人々の関心事として"お金"と並んでよく話題に挙がるのが"時間"です。
私のサラリーマン時代も、なるべく会社での拘束時間を減らすため、いかに時間を有効活用するかが、一番の関心事でした。
「時は金なり」ともいいますが、ここではむしろ"お金"と"時間"が異なる点について書いてみましょう。
目次
《山梨県甲州市:多摩川源流への道が昨年の台風19号で通行止》
自宅が駅に近いほど大きな時間の節約になる!?
今日、某巨大掲示板を眺めていたら、次のような書き込みがありました。
例えば駅徒歩15分と駅徒歩5分だと、片道あたり10分の差
往復で20分、30日で600分=10時間、×12月で120時間=5日の差が生じる
人生80年とすると400日、つまり丸一年分以上の差が生まれる
「う~ん、そうなのか~」と唸りつつ、どこか違和感を感じた私でした。
駅近の良さは、私も駅近に住んでいたことがありますので否定するつもりはありません。でも、上記の理屈って何か変じゃない?
そういえば、子供の頃、漫画(多分オバQ?)で読んだのですが、怪しげな道具を売りにきた押売との会話。
Qちゃん「そんな道具を使ったって大して時間の節約にならないよ」
押売「日本には何人の人口があると思うのですか。1億人です。1億人が1秒ずつ節約したら1億秒・・・約2万8000時間になりますぞ」
Qちゃん「大変な時間だ」
みたいなシーンがあったように記憶していますが、これだったら、私の違和感も理解して頂けるでしょうか。
最初の例に戻ります。
毎日10分×2を節約、これを1年間積み重ねていけば、計算上、5日分に相当するのは確かなのでしょう。
もし仮に、その5日間が連続したものとして与えられるのならば、旅行に行くなり、じっくりと腰を据えて読書や勉強をするなり、何かしら人生に資することに使えます。
でも、実際に得られるのは10分単位の細切れ時間でしかありません。細切れ時間をどんなに積み重ねても、旅行に行くことは不可能だし、読書や勉強が出来たとしても極めて効率が悪い(次の投稿も参照)。
もちろん、 細切れの10分間(特に朝)が無駄だといっているのではありません。この時間が貴重なのは、私もサラリーマンだったからよく分かる。
でもそれは、朝、余裕を持って出勤の支度ができることだったり、自宅~駅間の移動が肉体的に楽だったりするから(特に雨のときなど)貴重なのであって、それを積み重ねていって、ああ年間で5日分トクした、なんてのは、単なる数字遊び・自己満足でしかないと思います。細切れ時間の利用の達人であれば別なんでしょうが。
お金は貯められるが時間は貯められない
なぜ、"細切れの10分間×n"と"連続した5日間"は等価にならないのか。それは、「お金は貯められるが時間は貯められない」からです。
例えば、毎日、150円のペットボトルを2本消費している人がいるとします。平日なら、職場で1本、帰りにコンビニで1本という感じで。
この人があるとき、ペットボトルをやめて、水筒持ち(中身は水・湯出しのお茶パック)に切り替えたとする。すると、1日300円の節約になる。年間で10万9500円。お茶パック代を差し引いて、きりよく年間10万円分の節約とする。
この10万円は300円の細切れのお金の累積であるから、300円単位でしか使用できない・・・・わけではありません!
旅行にも使っていい。洋服にも使っていい。家電製品にも使ってもいい。貯蓄に回せば、10年で100万円、20年で200万円、30年で300万円。リタイア後の資金としても無視できない金額にまで膨れ上がります。
300円の蓄積によって10万円にしたものは、10万円としてまとまった単位で使うことが出来てしまう、ということがお金と時間との根本的な違いです。
このように、「時は金なり」と言いながら、両者が全く異なる様相を呈するのは、「お金は貯められるが時間は貯められない」ことによるものです。
ドラえもん「時間貯金箱」
前項で述べた通り、時間についてはお金以上に悩ましい点があるのですが・・・そんな悩みを解決するのが、ドラえもんの秘密道具、「じかんちょきんばこ~~」。
ちょっとした隙間時間がもったいないと考えるのび太にドラえもんが賛同し、『時間貯金箱』を出しました。
これを使えば、例えばママが買い物から帰ってくるまでの30分を貯金し、貯めた30分をいつでも好きなタイミングで使うことができます。
作品の設定では「のび太=ダメ人間」みたいになっていますが、「ちょっとした隙間時間がもったいない」と考えられるのであれば、充分、ビジネスマンとしての素養がありますよね。
それはともかく、「お金は貯められるが時間は貯められない」ということ、当たり前のようでいながら、実は当たり前とは思われていないから、冒頭の例のようなコメントが出てしまうわけです。
しかし、藤子F先生は、このことに目をつけ、一本の漫画に仕立て上げてしまうのですから、本当に素晴らしいと思います。時間貯金箱が出来たら、タイムマシンとは別の意味で革命的でしょう。
本稿をアップした後、「ある意味、時間も貯められるのではないか」という観点から書いた記事もありますので、参考にして下さい。
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