私は名古屋にも住んでいたことがあり、東・名の両地を走る中央線について知っているので、次の記事は「ちょっと恣意的だよね」と感じてしまいます。
どってことのない話ではありますが、こういうのを読むとついつい何か言いたくなってしまうのが、私の悪い癖ですね。
目次
《朝の青梅駅(中央線の写真が無いので。。。)》
記事の概要
中央線は東京~名古屋を塩尻経由で結ぶJRの幹線ですが、東京側・名古屋側から各々30分進んだ場合の沿線風景が全然違っている、というのが上述の記事。
比較したのは東京駅から中央線で30分の三鷹駅(三鷹市)と、名古屋駅から同じく離れた定光寺駅(春日井市)付近だ。
三鷹駅前には駅ビル「アトレヴィ」やショッピングモール「三鷹コラル」(略)
一方、定光寺駅は庄内川の渓谷沿いに立地。駅からの景色は川と山、(略)
なお、元はツイッターの投稿らしいですが、それはここには貼りつけません。
確かに、三鷹駅と定光寺駅は、それぞれ東京駅・名古屋駅から約30分ほどの駅だし、駅についての解説も合っています。
恣意的だと感じる点
定光寺駅は、中央線名古屋近郊では特殊な駅
ただ、名古屋側の定光寺駅(および次の古虎渓駅)は相当な自然の中にあるとはいうものの、その前後の駅は普通の市街地・住宅地です。三鷹駅に比べれば落ち着いていますが、対極に位置付けるほど田舎という訳ではありません。
名古屋周辺の地形と中央線のルートから、定光寺のような駅があるのは事実だけれども、それらは名古屋から数十分程度の区間の鉄道沿線風景を代表しているわけではない。
言い換えれば、名古屋近郊としては特殊な駅である定光寺駅を敢えてピックアップし、平地にある三鷹駅と比較するところに恣意性を感じるわけです。
三宮駅から地下鉄10分でこんな山奥に!とか、京都駅から嵯峨野線20分でこんな美しい渓谷が!とか、間違ってはいないんだけど、それらと「東京駅から10分・20分の場所」とを比較されたら、おいおいそれは違うんじゃない?と言いたくなってしまうわけです。
東京側の起点を東京駅に設定している
記事では、東京側の起点を東京駅に設定していますが、中央線において、東京駅は二番手です、ハッキリ言って。
最大のターミナルは新宿駅。中央線の上りに乗っていると、それまでは満員であっても、新宿でゴソッと降ります。
新宿駅は世界で最も乗降客数が多く、付近には東京都庁もある。特急も大多数が新宿始発。まさに東京の西側の玄関口。だから、「中央線で30分」の東京側の起点を新宿駅にしても別にいいわけです。というか、むしろそうしないと。
というのも、中央線の東京~新宿間はS字形ルートになっており、ここだけで14分もかかってしまうからです。「中央線で30分」のうち14分をこの区間にとられているので、そりゃ、三鷹駅までしか行けないわけですよ。
新たな条件設定をしてみる
ということで、同様の問題に、新たな条件設定をしてみることにしましょう。
例えば、新宿駅・名古屋駅から特急を使わずに40分以内で行ける駅として、それぞれ西八王子駅と多治見駅があります。
どちらも、何の変哲もない郊外の駅です。多治見駅の方が乗客は少ないけれども、西八王子駅の対極として扱うほど違いがあるわけでもない。
更には、新宿駅・名古屋駅から50分となると立場は完全に逆転します。名古屋側は、自然が色濃くなっていくにしろ、人はそれなりに住んでいます。一方、東京側は小仏峠越えでほぼ無人地帯。車窓からは、トンネルの中か山の中しか見えなくなってしまうのです。
おわりに
もちろん、私の設定した条件にも色々ツッコミ所はあるでしょう。例えば、「東京側の起点を新宿にずらすのなら、名古屋側の起点は千種にずらすべき」とか。それはそうかも。
ここで言いたいのは、物事は切り取りようによって、いかようにも見せることができるんだ、ということ。「中央線で○分」という、どってことのない話であっても、上記に述べた通り、様々な切り取り方が出来てしまうのですから。
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