50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

ニンテンドースイッチの購入は様子見にしようかな

 「セミリタイア生活でやっていることランキング」というものがあったら、必ずや上位にランキングされると思われるのが「TVゲーム」。

 私にとっても、TVゲームというのが子供からの頃の憧れだったのですが、ここ数年、最新のゲーム機というものに触れることはありませんでした(やるとしてもレトロゲーム)。

 そこで、ニンテンドースイッチの購入を、前々から考えていたのですが、色々と考えた結果、しばらく様子見にしようかな、という方向に傾いています。

目次


 《東京都青梅市多摩川(和田橋より)》

パソコンで出来るゲームの進化・多様化

 スイッチの購入を様子見にする背景としては、何といっても、パソコンがあれば出来てしまうゲームの進化、そして多様化です。

 考えてみれば、パソコンゲームというのは、実は何十年も前からありました。でもそのラインナップの中心は、「マニア向け」「エロを中心とする美少女モノ」等であり、一般向けゲームのほとんどは、ゲーム専用機(ファミコンやプレステ等)を中心に展開されていたものです。

 というのも、当時のパソコンは1台何十万もするマニア向け商品であり、数万で買えるゲーム専用機とは、プラットフォームの規模が全然違ったからですね。

 それに、ゲーム専用機は、パソコンに比べると格安ながら、グラフィックなどゲームでよく使う機能については当時の先端技術を使用していたので、ゲームをしたいなら、まずはゲーム専用機を検討するのが当たり前の時代が長く続きました。

 でも、この十年くらいだと思うのですが、PCゲーム(あとスマホゲーム)の市場が急速に拡大したみたいなんです。ゲームのダウンロード環境が整えられ、最新のゲーム、しかもゲーム専用機でも出ているゲームが、PCやスマホで数多く出来るようになっていました

 私が最後に買った据え置き機はWii、携帯機はPS Vita、全くの浦島太郎状態だったので、最近の状況を調べれば調べるほど、ゲーム業界の環境の変化にビックリです。

とりあえず、パソコンでいいんじゃ?

 つまり、ここまでPCゲームのラインナップが揃ってしまったからには、わざわざゲーム専用機を買う意味って何だろう?と思ってしまうわけです。

 特にPS系は、PCゲームとジャンルがもろかぶりしています。そして、PS5は品薄で買えないし、PS4なら買えるけど、PS5の品薄に引きずられて価格が上がっており、前世代マシンをわざわざ高額で買う気もしない。PS4・5を買うくらいなら、PCでいいだろ、と思ってしまう。

 特に、私はFPSなど、負荷がバリバリにかかり、僅かの遅延が命取りになる系のゲームはやらないので、高価なゲーミングPCなど買わずとも、今の自分の環境で出来るゲームだけでも十分過ぎるだろ、と思っています。

ニンテンドースイッチは?

 一方、ニンテンドースイッチについては、PCでは代えがたいモノがあります。

  • ゲームのジャンルが必ずしもPCとかぶっていない
  • TVに映しても、携帯機のようにも使える(その切替も簡単)

 だからゲーム機を買うとすればスイッチなんだけど、ただ、本当にスイッチが必要か?というと微妙です。

 スイッチ本体は何だかんだで3~4万円する。昔のようにゲームソフトを買い漁るなら、そのくらいすぐに元がとれるけど、多分そうはならない。少数のソフトのために3~4万のハードを買う、というのは結構、割高。お金が勿体ないという訳ではないんだけど、折角買ったのにあまり使わない、という流れにはしたくないのです(WiiPSVitaはこの流れでした)。

 もっとも、それだけで人々にハードを買わせてしまうキラーソフトというものが、それぞれの時代に存在し、私の年齢だと、ドラクエやFFがそれに当たるんだけど、まぁ落ち目ですよね。

 今のキラーソフトは、どうぶつの森スプラトゥーンらしいんだけど、50を過ぎたおじさんには響かないかなぁ

 そもそも私は、任天堂自社開発のソフトにそれほどの思い入れは無く、一方でPCやスマホで出来るゲームだけでも十分過ぎるほどの供給があります。それならば、PCやスマホゲーム(あとレトロゲーム)に飽きてから、スイッチを買うのでも遅くはないんじゃ?などと思うわけです。

 

★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
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独身であっても私はセミリタイアを選択していただろう

 セミリタイア絡みでよく話題になるのが、独身 vs 既婚の話。独身か既婚かでセミリタイアへの道筋や生活が変わってくることは充分あり得るので、このような対立項が生じるのも分からなくはありません。

 私がセミリタイアを本格的に検討開始したとき、既に結婚していたので、それを前提にリタイア計画を立てたのですが、もし独身だったら?

 それでも、同じように私はリタイアを選択していたのではないか、と思っています。

目次


 《東京都八王子市 浅川》

リタイアするだけなら、独身の方がハードルが低い(一般的には)

 一般的にいって、リタイアするだけなら独身の方が越えなくてはならないハードルは低そうです。

 これは、金銭面のことを言っているのではありません。

 貧乏な独身リタイアもあれば、余裕のある既婚リタイアもあります。夫婦二人にしっかりとした金銭感覚があれば、一人あたりの日常生活費はむしろ下がったります。

 それでもリタイアするだけなら、やはり独身の方が楽に達成できる、言い換えれば、既婚リタイアの方がハードルが高いと思います。それは、既婚リタイアの場合、パートナーの意向というものを無視できないからです。

 金銭的に可能かどうかということとは別に、夫婦の片一方が前倒しでリタイアした場合、家族の在り方にも当然変化が生じます(特に子供がいる場合)。その変化を受け入れてもらえるよう、パートナーに説明し、納得してもらわなくてはいけません。

 独身の場合、この作業をすっ飛ばせるのは大きい。リタイア後に何があろうが、独身であれば、所詮は自己責任ですから。

パートナーがいることによる充足感・安心感

 既婚者の私は、上記のようなハードルを越えて、セミリタイアしたわけですが、妻は働いているので、日中時間帯は、独身リタイアと変わらぬ生活をしていますね。つまり、話し相手はほとんど無く、自分ひとりで趣味に浸る生活。

 妻の帰宅後は、一緒に夕食を食べたり、話をしたりTVを見たりもしますが、つきっきりでいる訳ではなく、PM9~10時頃になったら、私は再び部屋にこもり、好きなことをやることが多いです。

 そういう意味では、私の既婚リタイアと、独身リタイアでは、外見上、そんなに変わらないのかもしれません。ただ、リタイアして、人間関係が稀薄な私にとって、毎日、数時間といえど、話をできる人物が、確実に傍にいる、というのは大きいですね。これだけで、充足感や安心感が段違いです。

 一方、ネット上で見かけるセミリタイア達成者・志望者の多くが独身者(特に男性)なので、パートナーの存在をリタイア計画の阻害要因とみなすことが主流だし、ある意味、それが正しいことは前項で述べた通りなのですが、セミリタイア生活において、一方的に邪魔となる存在でもない、というのが私の実感です。

会社の人間関係は、結婚の代替にならなかった

 ということを書くと、「じゃあ、もし独身だったら、セミリタイアしていなかったか」というと、それも違うんじゃないか、と思います。

 私が結婚したのは、結局、「寂しかったから」です。詳しくは次の記事参照。

リタイア生活と一人行動・孤独感について - 50歳で早期退職し、セミリタイア!

 告白すると、私にも「一人では寂しい」と感じる時期がありました。30代後半くらいでしょうか。

(略) 

 でも、「都合がいいこと」と「寂しくないこと」とは別のことなんですね。どんなに都合が良いといっても、一人では寂しいなー、と思う瞬間が30代後半頃に多くなってきました。「寂しさ」を「都合の良さ」で紛らわせることは出来ませんでした。
(略)
 この後、私は結婚しました。すると、急に寂しさがなくなり、再び一人行動が楽しめるようになりました。半年くらい単身赴任のこともありましたが、特に寂しさを感ずることはありませんでした。

 別に結婚などせずとも、会社行けば人はいて、人間関係も別に悪くなかったです。でも、それだけで寂しさを紛らわせることはできず、結婚に走った。結局、会社での人間関係は、結婚の代替にはならなかった、ということなんだと思います、私にとっては。

 リタイアの話に戻ると、もし私が独身だったとしても、上記の通り、会社の人間関係はそれほど重いものではなかったので、遠慮なくセミリタイアを志していただろうと思うのです。

おわりに

 独身会社員の人間関係は、多くの場合、会社での人間関係が中心になります。そしてリタイアすると、「会社での人間関係」はほとんど無くなります。

 なので独身のリタイア志望者は、自分が「会社の人間関係」というものに、どれほど依存してきたのか、既婚者以上に考えた方がよいのではないでしょうか。

 「会社での人間関係」にそれほど依存していないのであれば、独身であっても、セミリタイアを選択していいし、「会社での人間関係」に未練があるなら、計画を再検討した方がいいかもしれません。

 ただ、どうせいつかは会社を辞めるときが来るのだから、早めに「会社での人間関係」の脱却を図っておく、というのも一つの考え方としてアリな気はします。

 

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特定の会社に従属している「フリーランス」って、本当に自由なの?

 先日のNHKクローズアップ現代」で「フリーランス」がテーマになりました。

www.nhk.or.jp

 「自由な働き方ができる」と、もてはやされている「フリーランス」ですが、ここで登場するフリーランスは、そのイメージとは違った所にいる人々です。

 
 《埼玉県入間郡毛呂山町 JR八高線毛呂駅

「いわゆるフリーランス

 詳しくは先のリンクをご覧いただければと思いますが、番組内では大きく3つのパターンが扱われています。

  1. 事実上の正社員。ちゃんとした企業が「多様な働き方の一環」として、社員の希望に応じフリーランスとして業務に関われる制度を導入したケース。登場人物は輝いています。
  2. 事実上のフリーター。「自由」に憧れて、会社を辞めてフリーランスになり、単純労働に就業するものの、契約先の会社に酷使されて疲弊している。
  3. コロナなどで業績が落ちた中小企業が、やむをえず社員をフリーランスにして生き残りを図るケース。

 これらのケースを見て感じたこと。

  • フリーランスを謳う割に、特定の会社との結びつきが強すぎる(全然フリーそうに見えない)。
  • 多種多様な個人事業主が、フリーランス」の美名のもとに括られている。

 正直なところ、私のイメージするフリーランスとはかけ離れているので、「いわゆるフリーランス」と呼びたくなってしまいます。まぁ、いちいちそう書くのは面倒なので、以下も「フリーランス」と書くことにはしますが。

特定の会社との結びつきが強すぎる

 実際、番組では、専門家みたいな方が、次のようにおっしゃっています。

・・・高度な専門性をもって、自由に自分の能力をいろいろな発注者に対して発揮するのだったら、フリーランスという働き方はものすごくいいと思うんですけれど、必ずしもみんながそういう働き方をしているわけではない。むしろそうじゃない人の割合が相当多い。

 フリーランスは「自由な働き方」みたいに宣伝されるのをよく見かけますが、それはこの「自由に自分の能力をいろいろな発注者に対して発揮する」というイメージに基づいてのことだと思います。

 しかし、番組内のケースはそうではなく、フリーと謳っている割には、特定の会社との結びつきが強すぎるように思います。

 まず、1と3のケースは元々、元々社員だった人との契約形態を、「フリーランス仕様」に変更しただけで、元の会社に帰属して働いている点では、社員とそれほど変わるわけではありません

 2のケースは、めちゃくちゃ酷使され、会社側のやりたい放題であるにも関わらず、生活のためにその会社と縁を切ることが出来ず、実質的な隷属状態になっています。

多種多様な個人事業主が、「フリーランス」の美名のもとに括られている

 しかし、特定の会社との結びつきが強い一方、契約上は個人事業主ですから、保障面では非常に弱く会社側にキン〇マを握られてしまっている状態です。それは「事実上のフリーター」である2のケースだけでなく、「事実上の正社員」である1・3のケースも同じです。

 本当に「フリー」というに相応しいような技量を持った人が「フリーランス」になるなら良いのですが、特定の会社に従属している、実質、社員やバイトと変わらない就業形態なのに、「フリーランス」の美名のもとに括ってしまうのはどうなんだろう?と思いますね。

 特に2の「実質フリーター」のケース。

 彼は、「『フリーランス』って光って見えました。『フリー』なので。もっと時間がとれるんじゃないかと」いうことで、自ら進んで宅配ドライバーになった結果、かえって仕事がキツくなり、子供と会う時間さえなくなってしまった。

 気の毒ではあるけれど、宅配ドライバーみたいな単純労働によって、輝いているフリーランスと同等の「自由な働き方」が実現できる、みたいに考えるのが、そもそもおかしい

 雇用関係があろうがなかろうが、過酷な仕事はやっぱり過酷。会社を辞めてフリーになりさえすれば自由が得られる、というものではないはずです。

 

 一方で、先のNHKの番組では、フードデリバリーの配達員が映っていたりもしたから、たとえ単純労働であっても、雇用関係がなければフリーランスとして扱う実態があるのかもしれません。

 かたや「単純労働であっても、雇用関係がなければフリーランスとして扱う」、かたや「フリーランスは自由な働き方ができる新しい生き方!」みたいに宣伝される。

 こうして、リテラシーの無い人が、自由な働き方を得るために会社を辞めて、かえって過酷な単純労働に身を落としてしまう」みたいなケースが一定程度現れてしまうわけです。

無職の言い換えの「フリーランス

 最後に雑談。

 無職の私は、ネットのID登録時などで職業欄があったとき、「フリーランス」の項目があったら、優先的にそれを選択します。つまり、「無職の言い換えの『フリーランス』」というのも存在しています。

 

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「生きているうちにこれだけは!」と切迫感を持つこと

 最近私が拝見しているyoutuberの方が、現在危篤になっています。このことを知って、色々と考えることがあったので、書いていきます。

目次


 《東京都青梅市(よく見ると都バスのバス停あり)》

そのyoutuberの方のこれまでの流れ

 そのyoutuberは次の方。

www.youtube.com

 最初30代くらいかな、と思ったのですが、様々な動画を拝見する限り、テレホーダイドラクエ3の抱き合わせ販売のことなど相当古い話題が出てくるので、私よりは年齢は下なものの、メチャクチャ下という訳でもなさそう。

 動画を見始めたのはここ数ヵ月のことなので、詳しいことは存じ上げないのですが、命にも関わってくるようなご病気をお持ちのようです。そのためかどうかは分かりませんがキリスト教を信仰されています。

 また、最近、大学に通い始めて(社会人入学?)、フランス語を専攻されているようです。ご病気の関係で進級も危ぶまれたが、どうにかGW後から2年生として通学を再開、その矢先に倒れられた。

 このような重篤な状態であって、病院のベッドから動画をアップ。「死ぬかもしれません」というのは比喩でも引っ掛けでもなくガチです。動画を見始めたのは最近のことですが、ご快復を心からお祈りしたい

「時間は大切」ということどこまで差し迫って考えているか?

 この動画で、「死ぬのは怖くない。天の国に行くだけだから。でも大学は卒業したい・・・あと3年・・・」と泣きながらお話されているところは、特に印象に残りました。

 FIREとか早期リタイアの文脈でよく出てくる「仕事に縛られたくない」とか「自由に生きたい」みたいなセリフとは次元の違う重さがある。

 私も「本を読みたい」とか「大学で数学を学びなおしたい」とか考えていたけれど、この動画投稿者の「大学は卒業したい」に比べれば、何と軽いんだろうと。

 「時間は大切」というのは観念的には誰でも理解している。でも、どこまで差し迫って考えているのだろうか? 

 私もリタイアして時間はいっぱいあるけれど、いや時間があるだけに、全然切迫感が無い、というのが正直なところ。

 「できるビジネスパーソン」が「スキマ時間をうまく活用!」みたいなのも、ここでいう「時間は大切」とはちょっと違う。「生きているうちにこれだけは!」という自分の内から湧き出てくる切なる思い、というか、そういうものに突き動かされて生きている人というのは、リタイア者も、できるビジネスパーソンも含めて、そんなにいないんじゃないかと思うわけです。

私の同期は既に3人も亡くなっている。もっと切迫感を。

 ちなみに、私の会社の同期は二十数人いましたが既に3人亡くなっています。実に1割強。うち2人は結構最近のことです。事故と病気。あとタレントの上島さん。

 ついこの間まで元気だった人たち(あるいはそのように見えた人たち)です。

 そう考えると、私だって、まだまだ残り時間は何十年もあるように考えていても、実はあと少しなのかもしれない。リタイアして「素(す)の時間」は十分得ていますが、その「素の時間」をもっと色付けすべく、もう少し切迫感を持って生きたほうがよさそう。

 それは「社会に役に立つ」とか、必ずしもそういうことではなくて、「生きているうちにこれだけは!」と心の底からそう思えることを、もっと生活の中心に寄せていきたいですね。

 

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米国株暴落でFIREの難易度が上昇したというが・・・

 FIREで言及されることの多かった米国株の調子が、最近あまり良くないということです。それによって「FIREの難易度が上がった」という方もおられますが、いやいや、「FIREの難易度なんて、もともとそんなもんだろ、これまでの見積りが低すぎただけなんじゃないの?」などと思ってしまいました。

目次


 《東京都奥多摩町

 

あるyoutube動画について

 私が前文のように思ったのは、次のyoutube動画(少し前のものですが)の標題を見てのことです。

www.youtube.com

 標題やサムネールは煽り気味ですが、内容はそれほどでも無いです。

 気になったのは「難易度が急上昇」という文言。動画では、いくつか上昇原因が挙げられており、株価下落のほか、金融所得等への課税強化や副業の環境悪化など。

 でも、思うのですが、特に20~30代でFIREを目指そうとするなら、そのような変化を織り込むのが当然ではないのかな。それであれば、今回の下落くらいは想定の範囲内と余裕をかますくらいが丁度いいくらいでは?

 でないと、株価がこれまでとちょっと違う動きをするたびに、あるいは制度がちょっと変更になるたびに、「難易度が上がった!」、あるいは円安で円換算だと資産が増えたことになり「難易度が下がった!」などと一喜一憂することになってしまう。

 いやいやそんなもんじゃないよね、と、動画を作成された方も分かっておられると思う。

 ただ、そのような賢明な方ばかりでもありません。上記動画にも、理想的な複利のグラフが現れますが、この類のグラフを見て、「〇〇株に毎年〇万円投資していれば、〇年後にはFIREできそうだ」みたいな皮算用している人も多かったと思う(私もずっと昔はそうでした)。

 でも実際には、投資環境は理想的な複利ではなく、ランダムウォーク的な要素もある程度含まれます。理想的でない状態に一旦陥ったとき、最終的には戻すとしても、理想的ではない状態が何か月、いや何年続くのかは誰にも分からない

 FIREというものは、本来そこまで考慮に入れて計画するべきだと思うので、このくらいで「難易度が上がった!」と発想すること自体が間違っているような気がするわけです。

厚切りジェイソン氏のツイート削除

 あの厚切りジェイソン氏がツイートを削除して、一部で話題になっています。

 累計38万部を記録した同著でジェイソンは米国株投資を推奨。しかし、直近1か月で米国株は下落中とのことからジェイソンに批判が集まり、ツイートを削除したのではないかと憶測を呼び、一部メディアで報じられていた。

(略)

 ジェイソン本人も「笑。話題にしてくれてありがとう。米国株が長期で見たら大した暴落でもないよ。それは関係ない。SNSが嫌になっただけ」と憶測を否定した。

 続けて「僕の書籍で説明した理由でまだ米国株の長期・分散・積立投資が正しいと思っているし、僕がまだ続けているよ。冷静に計画通りで」とつづり、(略)

 投資は自己責任が大原則ということで、ジェイソン氏の擁護をされる方も多いです。それはその通り。

 でも、書籍なりネットで大々的に発信する場合、情報の受け側にはリテラシーの無い方も一定割合で含まれることは、発信側も知っていなくてはいけないはず。特に、投資なんて、要は金儲けの話だから猶更。

 リテラシーの無い人々を多く含む世間、(リテラシーどうこう関係無く)情報発信に厳しい見方をする人々を多く含む社会に対し、大々的に発信して(収益を得て)いるのは自らやっていることだし、そのことによって、人々に数十~数千万単位のお金を拠出させる可能性があることの重大性を考えれば、色々と言われてしまうのも、まぁ仕方無いことかもしれないな、と思はなくはない。発信内容の正当性は別にして。

 「投資は自己責任」という原則がありますから、情報の発信者が人々の損失を補填する義務が生じることは全くありません。一方で、発信した情報について、人々から色々と論評されることまで免責するものでもありません

 自分が、セミリタイアについて手放しで称賛するようなことはあまり書かなくなったのも、そういうことがあります。

 

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楽天モバイル0円廃止 ~ 0円をやたら強調するサービスには気をつけたい

 やっぱり・・・というか、楽天モバイルの0円携帯終焉について食いついているリタイアブロガーが多い。リタイア者の利用者が多かったんだろうな

 「こんなの長続きするわわけ無い」と思っていたので案の定です。私は楽天ユーザーではなく直接の影響は無いのですが、結構、批判的に捉えています。

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 《東京都青梅市

会長の思い付きに振り回されている印象

「ぶっちゃけ、0円でずっと使われても困る」と三木谷社長 楽天モバイルは4000億円の赤字 有料化で改善へ - ITmedia NEWS

楽天グループの三木谷浩史社長は5月13日の決算発表会で、同日に発表した楽天モバイルの0円プラン廃止について「0円でずっと使われても困っちゃう」と漏らした。

 つい先日まで、御社は0円というアピールを大々的にしてきたじゃないですか。そのために、設備投資をしてスマホをばらまいてきたじゃないですか。ユーザーの側もマイスマホを用意して、わざわざ個人情報晒して手続きするなど、手間暇かけてきた人達なんですよ。

 そうやって、せっかく楽天モバイルに興味を持ってくれたユーザーに対し、社長自ら「困っちゃう」はないんじゃないの? そんなに困るんなら何で0円なんて始めたん?

 本来は、せっかく苦労して獲得したユーザーに、気持ちよくお金を払ってもらえる仕組みを作ることこそが肝心なんじゃないの? でも、0円で大々的に釣って、数か月で突然約款を変更して有料プランに強制移行では、ほとんど騙し討ちですよ。

 「1Gまでは0円」なんてビジネスモデルがいつまでも成り立つ訳が無いのは確かなのだから、しっかりとした出口戦略を用意する必要があったのに、楽天側の対応があまりに稚拙。

 0円とはいえ、これまで獲得したユーザーを、敵に回すような結果になるなら、それまで費やしてきた時間・手間・コストは、一体何だったのだろうね。

 結局、会長の思い付きに、周りが振り回されている印象が否めないのです。

「0円」みたいな過激なサービスは疑うのが吉

 私も昨年、携帯料金の見直しをしました。この時既に楽天zero宣言なるものを発表していたのですが、選択肢には入れませんでした。

network.mobile.rakuten.co.jp

理由としてはいくつかあります。

  • もとauユーザーだったので、au関連にした方が面倒が少なそうだったから
  • 「"楽天"と名の付くモノ・サービスは一切利用しない」座右の銘だから
  • 「1Gまで0円」という過激なサービス・料金に疑念を抱いたから

 2点めはまた後日書くとして、ここでは3点めについて。

 「タダほど高いものは無い」というつもりはありませんが、「0円」というサービスは、何かと但し書きがつきがちなんですよね。もう十数年も前の話ですが、ソフトバンクの孫さんが、0円で携帯持ち帰りというサービスを始めました。

【速報】ソフトバンク,携帯全機種新規・機種変更0円で持ち帰り | 日経クロステック(xTECH)

 「全機種ともゼロ円で持ち帰ることができる」――。ソフトバンクモバイル孫正義・代表執行役社長(写真1)は10月26日,都内のヨドバシカメラ マルチメディアAkiba店内で新たな“予想外”を発表した

  詳細は省略しますが、この「0円」表記は文字通りの0円ではなく、実は短期で解約すると多額のお金を請求される、というモノだったためトラブルが相次ぎました。

 この記憶があったため、やたらと「0円」を強調する楽天にも疑念を抱いたわけです。

 もし「1G以下0円」がホントなのだとしても、それはダンピングだと思った。

 6000円のライトユーザー向け携帯サービスを2000円前後に下げることは、通常の企業努力で可能だけど、さらにそれ以下にしようとすると、回線品質、現場の職員の待遇、その他、何かを犠牲にする結果になるだろう。

 0円という過激な金額を掲げ、色々と犠牲にしたところで、2000円から更に安くなる金額は、最大2000円でしかない失うものに対して、得られる効果が釣り合っていない

 そんなサービスが長続きするわけがなく、0円サービスが終了したら、また他のサービスを探す羽目になる。

 私は、電話やネットといったインフラについては、なるべく空気のように使いたい100点満点を求めて色々なサービスを渡り歩いていくより、安定的に75点を叩き出すようなサービスを使っていきたい、ということで、私はUQモバイルを使っています。

 

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リタイアした私にも「物欲」はある

 リタイア達成者のブログを読んでいると、「自分には物欲がない。消費には興味が無い」ということが書かれていることがあります。

 私の場合はどうか・・・まがりなりにも私が50歳で退職できたのは、低燃費な生活をしてきたから・・・というのは確か。でも、「自分には物欲が無い」というのとは、ちょっと違うよな、と思ったりします。

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 《東京都青梅市

意外に物欲でモノを買っている私

 これまでも当ブログで述べてきましたが、私はそこそこモノを買っています。ここ数年間で買った大物としては、例えば・・・

 上記の他にもいろいろと万単位の出費はしていますし、更に、PCキーボードや、机、ニンテンドーswitchなどを新たに購入検討している有様です。

 本当に物欲が無いなら、これらのモノは買わなかったはずです。自転車にしろ、PCにしろ、今あるもので済ませられるからです。

 戸建てについても、購入した方がリタイア計画が円滑に立てられる、ということはありましたが、「マイ戸建てに住みたい!」という物欲が無かったら、あそこまでのエネルギーは湧いてこなかったと思います(自宅を買うことは、建売であってもエネルギーがいるものなのですよ)。

 つまり、なんだかんだ言って、私には物欲がそれなりにあって、それに突き動かされてモノを買っている、という側面があることは認めなくてはいけません。

 ついでに言えば、購入したモノがすべて「買って良かった!」というものだったか・・・というと、それも怪しい。どの商品もそれなりに検討して買ったつもりではあったのだけど、結果的には、買う必要が無かった・・・というものもあります。これも物欲が先行した故の失敗・・・と分析可能です。

余計なモノを持ちたくない、という気持ち

 でも一方で。。。。

 「余計なモノを持ちたくない」という気持ちも確かにあるのですよ。

 私はいわゆるミニマリストではないし、次のように、一部のミニマリストを批判したことを書いたこともある。

50retire.hateblo.jp

 それであっても、ミニマリスト的な気質が少しだけあるのか、「使わないモノ」「買い物に失敗したモノ」、そういうものが自宅に存在していることは、正直、愉快なことではないんですよね。

 最近、私が大々的に部屋の整理を始めたのもそれが理由

リタイア後2年目の生活費の推移 - 50歳で早期退職し、セミリタイア!

 具体的には部屋の整理。大量の古書や物品をせっせと段ボールに詰めて古物商に送るなんてことをやって、部屋から大きな本棚(幅88cm)を一つ、なくすことに成功した。

  付け加えると、部屋の整理は、急に思い立ったことというより、何年も前から構想していたことにようやく着手した、という表現が正しいです。

「物欲」と「余計なモノを持ちたくない」の狭間に

 このように、私の中には、「物欲」と「余計なモノを持ちたくない」という、相反する2つの気持ちがあって、その狭間で揺れ動いているのです。

 物欲に動かされて色々とモノを買っているのは確かですが、「これを買っても結局使わなくて、家の肥やしになるのは嫌だな」という気持ちによって、購入の頻度が相当に抑えられているのは事実なのでしょう。

 逆に、あまりにも物欲がなくて、今あるお金を有効活用しない、できない、というのも勿体ない気がする。

 ついでにいえば、世の中は私が子供の頃(まだ昭和)より何十歩も進んでいます。そういう文明の恩恵に背を向けて生きるのは面白くない

 例えば、私が子供の頃、ゲームといえば、ゲームセンターにあったゲームこそが正統であり、当時最高の技術を詰め込んだものであり、燃えるような憧れを抱いていました。

 しかし、今は、それよりも遥かに遥かに素晴らしいゲームが、自宅で楽しめてしまう。ゲームの種類も日本中・世界中から選びたい放題です。その環境を構築するために数万(マニアなら数十万)の出費は必要ですが、ゲームセンターのゲーム機を買うことを考えたら、全く夢のような話なのですよ。

 

 ということで、「物欲」と「余計なモノを持ちたくない」の狭間に揺れながら、たまに失敗はするけれど、文明の恩恵を適度に楽しみつつ、買い物をしていく、というのが私のスタイルになっています。

 

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リタイア後に使わなくなったモノ・・・ワイヤレスイヤホン

 現役時代は毎日使っていたものであっても、リタイアして、全く使わなくなってしまたモノがあります。それは、生活スタイルがリタイアを境に全く違うものに変貌してしまったからなのです。

 

目次

《東京都青梅市

リタイアして使わなくなったモノ、それは・・・

 ワイヤレスイヤホンです。

 会社に勤めていたときは、電車に乗るときには音楽を聴いていたことが多く、イヤホンが欠かせませんでした。その際、電車の中で、有線だと、どうしても線が邪魔くさいので(特に立っているとき)、無線イヤホンを選んでいました。

 ただ、AirPodsのような完全ワイヤレスだと、耳から零れ落ちそうで怖いので、左右は線でつながっていて、首かけできるタイプを選んでいました。例えば、次のようなものです。

 これは、私が使っていた商品そのものではありませんが、こういうタイプの商品を選択していた、ということです。

 ところが、リタイア後、電車に乗る機会が激減してしまいました。当然、それに連動してイヤホンを使う機会も激減するわけですが、皆無というわけではなく、電車に乗ったときは音楽を聴きたい、という欲求は依然としてありました

 しかし、無線イヤホンというものは、私のような生活スタイルをとっている者にとっては、なんとも相性が悪い。というのも、必要なときに充電ができているとは限らないからなのです。

 結局、無線イヤホンは使い物にならないと判断し、先日、改めて有線イヤホンを買いました。私が使っているiphoneには、イヤホンジャックはありません。通常の有線イヤホンを使おうとすると変換端子が必要になり、それは美しくない感じがしたので、lightning端子専用のイヤホンを買いました。

 アマゾンのレビューではボロクソ書かれていますが、個人的には満足しています。ただ有線だと、やはり線が煩わしいですね。

ワイヤレスで面倒なのは「充電」ではなく、「充電管理」である

 こう書くと、「何でイヤホンを充電するのが面倒なの? 線がある方が面倒だろ? スマホだって毎日充電しているのに」という疑問を持たれると思います。

アホ「ワイヤレスイヤホンは充電めんどくさい!」 俺正論「ケーブルが絡まるほうが面倒じゃない?」 [166962459]

スマホ使ってる時点で充電めんどいとか言ってる奴はアホ

  これに対し、私は「面倒なのは"充電"ではなく、"充電管理"である」ということを言いたい。

 イヤホンの使用頻度の高い方々は、充電管理という面ではむしろ楽なのです。帰宅後、かばんからスマホとイヤホンを取り出して充電する、というルーティンが出来上がっているからです。

 しかし私のようにイヤホンを使う機会が不定期、という場合が面倒なのです。

 「そういえば明日、電車に乗る予定があるから今日のうちに充電しておこう」なんてことを、所要の前日にいちいち思いだした上で充電を行い、当日の朝、普段持ち歩かない充電済のイヤホンをかばんにしまうなんてことを、都度やらなくてはならない。

 充電そのこと自体は大した作業ではありません。ただ、「電車に乗る前日にイヤホンの充電をする」ことを忘れずに実行するのは、なかなか難しいことです。たまにしか使わないイヤホンのことを、常時、心の片隅に置いておく必要があるからです。

 一般化して言うと、ルーティンに無い作業が不定期に発生する、というのは管理上のネックになる、ということです。

 一方、有線イヤホンは、ケーブルが煩わしいのは確かだけど、カバンにしまいっぱなしで管理不要という利便性があり、ワイヤレスの到底及ぶところではありません。

 なお、こんな私でもスマホの充電を面倒に感じないのは、スマホは家でも外でも毎日使用していて、充電を毎日行うことがルーティン化しているからです。

 ということで、非常にピンポイントなアドバイスになってしまいますが、近いうちにリタイアや自営業へ転身する予定のある方で、これからワイヤレスイヤホンを購入しようという方は、再検討されることをお勧めいたします。

「有線イヤホンを使う人は厄介」論争

 私がイヤホンを有線に変えた直後に、次のような論争が起きて、ちょっと笑いました。

「有線イヤホンを使う人は厄介」ツイートで大論争!有線ユーザーの言い分(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース

「これ完全な偏見だけど有線イヤホンは今や厄介な人を見分ける踏み絵になりつつある気がしてて、やたら新しい物を嫌うか、ITリテラシーが超低いか、音質に拘りが強すぎるか、わずかな音ずれを許せないゲーマーか、利便性より安さを極端に優先する人のどれかで、どれに該当しても癖が強めで身構えてしまう」(@gadgetKaeru)
 リツイートのうち約7000件が引用リツイート。つまり、このツイートに関して何か一言自分も言いたいと思った人が多いのだろう。140文字で、これほど人の気持ちをひきつけ議論を生む、というのはすごいことだ。

  私は、元のツイート主のyoutube動画をたまに拝見していて、結構面白く感じているのですが、この件に関するツイートや動画は、不愉快になると思うので、敢えて見ていません。

 まぁ、私が思うに、無線イヤホンが有線イヤホンの上位互換であるならば、とっくに有線イヤホンはガラケーのような瀕死状態にあってもよさそうなものですが、実際はそうはなっていない

 先日、上記のイヤホンを買ったのはビックカメラ立川店でした。陳列は、単価が高く最先端感があり、なおかつオシャレでカラフルな無線イヤホンの売り場が華やかでしたが(特にAirPodsの亜流タイプ)、実はその裏手には、大量の有線イヤホンが所狭しと並んでいたりもしました。

 次の調査によると、無線の利用者が増えてきてはいるものの、まだまだ有線の方が多数派のようです。

 完全ワイヤレスイヤホンの利用率は12.7%、マイボイスコムが調査 - iPhone Mania

 

 投資する人が貯金オンリーの人にマウントをとり、キャッシュレスの人が現金派にマウントをとり、車を持たない都心居住者が、車移動の郊外or田舎居住者にマウントをとり、賃貸居住者が持ち家に固執している人にマウントをとり、リタイア者FIRE者が「社畜」にマウントをとる。

 大体、ネット上の主流派、華やかに見える方、声の大きい方が、そうでない方に対し、優越的な地位を誇示するというパターンです。その内容は必ずしも世間一般の価値観と一致するとは限らないのですが。

 そのようなマウントとりが、とうとうイヤホンの有線・無線にまで拡大してきたのかと、胸アツな展開ですな。

 そう、この論争の本質は、有線イヤホンの是非などではではなく、マウンティングなのであります。

 

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リタイア後2年目の生活費の推移

 お久しぶりです。

 読者の方から状況報告を乞うメッセージが来ましたので、久しぶりに更新します。

 ブログをさぼっている間も、相も変わらずリタイア生活を続けていて、今後も似たような生活を続けていくんだろうな、と感じています。

 ところでリタイア生活3年目に突入したわけですが、今回は2年目を振り返る意味で、2年目の生活費についてまとめてみます。

 去年も1年目の生活費の推移を記した記事をアップしており、今回はこれと同様の流れで行きたいと思います。

50retire.hateblo.jp

目次

 《東京都西多摩郡日の出町・日の出山》

2年目資産の棚卸表の一部を公開 

 以下、この表の見方について、昨年と同様の説明。

  • 「前月差分」
    資産額の前月と当月の差分。ほとんど収入の無い私にとっては、その月の出費額と大体イコールになります。
  • 「差分累積」
    「前月差分」の差分の累積額、すなわち、2020年3月から当月までの間にいくら資産が減ったか、とイコールです。昨年の3月末と今年の3月末を比較すると、昨年度で142万円ほど減った計算になります。その前の年度は103万円ほどですから、随分と増えました。
  • 移動平均」は
    過去12ヶ月の「前月差分」の平均値としています。しばらく、月あたり7~8万円ほどで推移していたのですが、最近、急激に増えだして、いまや12万円目前

 なお、この表には、妻個人の出費は含まれていません。

実は今、意識してお金を使っています

 ということで、随分と出費額が増えました。それもここ半年くらいのことですね。実は今、意識してお金を使っている最中です。

 これは、食費を増やすとか高級マンションに移り住んだなど、生活レベルを上げているのではなく、今、一時的な出費を集中的に行っている感じです。

 これまでの私の出費のスタンスは「定額費用を抑えて一時費用に回す」というものなので、このスタンスに変更があったわけではないわけです。

 

 ここ半年で買ったものといえば、まず「自転車」。自転車本体の他、付属品やら何やらで30万ほどしました。昨年11月の「前月差分」が42万円になっているのはそのため。

  詳しくは次の記事。

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 で、自転車にのめり込むと思いきや、すぐに冬になってしまったので、自宅にこもることが多くなると、今度は別のことに興味が湧きだすんですよね。

 具体的には部屋の整理。大量の古書や物品をせっせと段ボールに詰めて古物商に送るなんてことをやって、部屋から大きな本棚(幅88cm)を一つ、なくすことに成功した。

 部屋がスッキリしてくると、新しいアイテムを導入したくなってくる。特に、私のパソコンは、10年ほど前に買ったwindows7(アップグレードしていない)でしたので、パソコンを新たに購入しました。モニタも4Kに変えました(上にあげた棚卸表は4Kモニタに表示されたものをプリントスクリーンしたものなので、昨年の棚卸表より画像が格段にきれいになっています。興味のある方は、リタイア後の生活費の推移の表と見比べて下さい)。他に色々と細かなアイテムを購入しています。

 さらには、年末年始に実家帰りを兼ねて旅行。それなりにいい宿泊費の旅館を使った。

今後について

 昨年、私は生活費について次の評価をしています。

リタイア後の生活費の推移 - 50歳で早期退職し、セミリタイア!

 昨年は、生活を楽しむための初期投資で結構な額を使った。今後は、その種の支出はなくなるけれど、コロナが収束して、旅行などに出かける機会は多くなる。

 結局、トータル支出は昨年とあまり変わらず、今後も年間100万円台前半で推移すると見込んでいます

  コロナが収束したかは微妙だけど、パソコンや自転車など「初期投資」的なものに大分お金を費やして、結果、142万円ほど。実際には古物の売却で6万円ほどになっているので、結局、トータル150万ほど使っている計算です。昨年の想定よりは多い。

 まだまだ買い換えたいもの、お金を使って実現したいことがあるので、しばらくお金を使う生活は続くことになるでしょう。

 年間150万使う生活が65歳まであと13年続いたとすると約2000万。それ以降、年金生活に入り、毎年30万円取り崩す生活を20年続けると、この分で600万。合計で2600万。やはり3000万円あれば、自分にとっては十分そうではあるんだよね。

 

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【次回参議院の趨勢 2】 立憲vs維新、野党第一党をかけた戦いのゴングが鳴った!

 先の総選挙では、立憲サゲ、維新アゲの傾向が明確になったのですが、次回参議院選挙は、この順位が入れ替わるかどうか試金石となります。

 つまり野党第一党をかけた戦いです。

目次

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山梨県都留市桂川相模川) 田原の滝》

次回参院選でいきなり野党の順位が入れ替わることはない

 ただ、最初にお断りしておきたいのですが、次回の参議院選挙でいきなり野党の順位が入れ替わることはありません

  • 参議院は半数改選なので、ある選挙で負けても、非改選の議員と合わせて、参議院で比較的多数を保っていられる。
  • 衆議院選では、「大都市圏の多数の小選挙区でオセロのようにひっくり返る」ことにより議席数が劇的に変動し得るが、参議院選では大都市圏への議席の配分が相対的に少なく、かつ中選挙区が多いため、このような事象は起こりにくい。
  • 仮に参議院で少数になっても、衆議院野党第一党の地位を保っていれば、以降も「野党第一党」扱いされるものと思われる。

 ただ、じゃあ立憲は安泰なのかというとそうではなく、次回参院選の勝ち負けによって、その次の衆議院選挙で野党第一党の座を保持できるのか、そうではないのかが決まる、というギリギリの瀬戸際にいるわけです。

「立憲共産主体の1対1対決の構図」が危機にある

 立憲代表選の候補者の方々はこぞって「1対1対決の構図を作っていくことが大事」とおっしゃっています。しかし、実はこの構図は今、危機に瀕しています。理由は二つあります。

共産党」という重い十字架

 一つには、前回記事でも述べましたが、先の総選挙で敗北したことにより、立憲は、共産党』という重い十字架を背負ってしまった、ということがあります。

 一言で1対1といいますが、その片方に共産党が入っている、という状態が、共闘している限りずーっと続くわけです。極端な言い方をすれば、片や現状維持、片や共産革命みたいな180度異なる選択を迫られるのが本当に良いことなのか。

 有権者はこれまで以上にそのことをに気にするでしょうし、立憲としても共産との関係のバランスをとっていくのに、多大な労力を費やすことになる。

 枝野前代表は、「限定的な閣外からの協力」に過ぎないのだから、そんなに共産とは近くないんだ、とおっしゃっていましたが、共産側は選挙が終わってかなり本性をむき出しにしてきているんですよね。

軍拡阻止し 憲法生かそう/日本平和大会開く/安保廃棄の国民的合意を

日本共産党小池晃書記局長は「安保条約廃棄の国民的合意をめざして安保そのものを正面から取り上げて活動することは、市民と野党の共闘の発展に大きな意義を持つ」と強調しました。

 つまり、立憲・共産主体の1対1の構図にクエスチョンが付けられてしまったんです。

維新など第3極が1対1に割って入って来る

 更に差し迫った問題なのが、維新の台頭です。先の総選挙で、維新は大都市圏を中心に、かなりの数、小選挙区で候補を立てているんですよね。

  • 北海道×3、宮城×2、
  • 茨城×3、栃木×1、群馬×1、埼玉×4、千葉×4、神奈川×7、東京×17、
  • 新潟×1、富山×1、石川×1、長野×1、岐阜×2、静岡×3、愛知×3
  • 滋賀×1、京都×3、大阪×15、兵庫×9、奈良×1、和歌山×1
  • 広島×2、徳島×1、香川×1
  • 福岡×4、宮崎×1、沖縄×1

 小選挙区で当選した16人のうち15人は大阪ですが、多数の落選者も、今回顔を売って次の機会を窺っているに違いないのです。

 つまり、自公vs立共という1対1の構図が崩れつつあるのです。維新が一人区でただちに勝利するのは難しいですが、彼らは与野党双方から票を奪う力がありますから、徐々に三つ巴の争いに発展していきます。

 先の総選挙でいうと、大阪や兵庫の他、東京1区など、一部の小選挙区がそのような状況に向かいつつある。

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 こんな状況が、来年の参議院選挙、次回衆議院選挙で絶対に発生しないと、どうして言い切れるでしょうか。

激動の複数区

 とはいえ、一人区、小選挙区における1対1の構図は、次回参院選でただちに崩壊するわけではありません。

 一方、複数区は波乱が予想されます。みんな一人区を一本化することばかり気をとられていて、複数区のことにまでは、あまり考えが及んでいないようです。

 というのも、これまでの複数区は、有力な各政党がなかよく議席を分け合うといった無風区が多かったからなのですが、大きく支持率を伸ばした維新がこの状態に待ったをかける可能性があるのです。

 維新の松井代表がおっしゃっているのは、京都選挙区(改選数2)ですが、ここでは茨城選挙区を取り上げます。

 前回2019年の茨城選挙区は次の通り。

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 どってことのない無風区で、維新の候補は4位でした。しかし次回は、維新が自民票と立憲票を奪って票を伸ばすことが想定され、特に立憲と維新の間で2位争いが注目されます

 先の総選挙では、茨城という、維新が全然浸透していない地域に候補を3人も立てています。実際、得票率は低かったのですが、それでもここまで積極攻勢をかけるのは、彼らが参議院茨城の2議席めを狙っているからに他ならないからです(という個人的な予想)。

 ほか、埼玉、愛知、神奈川、福岡などで、維新がどこまで食い込めるか、自民と立憲は踏みとどまることができるのか、注目です。

比例代表の争い

 20年ほど前の大規模国勢選挙において、小選挙区では自民が勝っていても、比例得票は民主党自民党を上回っていることが多かったです。それは、当時、民主党に期待している人が多かったことの現れでしょう。その後身の政党の比例票が伸び悩む、というのは、やはり期待が落ちているのでしょう。

 次回の参議院選挙で立憲と維新、どちらが比例票を上回るのか?それが政党への期待値に直結するので要注目。

立憲に有利な点も?

 ということで、立憲に不利のようなことを書きましたが、全てが立憲に不利なわけではありません。

 先にも述べましたが、参議院選挙で劇的な結果が出ることは無いので、うまくいけば「いろいろあったけど、どうにか踏みとどまったよね」みたいな結果で収まることも十分あり得ます

 来年、改選対象となる立憲の議席数は22(多分)とそんなに多くないですから、参院選後にこれを下回ったとしても数議席程度でしょうし、維新と自民で票が割れて立憲が当選することがあるかもしれません。

 それやこれやで、改選第二党を死守出来れば、立憲民主党は、どうにか野党第一党に「残った」、そうでなければ、非常に危機的な状況に追い込まれる、というわけです。

 ちなみに、片割れの国民民主党の方も、次回の参議院選挙では改選数が多いため、こちらも現有議席を確保するだけでも、相当に厳しい戦いになりそうです。

 

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【次回参議院の趨勢 1】 立憲の背後に迫りくる維新。2位でいられるんですか?

 まだ立憲の代表選が続いていますが、誰になろうと方向性は同じでしょうし、あまり興味を持たれている風でもないので(当ブログの前回記事共産党を腫れ物扱いする、立憲民主党の代表選も低調)、話題の軸足を、次回の参議院選挙に移していきたい、と思います。

目次

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《埼玉県毛呂山町:宿谷の滝》

誰が立憲の新代表になろうと、やることは変わらない

 とはいえ、立憲民主党の今後について書いておかないと、参議院選挙について触れることが出来ないので、簡単に述べておきます。

 案の定というか、代表選における各候補の討論内容は、非常に薄いものになっています(前回記事:共産党を腫れ物扱いする、立憲民主党の代表選を参照)。

 まともな政策論争をするほどの地力が無いのであれば、あと残るテーマは「共産党との共闘は正しかったのか?」しかないのですが、これについても各候補は直接語ることについて及び腰です。

 今回の敗戦の根本原因は「持てるエネルギーの大部分を、野党共闘などの票合わせと政権批判に費やすことで、政策立案力など党としての地力がどんどん削がれていったため」なのに、目先の票が逃げるのと、党の分裂が嫌で、そこまで切り込める候補者はいらっしゃらない。

 だとすれば、誰が新代表になったとて、やれることは、共産党と連合との関係の再構築」しかないんですよね。そもそも、政策を練り上げていく人・仕組みが無いので、政策で勝負などできっこないのです。

 各候補もその辺は分かっていて、その立ち位置によって表現は変えていますが、結局は「共産党と連合との関係を再構築していきます!」ということをおっしゃっているのです。

 ただ、これは言うほど簡単ではありません。共産党や連合だけでなく、党内の意見集約も必要になってきますから、非常に、非常に高度な調整力・政治力が必要になってきます。

 新代表が、このような調整力・政治力を存分に発揮できるか? 難しいでしょうね。

 特に小川氏は、選挙前、野党候補の一本化を訴えて、独断で、維新の会議に乱入したり、維新の候補の実家に押しかけるなどしたそうで、こういう人に調整力があるとは到底思えないんですよね。

小川淳也氏 維新への直談判は「私の軽率さ。深く反省」(朝日新聞) - goo ニュース

mobile.twitter.com

十字架を背負ってしまった立憲

 立憲民主党の本当の試練はこれからです。

 正直なところ、今回の選挙に限っていえば、共産党との共闘そのものは、それほど議席数に影響していないと思います。もともと党としての地力が無かったのですから、比例はあんなものだろうし、小選挙区では、共闘で得られる票・逃げる票あって、トータルで議席は微増。共産云々ではなく、弱かったから負けたのです。

 しかし、共闘が選挙結果にそれほど影響していなかったのだとしても、共産党と政策協定まで交わし、大規模に共闘した選挙で、派手に敗北してしまった」というのは事実であり、これによって、十字架を背負うことになってしまった

 選挙後は、大手マスコミを含め、「野党共闘は正しかったのか?」という議論が盛んに行われるようになり、世論調査のネタにまでなる始末。

 自民の麻生氏は選挙期間終盤で「立憲共産党」と揶揄したそうですが、保守系のメディアでは、今やこの言葉が公然と使われるようになっていて、今後もずーっと言われ続けることになる。

 ネットでは、「共産党と組む」というのがどういうことなのか、検証サイトや動画がどんどん作られていく。

 つまり、これまでは、野党共闘について、メディアや国民の関心は必ずしも高くなかったのに、今後は選挙のたびに野党共闘について強く問われる状態を作ってしまった

 すると、これまではそれ程気にしていなかった人も、「共産と組む候補・政党は避けておこう」と考えるようになり、逃げていく票が今回以上に多くなる可能性が高い。

 この状態は、「共産党との絶縁宣言」をハッキリと出さない限り収まらないのですが、相手がある話だし、共産票で当選してしまった人が多数なのですから、まず不可能。

 枝野前代表はこのような事態を怖れていたからこそ、選挙期間中、何とか共産色を薄めよう薄めようと頑張っていたのに、結局、徒労に終わってしまったのです。

2位で良いと思っていたら、維新が背後に

 2位じゃダメなんですか?のアノ方じゃないですが、立憲民主党とにかく2位(野党第一党)でいることにエネルギーを注いできた党だと思います。野党共闘もその一環なんだと思いますが、これまでのやり方では2位でいることさえ安泰ではない、ということを突きつけられたのが、今回の選挙結果です。

 すなわち、維新の躍進であり、2位で良いと思っていたら、いつの間にか維新が背後まで迫ってきている、という状態。

 もともと、維新は大阪の地域政党で、今回得た41議席のうち半分以上は近畿のものなのですが、それでも野党第一党たる立憲民主党の4割の議席数を誇り、インパクトは非常に大きく、これまでの与野党に代わる第三極として、一気に認知された感があります。

 維新の浸透は全国的なものなのですが、もちろん地域によって程度差はあります。近畿では圧倒的で、東北では比較的緩やか。近畿以外では、東京ブロックが注目されます。

 2017年と2021年の東京ブロックにおける比例得票数の推移は次の通り。

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  • 自民は横ばい。
  • 立憲は、2017年当時に希望だった議員が2020年に大量に合流しているので、得票率も大幅に増加しているべきなのに、3.5ポイントも低下。
  • 維新は10ポイント上昇。れいわや国民民主も善戦。

 つまり、これまでだったら野党第一党に行くはずだった票が、維新・国民民主・れいわに、大分、流れてしまった、ということです。

 更には、最新の世論調査だと、立憲と維新の政党支持率は拮抗しており、中には維新の方が上回っているものさえあるのです。

野党第一党ボーナスの行き先

 まとめると、これまで「野党第一党だから」ということで立憲に入れていた人の投票先が、維新など他政党に結構、移ってしまったというのが今回の選挙結果です。

 この傾向は、次回以降の大規模国政選挙で、更に強まることが予想されます。というのも、

  • 立憲民主党は、「立憲共産党」という十字架を背負うことになってしまった。
  • 立憲民主党は、代表選における空虚な討論などにより、党としての地力(人材や政策)に乏しいことが赤裸々にされてしまった。
  • 今回の選挙結果を受けて、日本維新の会が第三極として認知された。

 そうすると、無党派層の主な投票先が、立憲から維新に移行していってもおかしくないのです。維新に抵抗がある人は国民民主やれいわがあります。必ずしも野党第一党に入れなくてもいい、と無党派層に認識させてしまったのです。

 

 立憲 vs 維新 については、まだ書くことがありますが、それは次回にて。

 

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共産党を腫れ物扱いする、立憲民主党の代表選

 立憲民主党の代表選。候補者は、逢坂誠二氏、小川淳也氏、泉健太氏、西村智奈美氏の4名。共同記者会見や、テレビ出演などにより、各候補の主張が開始されましたが、それらを聞いて「前途多難だなー」という感が拭えませんでした。

50retire.hateblo.jp

目次

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《東京都青梅市:2年前の台風で流された橋(御岳小橋)》

各候補の印象

 ネット上には、候補者の顔ぶれを見て「こんな人知らない。人材不足だ」とおっしゃる方もいますが、私はそれは違うと思っています。

 例えば、岸田総理は外務大臣まで勤めたにも関わらず、ついこの間まで空気でしたし、維新の松井代表とか吉村知事、国民民主党の玉木代表なども当初は無名でしたが、今では党の顔にちゃんとなっています。立場が人を作る、というのは確かにそうなんだろう、と思います。

 ただ、4候補中2名、具体的には小川氏と西村氏に代表はムリなんじゃないか、と、次の共同記者会見を見て、早くもそう思いました。

立憲民主党代表選、きょう告示 4氏が共同記者会見(スポーツ報知)

 立憲民主党の代表選挙(30日投開票)が19日、告示され、逢坂誠二氏、小川淳也氏、泉健太氏、西村智奈美氏の4氏が共同記者会見に出席した。

 

↓フルバージョン

www.youtube.com

 

 小川氏の主張からは、「これまでの自民党政権は一方的に悪であり、それを我々がそれをたださなくてはいけないんだ」ということしか伝わって来ない。政策については、それっぽい単語を、ただ並べているだけで、それらについて通暁している感じが全然しない。ハッキリ言ってしまうと、言ってることの中身が全然無い。ついでに、発言や行動が挙動不審な印象を受ける。この人が代表になったら、ネタとしては面白いんだろうけどねぇ。

 西村氏は、落ち着いてはいますが、ジェンダー問題のワン・イシュー議員のように、私は受け取った。確かにジェンダー問題は大切なのかもしれないけど、野党第一党の代表として、幅広く政策について語るってことが全然出来なそう

 まぁ、小川氏は、映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」で若干の知名度はあるし、西村氏は唯一の女性ってことで、一定程度は票が入るのかもしれませんが、普通に考えれば、ニセコ町長の経歴がある実務型の逢坂氏か、政策提言型の泉氏の二択だと思います。

 逢坂氏だと党内はまとまるのかもしれませんが、ちょっと萎れた雰囲気で、旧・社会党っぽく見えてしまう(逢坂氏に社会党在籍経験は無いが、それっぽい外見、ということ)。広く国民にアピールするのなら泉氏なんでしょうが、旧・国民民主党の彼が主張する「党改革」、および小沢グループの支持を受けている点に警戒する人が少なくないかも

経済についてほとんど語られていないのが残念

 非常に残念なのが、経済対策について、ほとんど語られていないことです。弱者への施しみたいなことはおっしゃるんだけどね。

 私は、それほど経済については詳しくないし、そういう話を聞いても面白いとは思わないのですが、それでも、その党や候補が経済について語れる人なのかどうか、ということは非常に重視しています。

 それは、「この国をどうして行くのか」という具体的なビジョンを模索しようとすれば、結局、経済に行き当たるからです。逆に言えば、経済が語れないということは、具体的なビジョンがなく空理空論を述べているだけ、と私は捉えています。

 今回の候補者達は異口同音に、弱者を救わなくてはいけない、みたいなことを、しきりにおっしゃいます。しかし、弱者対策のためには原資が必要であり、そのためには、その原資を供給してくれる中間層や富裕層の実入りを良くしなくてはいけないのですが、そういう話がほとんど聞こえて来ない。

 これは、根幹部分(安全保障など)で党内に対立があるから、専門性のある政策課題を党として深掘りする土壌が無いことが原因だと思う(中道層から支持されなくなるから、一応、安保賛成を言うが、内心はそう思っていない人々多数)。

 こういうところからも、立憲民主党の地力が落ちていることが分かるわけです。

野党共闘共産党は腫れ物扱い

 やっぱり、というか、野党共闘について問われると、各候補者の歯切れは悪いですよね。

「立共共闘」否定せず、責任政党への道険し? 立民代表選

外交・安保政策が大きく異なる共産との連携を否定する候補はいなかった。逢坂氏は「(自民、公明両党との)1対1の構図を作るのは当たり前だ」と述べ、小川氏は「とにかく自公が嫌がること、自公にとって最も脅威となることを野党がまとまってやっていく」と指摘。泉氏も「1人区においては一本化を目指す」と語り、西村氏は「1対1の構図は自公の議席を減らすためには必要不可欠だ」と言い切った。

 この記者会見では「共産党との連繋についてお尋ねします」と問われていたのに、各候補は1対1の重要性を言うばかりで、共産党のキョの字さえ発することがない徹底ぶり。完全に腫れ物に触るような扱いです。

 だから、表面的には、このことが争点になることは無いでしょう。でもそれは重要度が低い問題だからではありません。支持母体の連合からは「共産を切れ」と言われているし、立民支持層の野党共闘への賛否も真っ二つなのですから、みんな注目していないはずがないのです。

【産経・FNN合同世論調査】立・共共闘 共産支持層8割「続けた方がよい」

支持政党別では、立民支持層で「続けた方がよい」との答えが48・6%、「続けない方がよい」が48・3%と拮抗(きっこう)し、賛否が分かれた。

 ただ、あまりにも問題が大きく、センシティブ過ぎるから、候補者は言葉に出すことさえ出来ない。まずは分裂しないことが最優先ですからね。

 ただ、当ブログ前回記事でも述べましたが、過去5年間ずーっと、この問題を背景として党が揉め、離合集散しているのに、いまだにその結論を出せないでいることが、党の弱体化を招いているのです。そろそろちゃんと正面から向き合った方が・・・。

 

 まぁ、それでも、この記者会見は、野党クラブ(そんなのあるんだ!)というのが仕切っているそうで、記者達が野党に甘いのか、外交安保、経済対策、野党共闘など立憲のアキレス腱についてはあまり突っ込まないのでボロは出ていない。

 でも次の番組ではズバリと、少々煽り気味に共産との連繋について問い質しているので面白い。

www.fnn.jp

 ここで、逢坂候補は、冒頭からいきなりキャスターの兆発に見事に乗ってしまった共産党との連繋を悪宣伝されてしまったのがいけないんだ! と、ちょっとホンネが出てしまいましたね。

 でも、現場の立憲の候補者の方の中には、共産党との連繋をかなり強調していた方もおられたようです。

 このポスター、立憲民主党という文字よりも、共産党のロゴの方が目立っているぞ!どこの党のポスターやねん!

 ここまでやってしまうと、さすがに「悪宣伝」というだけでは片付けられないですよね。

 実際、野党共闘の現場を見てきた国民民主党からして、選挙前から共産党との協力に警戒感を示していたのですから、一般有権者が警戒しても何ら不思議は無い

 あと、自民と公明も長く連立政権を組んでいて、彼らは折り合いを付けてどうにかやっているわけですが、例の給付金の件ではかなりグダグダです。

 それでも、自民公明のグダグダならこのくらいで済みますが、立憲共産間の場合、そのグダグダが安全保障など国の根幹部分にまで及びかねないから始末が悪い。

 しかも、野党共闘の言いだしっぺは共産党だから、共産党はノリノリ、立憲の候補にも自党の候補のように献身的に選挙活動してくれて、そのために当選できた候補も少なからずいる。しかも、選挙を重ねるごとに両党の結びつきは強くなってきている。

 そして、今回、共産は立憲のキン○マを完全に握ってしまった訳で、にも関わらず共産が立憲に何も見返りを求めないなんてあり得ないというのが、普通の感覚。

 立憲議員は、もう後戻りできないから、何とかそこに意義を見出すしか道は残されていないのです。

 

 まぁこの代表選をキッカケに立共共闘が直ちに破綻することは無さそう。その場合、来年の参議院選挙はどうなるのか。次回、書いていきたいと思います。

 

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【野党共闘総括・3】野党共闘は本当に効果があったのか?

 全くセミリタイアブログとして機能していませんが、野党共闘についての3回め。

 これまでは野党共闘の歴史について述べてきましたが、今回はいよいよ、「野党共闘は本当に効果があったのか?」というテーマについて、私の考えを述べていきます。

 

↓ 前回

50retire.hateblo.jp


目次

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《東京都奥多摩町奥多摩湖

野党共闘についての結論

 いきなりですが、結論は2段階に分かれます。

  1. 今回の選挙「だけ」を見るならば、共闘したことにより議席が若干増えている可能性がある。ただ、それは「共闘していなかったら、更に大惨敗していた」ことの裏返しである。
  2. ここまで党の支持が低迷しているのは、野党共闘が大いに関係しているので見直した方がよい。

というもの。

以下、詳しく。

今回の選挙だけを見るならば、共闘したことにより議席が増えた

 まず、自民・立憲・維新について、公示前勢力と当選者数を、小選挙区・比例ごとに表にまとめました。

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小選挙区における成果

 小選挙区については、立憲は48議席から57議席に増やしています。これをもって、「野党共闘は効果があった」という論調があり、私も一定程度、賛成しています。

 ただ注意しなくてはいけないのは、自民は210議席から189議席と21議席も減らしているのに、立憲は9議席しか増やしていない点。なぜ、このような差分が生じるか?それは、大阪で自民は維新に全敗したからです。つまり、自民の議席を削ったのは、立憲より、むしろ維新の方が多いのです。

「大物」議員の落選

 今回、自民の「大物」とされている、甘利氏、平井氏、石原氏が小選挙区で落選しました。これをもって、「野党共闘の成果」と言う方も、(野党支持者を中心に)多いです。

 ただ正直なところ、これらの方々は、麻雀で言うと小三元クラスです。しかも、それぞれ、落選に値する選挙区特有の事情がありました(詳細は略)。

 一方、立憲の方は、タンヤオピンフで相当に負けている他、小沢氏、辻元氏、平野氏といった大三元クラスまでもが小選挙区で落選。また、落選には至らなかったものの、枝野代表が接戦まで追い込まれてしまっており、共産の票が載っていなかったら落選濃厚でした。

東京選挙区での「共闘成功」

 東京では比較的、共闘が成功したと言われています。しかし、個別に東京で立憲が勝った選挙区を見てみると、実は維新も出馬しており、漁夫の利で勝利を掴んだケースが少なからず散見されます。例えば東京6区。

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共闘による効果は限定的

 以上を踏まえると、共闘による効果は見いだせるものの、かなり限定的なんだろうと思います。

 選挙後、良く言われているのは、立憲民主党は、足し算しか出来なかった。共産と組むことにより逃げる票を、甘く見ていた」というもの。

 共産と組むことで得られる票・逃げる票とありますが、小選挙区では、得られる票が結果的に上回ったからこそ、9議席増加することが出来たのでしょう。

 ただ、これは、相当に多くの選挙区で候補者を一本化したにも関わらず僅か9議席の増加にとどまった、という見方も出来るわけで、共闘していなかったら、さらにひどい惨敗となっていた可能性がありました。

 やはり、これは、共闘の成功を喜ぶよりも、何でここまで共闘したのに小選挙区でたった9議席しか増えないんだ、という問題設定をすべきなのだと思います。

ここまで党の支持が低迷しているのは、野党共闘が大いに関係している

比例代表の結果など

 党の支持の低迷が直接に分かるのは比例代表です。立憲の場合、公示前の62議席は難しかったとしても、せめて50議席ぐらいは欲しかったところ。しかし、実際には23議席も減らして39議席にまでなってしまいました。

 また、先日も述べた通り、今回の立憲の当落を系譜別にみると、旧・国民民主党からの合流組はやや善戦したものの、立憲民主党のエッセンスをより強く持っている旧・立憲民主党からいた人(特にスキャンダル追及型の人)の多くが落選してしてしまっています。あまり語られませんが、このことも、立憲民主党の低迷ぶりを示唆する事実です。

共産党との距離、という重いテーマが、党の地力を削っていった

 なぜ、こんなにも立憲民主党の支持が広がらないのか。それは多くの方がおっしゃっている通り、「何でも反対で建設的な提案に乏しい」「左に寄り過ぎ」と多くの国民に思われてしまったことにあるのでしょうが、ここでは、もう少し俯瞰して考えてみます。

 前々回で述べた通り野党共闘は2015年の安保法制の件をキッカケに共産党の言いだしっぺで始まって以降、党内に爆弾を抱えることになってしまいました

 あまりにもセンシティブ過ぎるテーマなので、大々的に「共産党がー」とは言いませんが、所属議員に常に重くのしかかっていた問題であり、それ以降の代表選、あるいは党の離合集散の背景には、必ず、「共産党との距離」という重いテーマが潜んでいたのです。

 このことで、所属議員は本来の党の政策の他、このテーマに対応するために相当にエネルギーを使わざるを得ず党の地力を削っていった、というのは否定できないと思います。

共産党と結びつくことで、発想・行動が共産化し、独自性を失った

 一方で、共産党と協力を行うことで成果が出ている選挙もあったので、ずるずると共産との結びつきは強くなっていきます。特に今回は、とうとう一線を越えて「政権選択選挙における、共産党との政策協定」を行うまでになってしまいました。

 共産党という党は、スキャンダル追及などもしますが、実は一方で、独自の政策を持っており、党として非常に強固です。一方、民進党立憲民主党は、「容共か反共か」「国の安全保障」といった根本的な部分で党内に対立があるため、党としてのまとまりが稀薄です。

 そんな2党が連携すると、民進党立憲民主党の発想・行動がどんどん共産党に引っ張られていくのは当然のことなのです。

【長島昭久氏、民進離党会見詳報(1)】「『アベ政治を許さない!』と叫ぶことを求められた。熟議も提案もない」と痛烈批判(5/7ページ)

「党内ガバナンス」という魔法の言葉によって、一致結束して「アベ政治を許さない!」と叫ぶことを求められ、(略)行き詰まると、院外のデモ隊の中に飛び込んで、アジる、煽る、叫ぶ。

 こうして、民進党立憲民主党という党の独自性が失われた結果、野党第一党」という無色透明な存在になってしまい、党としては、政権批判パフォーマンスと、共産票を獲得することが拠り所になってしまった。

なぜ民進党はここまでバカにされるのか 離党した長島昭久衆院議員が激白

私が掲げた国会戦術は、極めてシンプル。各議員が自分の得意分野で堂々と閣僚に論戦を挑むというもの。しかし、国対幹部からは、「そんな地味な質問をしても翌日のヘッドラインは取れないし、ワイドショーも取り上げない」と一蹴されてしまった。

 もっとも、各議員を個別に見れば、政策中心にやっている人もいるのでしょうが、そういう人達を党内で引き上げたり、彼らの政策を「党の政策」として一つにまとめあげて発信したり、ということは、あまり力を入れてこなかった(全くやってなかったとは言わないが、力点がそこに無かった)。

 結果、政治家としては、蓮舫氏や辻元氏みたいな方々ばかりが目立っていた。政策としては、本来の党の立ち位置である中道左派的なものより、アベノミクスの全否定みたいな、一体どこの共産党というようなものが並ぶことになった。

まとめ

 今回の選挙「だけ」を見れば、表面的には「野党共闘は効果があった」のですが、ここ5年間の野党共闘、および野党共闘を背景にした離合集散によって、民進党立憲民主党は、党としての地力が相当に削がれていて、潜在的に、相当な議席数を失っているのだと思います。そう、今回、野党共闘により小選挙区で増加した9議席以上に

 だから、非常に困難だけれども、野党共闘は見直した方がいいですね。まぁ、共闘だけ見直しても、その他の発想・行動が変わらなければ意味が無いのですが、ただ、共産党がセットでくっついてくる限りは、発想・行動を変えることはそもそも無理でしょうから。

 

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【野党共闘総括・2】過去5年、共産党に振り回されっ放しだった立憲民主党

 泉政調会長が代表選に(正式に)出馬するもよう。御健闘をお祈りいたします。

 さて、野党共闘の話の続き。

 今回の野党敗北には、野党共闘および共闘を巡る路線対立の歴史が大きく影響しているので、その歴史を振り返っている最中でした。

↓ 前回

50retire.hateblo.jp

目次

f:id:retire50:20211115180830j:plain山梨県山中湖村:山中湖と相模川流出口》

共産党との距離感を巡っての党内対立(続き)

 野党共闘というのは、2015年の安保法制成立に起源を持ち、共産党の言いだしっぺで始まったもの。しかし、この共闘は民進党の代表選のたびに問題になり、小池都知事希望の党を設立した際に、党の分裂にまで至ってしまった、というのが前回のストーリーです。

2020年、野党再編

 その後、希望の党は、合流を繰り返して国民民主党に。

 今から思うと、2018~2020年前半頃の、立憲民主党と国民民主党の体制は比較的安定していたと思います。共産党との関係でいえば、立憲側は共産寄りが多数、国民側は非共産が多数、という形なので、表立った対立はそれほど無かったのではないでしょうか。

 とはいえ、水面下では立憲と国民の合流交渉は行われており、2020年にそれが実現します。

 しかし、この合流にあたって、やっぱり主要テーマとなってしまうのが、共産党との関係なんですよね。

 「お前ら、いつまでそれやってんじゃー!」という感じですよね。

 まぁ、彼らは「共産党がー!」と大々的には言わないですよ。「合流にあたって、政策の一致点を見いだせるかどうか」みたいなマイルドな表現にしています。

 でも、合流交渉の段階で、共産党の志位委員長は次のようなご発言をされています。

立民と国民の合流問題/共産党と協力してこそ政権の道も開ける/志位氏

立憲民主党枝野幸男代表の発言で、『これ(合流)で、政権交代を目指す』と言っています。そうすると新しい“かたまり”と日本共産党がどういう関係になるのかが問われてきます。私たちと協力をしてこそ政権交代の道も開けるし、野党政権の道も開けるという立場で話し合っていきたい」

 つまり、この合流交渉において、根っこでは、共産党との距離、というテーマが相当深く関係しているのは間違いないのです。

 そして、国民民主党側では結論が出ずに、事実上分党。議員や組織の大半が立憲に合流。国民民主に残ったのは少数。

 一方、受け入れる方の立憲民主党側は、もとは共闘賛成で大方まとまっていたように見えるのですが、新たに「内心、共闘に乗り気でない、旧・国民民主党の議員」を何十人か受け入れることになるので、そこで内輪揉めのネタを抱え込むことになるのです。

 でも、旧国民の人々は、「枝野さんの党に間借りさせてもらっている」ような感じですし、代表選でも旧国民の候補を破って、枝野氏が選ばれているので、あまり表だって異を唱えるようなことはしませんでした。

2021 衆議院選挙

 じゃぁ、枝野氏がそこまで「野党共闘バンザイ!」みたいな考えを持っていたかというと、それもアヤシイのですよね。

 枝野氏としては、「共産と立憲がつぶし合うのは得策ではないから、可能な限りで協力する」程度のものであり、支持団体との関係もあるので、あまり共産党にズカズカと踏み込んで欲しくない、というのが本音だったのではないかと。

 今回の衆議院選挙前、共産党との調整が停滞気味だったのは、この枝野氏の姿勢にあったんじゃないかと思っています。

 むしろ野党共闘に積極的だったのが、生活の党⇒自由党⇒国民民主党立憲民主党と移ってきた小沢一郎

「壊し屋」小沢氏に、野党一本化の交渉役依頼…立民には警戒する議員も

ただ、立民の枝野代表は野党共闘を強く主張する小沢氏を遠ざけており・・(略)

小沢氏が多くの政党の離合集散に関わり、「壊し屋」の異名を持つだけに、立民内には小沢氏を警戒する議員も少なくない。

平野氏が今回、小沢氏を頼ったのは、野党間の候補者調整が足踏みしているためだ。・・(略)

 小沢氏は旧国民とはいえ、党勢が拡大するなら何でもアリ、という人。最終的に200以上の選挙区で、共産との協力体制が達成されたのは、やはり小沢氏の力なんでしょうか。

 今から考えれば、国民民主党はあのとき、小沢氏や森裕子氏を含む旧自由党勢力を一掃することが出来たのは幸いだったんじゃないかという気がします。

 それはともかく、立憲は、共産党との大々的な選挙区調整および政策協定を結んで、衆議院選挙に臨みました。過去、ここまで大々的な選挙協力は無かったと思いますし、政策協定というのも、政権選択の衆議院選挙では初

 このように鳴り物入りで開始された衆議院選挙なのですが、枝野代表は何とか共産色を薄めようと必死です。

枝野氏、志位氏らとの撮影応じず 市民団体のイベント参加も

枝野氏の演説終了後、志位氏ら参加者との記念撮影が予定されていたが、枝野氏は応じることなく会場を去った。先に演説した志位氏は約30分間、待機していた。

 一方で、共産側はノリノリ

野党共闘で新しい政権を/日本記者クラブ党首討論/志位委員長が発言

「今度の選挙は、自公政権を続けるのか、野党共闘で新しい政権をつくるのか、政権選択の選挙です。今こそ政権交代を実現し、国民の声が生きる新しい政権をつくりましょう」

 連合は反発。

 更には、自民党の麻生氏から「立憲共産党w」と揶揄。図星を突かれて立憲猛反発。

新潟入りの麻生氏「立憲共産党と戦っている」「日米安保を堅持と言うのか」
「今、戦っている相手は立憲なんとか党。最近、よく政党の名前が変わるのでいちいち覚えていられないんだけど」と麻生節。「立憲党は共産党と組んでるんだろ。だから立憲共産党とわれわれは戦っている」と指摘。

「立憲共産党」の批判に立民が反論
「われわれは『立憲民主党』で『立憲共産党』ではない。党の名前くらい覚えてもらうとありがたい」

 このように、共産党を巡って立憲民主党は迷走し、候補者一本化により比例と併せて140議席ぐらいとれると皮算用していたのに、結果は100議席を下回ってしまう敗北。

 今回、ここまで共産党が前面に出てきて、そして敗北してしまった以上、これまで抑えてきた野党共闘についての議論を再開せざるを得なくなってしまった、でも、共産党はいまだノリノリであり、そう簡単に決別することも出来ない大変なジレンマに直面してしまったのでした。

野党共闘の歴史的位置づけ

 このように過去5~6年を振り返ってみますと、旧・民主党系の政党は、共産党に振り回されっ放しだったことが明確に分かるのです。

 野党共闘の発端となったのは安保法制ですが、実は、この日米関係・安全保障の議論が発端になって、旧社会党は3度も分裂しています。

 こう考えると、今回の野党共闘も、このような安全保障をめぐる野党内の対立、そして離合集散の歴史の一環として捉えることが出来るのです。

 それでも21世紀初頭は、左派勢力の多数は、一部の保守系とともに、旧・民主党を形成していたため、そのような対立が表面化することはありませんでした。でも、それは政権交代」という要(かなめ)により抑制されていたもの

 その要(かなめ)が緩んだのが、政権交代直後の鳩山政権のとき。「最低でも県外」という基地移転の件で迷走し、支持率が下がったことが、最終的に2012年(平成24年)の下野につながります。

 そして下野により要(かなめ)は完全に外れ、この状態で、2015年(平成27年)、安倍内閣で安保法制が提出されたことをキッカケに旧・社会党へと先祖がえりそこを共産党に付け込まれる形となった(意図していたかは別にして)。

 この結果、今回掲げられた「政権交代」とは、前回と異なって、かなり共産化されてしまったなのです。

 

 また長くなってしまった。次回こそ、「野党共闘の是非」について触れていきたいと思います。

 

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【野党共闘総括・1】共産を巡る長年の路線対立が、今回の敗北に大きく影響している

 立憲の枝野代表が辞任されました。野党第一党をここまで引っ張ってこられた功績は大きいと思います。お疲れ様でした。

 さて、今回から野党共闘の話です。

 ただ、私個人が「立憲と共産が手を組むことに対して賛成だ・反対だ」ということを述べたいわけでなく、あくまで「共産と組むことは、立憲にとって戦略的に得なのか損なのか?」という、立憲民主党にとっての損得論を考察するものである、ということは、あらかじめお断りしておきます。

 

目次

f:id:retire50:20211114104045j:plain 《山梨県富士吉田市富士急行線の中から見える富士山。これも銭湯みたい。。。》

旧・民主党系と共産の協力は、かなり前から行われている

 当ブログでは、いきなり野党共闘の是非を言うのではなく、まずは、その歴史を振り返ることから始めたいと思います。

 というのも、今回の敗北には、野党共闘および共闘を巡る路線対立の歴史が大きく影響しているからだと私は考えているからです。今回の結果や、票計算・世論調査の数字よりも、まず過去を振り返ることが必要なのです。

 

 ということで、まず、野党共闘っていつ頃から始まったものなのでしょう?

 これまで、野党共闘がここまでクローズアップされたことは無かったので、つい最近始まったばかりのように思われる方もおられるかもしれません。しかし実際はそうではなく、小・中規模の協力はかなり前から行われていました

 私の印象だと、ここ何年間か、旧・民主党系の政党と共産党が何かしら選挙協力をするたびに、「今回は野党候補を一本化し、一対一の構図となりました」とか、「今回の選挙において、一本化の効果はあったと認識している、と野党幹部は語った」みたいな新聞記事が出ていました。

 ただ、その協力した選挙というのが、地方選挙だったり、補選だったり、参議院の一人区だったりと、そこまで大規模なものではなかったので、そこまで大きな扱いではありませんでした。

野党共闘の発端

 改めて、wikipediaで関連項目を見てみましょう。この「野党共闘」が行われるようになった発端は、旧・民主党時代にあることが分かります。意外と前からやっているものですね。

民共共闘 - Wikipedia

 2015年夏、国会は平和安全法制審議一色に染まり、(略)法制の成立後、共産党委員長の志位和夫は反対派の各党(民主党・維新の党・社会民主党生活の党と山本太郎となかまたち)に対し、同法制廃止の一点のみに絞って5党が協力して政権を樹立させる国民連合政府構想を提案した。しかしこの提案は、野党間での政策の違いなどを理由に民主党内部で反対され、実現しそうになかった。

 (翌)2月19 日、民主・共産・維新・社民・生活の5野党党首会談の席で、志位は国民連合政府構想を事実上棚上げし、一人区の候補者調整で「思い切った対応」をしたいと述べた

 注目すべきなのは、次の2点。後で出てくるので覚えておいて下さい。

  • 言い出しっぺは共産
  • 野党共闘は、安保法制をキッカケとして始まった
  • 共闘開始当時から既に、共産党と組むことに対して、反対する声が民主党内にあった、という点

 そして結局、この共闘体制は実現し、民主党民進党立憲民主党(一部、国民民主党とも)と引き継がれ、次の選挙で協力が行われました。

 結構ありますね。このなかには、先の東京都議選のように、「共闘の効果があった」と明確に言えるようなものも含まれています

 ただ、衆議院政権選択選挙で、相当に大がかりな選挙協力共産党と行い、政権をとった後の協定まで結んだのは今回が初めてで、これまでの野党共闘の集大成とも言える選挙でした。

 しかし、立憲民主党は、この集大成の選挙で惨敗してしまったので、今後の進むべき道を見失ってしまっている、というのが現状なわけです。

共産党との距離感を巡っての党内対立

 この間、共産党との共闘に賛成していた人々だけでなく、「距離を置くべきだ」という意見を持つ人も党内に沢山いました。そのため、共闘賛成派と反対派で常に党内対立があり、このことが、党を疲弊させただけでなく、離合集散にまで繋がっていった、という側面は否定できないのではないでしょうか。

共闘開始時

 共闘開始の当時から、旧・民主党内で路線対立があったことは、既に述べた通りです。

2016年民進党代表選

代表の岡田や幹事長の枝野幸男、他の野党幹部は後継の執行部でも野党共闘を継続することを希望したが、一方で保守系民進党議員(平田健二細野豪志馬淵澄夫長島昭久など)は代表選を通じての路線修正を訴えた。

 このとき代表選に立候補したのは、3名(蓮舫、前原、玉木)なのですが、皆、共闘に明確に賛成とも反対とも言わずに、玉虫色の考え方を示しておられました。

 非常にセンシティブなテーマであり、どちらか一方に肩を持つような発言をしてしまうと、党をまとめることができない、という事情があったのでしょう。

 このとき代表になったのは蓮舫氏でした。

2017年9月民進党代表選

 蓮舫体制は長く続かず、再び、代表選挙。

 前原誠司は「理念、政策が合わないところと協力するのはおかしい。(共闘の)是非について見直したい」と言及し、(略)枠組みありきの共闘は否定したほか(略)

 枝野幸男は「主体性を持ちながらできることを最大限やる」として共闘継続を基本としつつ、(略)次期衆院選について政権選択の選挙ゆえに共闘は「困難が大きい」としつつ(略)

と、方向性に違いがあります。前原氏の勝利。ただ枝野氏も善戦。代表選後、民進党を見限って、とうとう、一部保守系議員が離党

小池・希望の党衆議院選挙(2017年)

 前原氏が代表になってまもなく、一大転機が。

 近く行われる衆議院選挙を睨んで、小池都知事希望の党を旗揚げ、前原代表と会談、出来たばかりの希望の党民進党を合流させる、という、ある意味、とんでもない構想が、突然に持ちあがったのです。

 このとき、小池氏の「排除」発言は有名ですが、排除したかったのは一体何だったのでしょうか。

【衆院解散】民進党左派に「踏み絵」 ハードル高い希望の党の選考基準、合流拒否も… しかし細野・若狭氏も「すねに傷」(1/2ページ) - 産経ニュース

 希望の党衆院選での公認を申請する民進党の立候補予定者に対し、安全保障関連法や憲法改正への賛同を条件として突きつけ始めたのだ。

(略)公認の可否は安保法制存続と憲法改正に賛成するかを基準に決める。

 思い出して下さい。安保法制云々というのは、2015年の共闘の発端となったテーマです。つまり、小池氏が出したこの基準って、口には出さないまでも、実は、共産党と組むことを是とするのか非とするのか、暗に問うているのです。

 一方、前原代表のほうも、希望の党経由で保守系の勢力を大量に入れることで、共産党色を極力薄めたい、という狙いがあったことでしょう。

 しかし、このような強引なやり方に反発した人々(主に小池氏から排除された人々)も多く、彼らが枝野氏に結集し、立憲民主党が結党されました。

 ここで民進党の分裂は決定的に。

 このような経緯から、共産党との共闘の枠組みは、立憲民主党が受け継ぐようになったのは当然のことです。そして衆議院選挙では、希望の党は思ったほど議席が取れず、立憲民主党野党第一党となり、以降の野党間のイニシアチブを取ることになっていきました。

 つまり、野党共闘についての路線対立が、単に路線対立にとどまらず、とうとう党分裂にまで発展していくことになっていったのです。

 

 長くなりましたので、続きは次回。

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