FIRE(経済的独立)について書かれた記事に対し、
フリーターもそんな感じに持ち上げられて、氷河期世代を騙し続けていたよなぁ。
というコメントがありました。同種のコメントは他にも複数。
あまり経済的独立について考えたことの無い人は、そんな風に捉えているのね。特に、バイトで足りない分の生活費を補うタイプのセミリタイアは、フリーターと重なる部分が確かにあります。
ただ全く同種の概念、ということでもないので、少し書いてみます。
《東京都青梅市》
フリーターについて概要
フリーアルバイター、今でいうフリーターが持ち上げられていたのは、私が就職するかしないかの頃ですから、(コメントにあった)氷河期世代ではなく、バブル世代です。
今、フリーターというと、「正規ではどこも雇ってくれないので、やむを得ず非正規雇用で食いつないでいる人」というニュアンスですが、当時は違いました。「敢えて非正規を選び、自分のやりたいことをやる人」のことでした。
「バイトで金が貯まったら定期的に海外旅行で豪遊する人」、「自分の夢の実現に向け活動する傍ら、バイトで生活費を稼ぐ人」などが、多数登場していました。当時は空前の人手不足でバイトでも充分稼げたので、そのようなことが可能でした。
しかし、バブルがはじけて氷河期に突入すると、「正規雇用を目指したが果たせず、少ないバイト料で食いつなぐ」という人達が多数派になり、今に至るわけです。
あの頃の「フリーアルバイター」、今頃、何をしているのでしょうか?
バブル期フリーターとセミリタイアのコンセプトの類似点
フリーターの概要は以上ですが、バブル期フリーターとセミリタイアのコンセプトで、よく似ている(同一といってもいい)点があります。
それは「会社に属さずに生きていく」という指向です。
冒頭のコメントを書くような人の多くは、どこかの正社員・正職員であり、安定した生活を手に入れている人なのでしょう。
そのような人からすると、(余程の成功者・資産家でない限り)人間生きていくには正規雇用に就いてナンボ、なのです。そのため、フリーターにせよ、セミリタイア者にせよ、組織に属さないでの生活を試みる者は、「夢見る甘チャン」という枠で括られてしまうのです。
正規雇用も安泰ではない
ここで余談ですが、正規雇用も、近年は安泰ではなくなっています。
大企業の間で、「45歳での早期退職勧奨」がまるで伝染病のように流行しているじゃ、ありませんか。経団連も終身雇用は守れないんじゃないか、と言っていますよ。
老後2000万円問題で梯子が外されたと文句を言っている正規雇用の人と、バブル崩壊であたふたしていたバブル期フリーターと、変わるところはそんなには無いんじゃないか、と思います。
バブル期フリーターとセミリタイアの違い
それはともかく、バブル期フリーターとセミリタイアの違いについて考えてみましょう。
まず、形式的な面からいくと、フリーターの多くは「そもそも最初から就職していない」、リタイア者の多くは「就職していたが辞めた」という違いがあります。
そしてこの形式的な違いが、資産状況の違いや現実の行動にも結び付いているのではないでしょうか。
バブル期フリーターの多くが刹那的・享楽的な生き方をしていたのに対し、リタイア者のほとんどは、身の丈に合った生活をし、現役時代にある程度の資産を構築し、退職後どのように食っていくか、シミュレーションしています。下手な正規雇用者よりも堅実だといってよいくらいです(リタイア資金は自分で計算するのが大事 - 50歳で会社を辞めセミリタイアした!を参照)。
両者は表面的には似ていても、意識や行動の原理については正反対なところがあるのですね。
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