50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

不労所得で生活するには2億2500万円!ええ~~っ!

 今回は次の記事。

不労所得で生活するにはいくら必要?

今回は「不労所得だけで生活するには、現実的に考えていくら必要か?」について、具体的に解説していきます。

◆ズバリ、必要資金は「2億2500万円!」

(略)

 計算してみた結果、「不労所得だけで生活するには、2億2500万円のお金をインデックス投資で積み立てればよい!」ということが分かりました。
不労所得生活を夢見ている方は、まずはこの金額を目標に、お金を貯めてみるとよいでしょう。

 2億2500万円という額を貯めるという結論、これが何の躊躇もなく、サラリと書かれているところに、かぐはしきにほひ(香わしき匂い)があります。現実的に考えて導き出された数字のようです。

 私に限らず、ええ~~っ!と思う人も少なくないんじゃないでしょうか。数字自体に対してではなく、この数字を記事に載せたそのセンスに対して。

目次

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 《群馬県藤岡市:神流湖》

「平均的な数字を単純計算して得られた数字」には「検証」が必要

 先の記事はあるブログで知ったのですが、「そんだけあれば切り崩して生活できる」と評していらっしゃいました。「ええ~~っ」と思う理由については、多言せずともそれで充分でしょう。

 とは言っても、途中の計算式が間違っているわけではなさそうです(検算はしていませんが)。平均的な数字を単純計算して得られただけの数字で、2億2500万円準備できれば、確かに不労所得で生活できるのかもしれません。

 では何がいけないのかというと、「平均的な数字を単純計算して得られた数字」を、検証することなくそのまま適用しようとするそのセンスにあります。

 いや、検証ってほどでもないかな。その数字をパッと見て、そのまま使ってよいのか、もう少し複雑な事情を勘案した方がよいのか、少しだけ考えるってことです。

 2億2500万についていえば、一般性が無さすぎるということに自分でちゃんと気づいて、数字をいじるか、計算方法を見直すか、記事の方向性を変えるなどした方がよいのではないか、ということです。

 類似の事例でいえば、老後2000万円問題があります。

 あれも「平均的な数字を単純計算して得られた数字」でしかなく、報告書では参考値扱いだったはずなのに、その数字が独り歩きしてしまった。

 一部のFPが、冷静な解釈をネット記事にしていましたが、完全にかき消されていました。

別の記事「マイホームや高級車を買っても幸せになれないと判明」

 同じ筆者の別の記事を読んでみました。

マイホームや高級車を買っても幸せになれないと判明 [貯蓄] All About

(略)我が家では、「マイホームも高級車も買わない」という結論に行き着きました。

 「マイホームも高級車も買わない」こと自体は、この方の選択ですから別にいいと思います。でもこの記事を読んでいると、何かずれている感じがするんですよね。

高級車について

個人的には「車を買いたい!」という方には反対しません。車を買うことで、旅行へ行けるなど、お金では買えない思い出につながるからです。そう考えると、車を持つこと自体は、良いことだと思います。

問題はここからです。「どうせ車を買うなら、高級な車がほしい!」と考えるのは、ナンセンスです。ミシガン大学のノーバート・シュワルツ氏の研究(3)によると、高級車を買っても幸福度は高まらないのだとか。

 そもそも、そんなに高級車を買いたがる人なんている? 日本においては、「車が趣味」か「金持ち」か「見栄」でない限り、選択肢に入ることはあまり無いと思うんですが。多少奮発することぐらいはあるかもしれませんが。

 よくある「車を持つ持たない論争」においても、生活必需品として車が必要か、という話であって、その興味の中心は高級車ではなく、普通の車・軽自動車にあるはずです。

 大抵の人にとって、最初から選択肢に入っていないであろう高級車について「買っても幸せになれない」と言う。まぁ、確かにそうなのかもしれないんだけど、そこじゃない感があります。

マイホームについて

宗氏の研究(2)によると、(略)

彼の研究でもっとも興味深いのは、「借家ではなくマイホームを買っても、幸福度は高まらない」という点です。その点も考えると、「マイホームが良い!」というこだわりは、たいして幸福につながらないと思います。

 実際に宗氏の研究を読んでみましょう。

主観的幸福度と住まいの関係

8. 考察とまとめ

(略)

 これらのことから、年収や貯蓄、持ち家かどうかの幸福度への直接の影響は比較的小さいが、年収や貯蓄といった経済条件が、持ち家購入に影響を与え、その結果として地域満足度や建物満足度に影響を与えていることが示唆されている。

 これは逆に言えば、同じ水準の地域満足度、建物満足度が確保されれば持ち家かどうかは幸福度には影響を与えない、ということでもある。
 しかし、同じ水準の住居を確保するには、当然ならが持ち家のほうがそのコストは小さい。なぜなら、(略)

 今回の分析からは家を所有すれば幸せ、といった単純な結論は導きだせないが、年収を起点とした経済状況が、住居の所有形態、住居形態に影響を及ぼし、幸福度とも相互に影響しあっていることが示唆されている。その意味において、持ち家かどうかや住居の形態は必ずしも幸福に対する原因ではなく、幸福を構成する要素の一部としての結果であるとも考えられる。(略)

 論文の「考察とまとめ」に書かれていることを読む限り、「マイホームを買っても幸せになれない」という単純な結論を出しているようには、どうにも読み取れないのです。

 ここで賃貸持ち家論争をするつもりはありませんが、持ち家がいいと主張する方々の多くは、「持ち家であること自体が幸せ」というより、「持ち家にした結果、お気に入りの物件(地域・建物)に住むことが出来て、QOLが上がった」という点に幸せを感じている訳ですよね。論文に書いてあるのもそういうことだと思うのですが。

 個人的には「マイホームは目的ではなく手段だ」と解釈しています。

人情の機微

 この筆者の記事は、今回挙げた2つしか読んでいませんが、どうも物事を必要以上に単純化して解釈をされるきらいがあるように思えてしまいます。

 投資家としては有能なんでしょうが、人情の機微に触れることができていないというか。写真を見る限り、すごくお若く、そして投資に成功していらっしゃる。

 投資ライターとしてならそれでいいんでしょうが、悩める凡人に対して人生アドバイス的なことを書いていくのであれば、投資とは別の経験をもう少し積まれた方がよいのかもしれませんね。

 あ~あ、上から目線的な書き方になってしまった。

 

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