。
例えば、住宅費。家賃を払うのが得か、購入してしまうのが得か?という話。
でも、得かどうか検討するには、やはり二つの方向があるのです。
- 単純に支払額の多寡を問題にする方向
- 支払いに見合ったサービスが得られるかを重視する方向(いわゆる「コスパ」)
両者をごっちゃにして論ずるから、いつまでたっても話が噛みあわないのですが、賃貸派は1、購入派は2で話をしていることが多いように見えます。
まず、賃貸派の方は、支払額が購入より安く済ませられることを重視して「だから賃貸の方が得なのだ」と主張する。
一方、購入派の方は、支払額に比して賃貸よりグレードの高い物件に住めていることを重視して「だから購入の方が得なのだ」と主張する。
どちらが正しいというものではありません。ついでにいえば、賃貸でも2(サービス重視)、購入でも1(支払額重視)の選択は取り得ます。
大事なのは、自分のスタンスが1なのか2なのか、その中間なのかちゃんと意識すること。そして記事や論者が、どちらのスタンスで述べているのか判断すること、ですかね。
私? 私は、1と2を少しずつ追求した、という感じかな。2000万という額は、首都圏の住宅購入額としてはかなり安い部類だと思いますが、その範囲内でなるべく満足いく家が欲しかった、ということです。
私の住宅に関する満足度の敷居が低めであるために可能になった選択肢なのかもしれません。
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