客への居丈高な貼り紙のコンビニ、ブラックなものを感じる
たまには時事問題を。
あるコンビニ店で、人員削減に伴って客に対して居丈高な貼り紙を行ったところ、ツイッターに投稿されてバズっているのだとか。
この記事に現れるツイートは次のもの。
ここのローソンめちゃめちゃ主張強いな pic.twitter.com/BJJa9K3K2Y
— ろくさ (@stlonnie) 2020年2月10日
賛否両論あるみたいですが、私は、この貼り紙の文言を見て、極めてブラックなものを感じましたね。このコンビニがもし近所にあったとしたら、客として行かないのは勿論、店員としても働きたくはありません。
《東京都・青梅市 [多摩川]》
結局、しわ寄せは店員に
最近、コンビニオーナーや店員に対する同情の声が大きくなっているし、客は神にあらず、という論調にも賛成です。
でも、このコンビニのオーナーは、その種の同情論を悪い意味で利用しているだけで、実際には、自分のこと(あるいは自分の店が生き残ること)で頭が一杯なんでしょう。このような貼り紙をできる神経の持ち主が、「店員に優しい職場作り」を真剣に考えているとは思えません。
というのも、本当に店員のことを考えていたら、客がセルフレジにほとんど慣れていない状態で、期限を区切って「大幅人員削減」なんてしないですよ。
客がセルフレジでもたもたしていたら、それをカバーするのは他ならぬ店員ですよ?
レジで遅延行為があったとして、後ろに再び並ぶように客にお願いするのも、他ならぬ店員ですよ?
釣り銭探索が5秒を過ぎたら会計を強制的に確定させ、不快に感じた客から文句を言われるのも、他ならぬ店員ですよ?
そもそも、こんなゴチャゴチャ書かれた貼り紙なんて、常連でも全ては把握できないし、一見なら猶更。トラブル続出は必至で、そのトラブルを解決するのも、他ならぬ店員ですよ?
ここまでやらされるのに(しかも時間帯によってはワンオペで)、店員は「最低賃金」しかもらえないんですよ(確かに、神奈川県の最低賃金は1000円超、かなり高い方ではあるんですが)。
貼り紙にある「店員に優しくしてください」という文言が白々しく響きます。まず、オーナー、あなた自身が店員に優しくならないでどうすんの?
オーナーにも同情すべき点はあるが・・・
ただ、このオーナーの置かれた立場を考えると、同情すべき点もあるような気がします。
この貼り紙の最後に書いてある通り、「近くて便利な店」(セブンイレブン?)に囲まれていて、経営がものすごく苦しいのでしょうね。だからワンオペ・最低賃金という最低限の体制にして、何とか生き残りをかけている、ということなのでしょう。
ただ、「店がつぶれそうだ」というのなら、本来はコンビニ本部と掛け合って、例えば、
- 店を開けてもペイしない時間帯は店を閉める
- 店員への負荷が高い一部のサービスを取りやめる
- セルフレジの利用率が低いなら、本部側のサポートを手厚くしてもらう。
とか、そういう方向で解決すべきなのです。
しかし現実には、この種の話に対してコンビニ本部の腰は大層重いので、オーナーは切羽詰まって、このように居丈高な貼り紙をしてしまったものと推測します。
進むも地獄退くも地獄
それにしても思うのは、ここまでしなくてはならないのなら、もうその店は使命を終えた、ということではないでしょうか? 近くて便利な店に囲まれているなら、その店がなくなっても、周辺がコンビニ空白地帯になる訳ではありません。
ただ、店を畳んだ方がいいとなっても、契約期間未了なら違約金、開業時の借金が残っていたらそれをどう返済するか、オーナーは今後どうやって食べていくのか、等、問題は山積みで、色々大変みたいです。今回のケースがどうなっているのかは分かりませんが。
進むも地獄、退くも地獄。
でも、人手不足の日本、淘汰すべきものが淘汰されないままでいることは、それはそれで不幸です。
★ランキングに参加しています。よい記事だと思ったらバナーをクリックして下さい。
★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます