若くしてセミリタイアするなら意志を強く持たなくちゃ
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「サラリーマンは自由がない」30歳セミリタイアを目指す24歳にFPが言いたいこと – MONEY PLUS
30歳でセミリタイアしたいが、このままで達成できるのかわからなくなってきました。
(略)
目標としては資産が5000万程度になるまで働くことです。
(略)
世間知らずの甘えん坊だとは重々承知してます。どうかアドバイスをください。
秋山: あえて言います。世間知らずの甘えん坊だと。
相談者に対し、FPは常識的な価値観で回答(説教?)するので、それに対して反論しているリタイアブログもありました。
しかし、NightWalkerさん(NightWalker's Investment Blog)は、的確にも次のように分析しておられます。
若いうちにセミリタイアを考えるうえでの注意点: NightWalker's Investment Blog
私が感じたのは、この相談者の方は、「資金力」はあるし、たぶん「生存能力」もあるのだろうけれども、「判断力」に問題があるかもしれないなあ、ということなのでした。有り体に言って、常識的な助言をせざるを得ない立場であるFPに早期リタイアを相談する時点(設定?)で、修行が足りん、というわけです。持論です。
私も全面的に賛成いたします。
目次
《東京都あきる野市:五日市線 武蔵増戸駅付近》
相談文に、セミリタイアしたいという覇気が感じられない
具体的な数字はサイトに書かれているので省略しますが、この相談者は金銭的にはセミリタイア可能ですよ、多分。
でも、私は、そういう金銭面よりも、相談の節々に現れる気弱な文言に着目しています。
30歳でセミリタイアしたいが、このままで達成できるのかわからなくなってきました。
法律で禁止されているわけじゃないんだから、30歳になったらセミリタイアしたければすればいい。金額が足りないならリタイアを数年延期すればいいだけ。
「このままで達成できるのかわからなくなってきました」と書いてありますが、その「分からない」というのはそもそも具体的にどういう点においてなのか、相談には書かれていません。
おそらく、セミリタイアすること自体に対して漠然とした不安をお持ちのように見受けられるのです。
30歳頃にはセミリタイアをしたいと考えています。理由としてはサラリーマンは自由が利かなすぎるからです。業務内容の自由度、時間的な自由、地理的な自由は自分では選べません。
サラリーマンが嫌でセミリタイアすること自体は構わないと思う。私もそうだったし。けれど、この文章を読むと、妙に言い訳くさいんですよね。自身のなかにある迷いを取り繕おうとしているというか。自分の人生は今後どうあるべきか、ちゃんと考えた上での結論なのでしょうか?
世間知らずの甘えん坊だとは重々承知してます。どうかアドバイスをください。
若くしてセミリタイアすることに対して、相談者が後ろめたさを感じているから、このような予防線を張った。しかし、回答者の方は予防線としての役割を認めず、次のように反応した。
あえて言います。世間知らずの甘えん坊だと。
セミリタイアに意志の強固さは大事
相談文を読んで総じて感じるのは、「誰が何といおうと俺はセミリタイアしたいんだ!」という覇気が全然伝わってこないということですね。
何とかして、自身のセミリタイアの正当性を裏付けたい、そのために理論武装しようと、FPにお伺いを立てている、そんな感じ。
私は、セミリタイアする理由や目的なんて「会社に行くのが面倒くさい」程度で充分だと思っていますが、このように、意志の強固さに欠ける方は難しいと思っています。何か想定外のことが起きたら(例えば株の暴落など)、「セミリタイアなんてしなきゃよかった」とか言いそうです。
【過去の参考記事】 セミリタイアするのに「目的」は必要なのか?
であるなら、FPとしても、 機械的に「これならセミリタイアできそうですね」とやるのではなく、世間の常識をぶつけて一喝するのは、かえって誠実なように思うんですよね。
一方、人生の面白さは様々なライフイベントがあることや、思い通りにならないことが起こるからこその味わいがあるものと思います。そして、人の役に立つこと、貢献すること、やりがいのある仕事をみつけること、愛すること、愛されることを通じて、豊かな人生を送るという視点に立ったとき、今という時間が将来において非常に重要になってくると思います。
コロナ禍における影響により、リモートワークなど地理的なものを超えた働き方が進んでいます。課題とされている、業務内容の自由度、時間的な自由、地理的な自由を得やすい環境になってきているとも思いますので、自己投資をして自分を磨くとともに、選択の幅をひろげ、今という時間を大切に考えていただければ幸いです。
確かに、書かれていることはリタイア達成者・志望者からしたら紋切型の考え方です。でもこのような話に向き合った上で「それでも俺は」と思えるのかどうか。
これで不安が増幅してリタイアできなくなるようならそれまでということです。
若くしてリタイアを実現した方は、腹が据わっている
私は若年齢や贈与金でセミリタイアするのがダメだと言いたいのではありません。
レールを外れることなんだから、自分でセミリタイア生活を切り開いていくんだ、という意志を強く持たなければダメだよね、ということです。
私は、若くしてリタイアを実現した方のブログをいくつか読んでいますが、共通して言えることは、「皆さん、腹が据わっている」ということ。
20~30代あたりでリタイアするって、資金は少な目で、残りの人生は長く、世間からの風当たりも強めだろうから、私のような50歳リタイアよりも、実現・継続は困難だと推測します。特にメンタルの面で。
「こんなに早くリタイアしてしまっていいのだろうか」的な気持ちが少しでも自分の中にあると、リタイア生活を継続していくことは難しいのでしょう。
むしろ、アラフィフくらいの方のリタイアブログの方が、この種の不安がたびたび登場している気がします。先の見通しが立ちやすい分、リタイアに対するハードルが低くなって、「やや心配性」の方もリタイアに踏み切るケースがあるからでしょう。
長く宮仕えしてきて、これまで積み上げてきたものを元手に、人生の甘いも酸いも知っての上でリタイアするのであれば、前出の24歳の彼とは、また別の考え方があろうとは思います。
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