最近ノジマが80歳まで働ける制度を導入したとかで、注目されています。
ノジマ、80歳まで働ける制度導入…定年後も1年契約の臨時従業員に
(略)店舗での販売経験が豊富なベテラン社員らのノウハウを活用すると同時に、若手の育成にもつなげる狙いがある。
(略)ノジマの定年は65歳だが、その後も1年契約の臨時従業員として雇用する。勤務形態や給与は個別に話し合って決める。ノジマは店舗の販売員を、メーカーからの派遣に頼らず、自社で賄っていることを強みとしている。
80歳という数字が刺激的過ぎて、ネット上では色々言われていますが、個人的には良い制度だと思います。私自身そういう制度を利用したいかと問われれば、ノーサンキューですが、それはそれとして。
目次
《埼玉県秩父市の秩父神社:この輪をくぐってコロナ防止してきました!》
45歳でお払い箱にする企業に比べたら・・・
ノジマのように80歳まで働ける制度を導入する企業がある一方で、早期退職勧奨により45歳でお払い箱にしようとする企業が出てきている。その差は最大35歳。
昨今の事情から鑑みるに、対応が両極端に分かれてしまうのも、まぁやむなしだけど、どちらが従業員に対して誠実かといえば、ノジマだと思うんですがね。
「80歳まで働かせる気か!」
「年金政策の失敗のツケが・・・」
これはノジマのせいじゃない。年金政策の失敗を言うなら、むしろ、そのツケをノジマが払っているとも言えるわけで、難しい点が多々あるだろうに、何とか雇用を守ろうとする姿勢は評価されていい。
従業員への金払いが悪く、45歳でお払い箱にする気マンマンの企業に比べれば、ずっとマシではないでしょうか。
80歳まで働くことより、45歳以降も今の職があるのかを心配すべし
まぁそれでも80歳まで働くというのは確かに極端。
パフォーマンスが落ちてきた高齢者を、若手がフォローする形になるので、若手にとっても、当の高齢者にとってもやりにくいでしょう。
でも考えてもみて下さい(特に若い方)。
先にも述べましたが、80歳どころか、45歳を過ぎたらお荷物扱いされかねない世の中になりつつあるのです。自分がそうならないためには、自らの価値を上げていって「私はこの会社になくてはならない存在である」ことを証明しろみたいな話になっているのですよ。それ出来ますか?
出来るというなら結構。でも、そこまで有能な人って世の中にそうそう多くないですよ。いや本当は多くの日本人は有能なのですが、企業社会で勝ち残っていける有能さって、結構特殊ですから、そう簡単ではないですよ。当ブログでは、以前次のようなことを書いています。
すると、若者の多くは、今現在は「働かない中高年」に文句を言っていても、将来的には、自分が「働きが無い」の烙印を押される可能性が高い、ということになります。「働きがある」と見なされるためには、相当なパフォーマンスを挙げなければならず、今のあなた程度の働きでは認められることはないでしょう。
定年は65歳、70歳と延びていく。一方で、45歳を過ぎたら何とか追い出しにかかろうとする。そのせめぎ合いです。80歳になるまで働きたくないというのも分かりますが、その前に、あなたが45歳になったとき、今の職があるのかどうか、このことをまず心配した方がいいのかもしれません。
現役世代の負担を増やすべきか?
80歳まで働かなくていけない世の中は間違っている!
このことを解決するために、誰もが65歳ぐらいまでにリタイアできるよう、年金を増やしてバックアップするとします。
その原資は?
あなた(と会社)が支払っている社会保険料を更に増額するか、消費税を倍増させるか。結局は、現役世代の負担増につながります。どこぞの誰かが上手く運用することで、年金制度がより有利になる、なんてこと、私はありえないと思っています。過去記事参照。
だとすれば、次の二択になります。
- 現役世代が、80歳まで働かなくてはいけない人の肩代わりをする。
- その当人に80歳まで働いて頂く。
この二択で問題提起をしたならば、後者だという人も多いんじゃないかな? 「年金なんて当てにならない」なんてみんな言っているんだから、前者の方向性は矛盾しますよね。
高齢まで働きたくない人はどうするか?
色々と書きましたが、私も50歳でリタイアした身ですから、80歳まで働くなんて考えただけでウンザリというのは分かるし、そこまで長く働かせる風潮にも疑問を持っています。
幸い日本は「何歳まで働け」という法律的な縛りは無いのですから、長く働きたくない人は、長く働かなくて済むよう、自分で準備(特に資金面)した方がよいと思います。
最近は雇用環境が悪化して、年金の支払いが先延ばしされ将来不安が大きいとはいえ、生活面では昔より遥かに恵まれている点も多いです。
例えば、私が子供の頃は以下のような感じでした。
- 100円ショップ無し。ユニクロ無し。
- 木造1Kアパートが多く、風呂無しが当たり前。そこに3~4人家庭が居住しているケースも珍しくない。
- 電子レンジが普及しておらず、簡単なレンチン料理など無い。
- ネット無し。新聞をとらないとニュースは読めない。
- 音楽やビデオやゲームなどの娯楽が、今よりも遥かに高額。
他にも挙げれば色々とありますが、私が子供の頃に比べれば、小さな出費で、より高レベルの生活が営める環境が整っています。子供の頃、貧乏な暮らしをしてきた私に言わせれば、夢のような世の中ですよ。
早期リタイアとはいわぬまでも、得られた収入を上手くリソース配分すれば、定年リタイアか、遅くとも65歳ぐらいまでには退職して、年金+僅かばかりの資金で、最低限の文化的な生活が出来るのではないでしょうか。
貧乏くさい? 子供の教育費が馬鹿にならない? 家のローンが残っている?
・・・ん、ま、そっか。それじゃ仕方ないですよね。
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