50歳で早期退職し、セミリタイア!

私セイルは50歳で早期退職、セミリタイアしました!その思いを綴ります。

全員がFIRE・リタイアすると日本は成り立たない→そんなことあり得ないから安心して!

 以前は日陰者扱いだった早期・セミリタイアですが、最近は装い新たにFIREという名を変えて、ネット記事どころか、TV番組にまで登場するようになったのは、少々オドロキです。

 そうすると、必ず出てくる意見として「全員がリタイアしたら、日本という国が成り立たなくなる」というものがあります。

 確かに「本当に全員がリタイアしたら」日本が成り立たなくなるのはその通りでしょうが、そもそも「全員がリタイア」なんてことが非現実的な仮定なので、安心して!と言いたいです。

目次

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 《東京都西多摩郡瑞穂町・多摩川水系残堀川上流端》

そもそも大半の人は目指すことさえしない

 セミリタイアというものがi以前より表に出てきて、興味を持つ人の絶対数が増えたのは事実でしょうが、じゃぁ、それが日本経済に影響を与えるほどにメジャーな動きなのかというとそうではないでしょう。

 FIREとかセミリタイアとかいう概念をネットで見ても、大抵は「ふ〜ん」と思うくらいだろうし、一時的に興味を持っても、「じゃぁ、現実的に自分にそれが可能なのか」を計算してみると、加減乗除が出来るくらいの学力があればミッションの困難さに気づくことでしょう

 結果、大半の人はエントリーすることさえしない。目指すか目指さないか、という時点で、相当数がふるいにかけられる訳です。

リタイアの型とその実現性

 残った数少ないリタイア志望者ですが、芸能界やプロ野球のように、リタイアを目指したからといって、実現できるとは限らないのがこの世界。

 早期リタイアの実現パターンとして、大きく次の4つに分けてみます。

  1. 事業や投資などが当たったり、雇われでも営業成績抜群などによる高年収により、若くして生涯のお金を稼ぎ切った(稼ぎ切り型)
  2. 不動産投資やフリーランス、資本家など、拘束時間の少ない業態への転身(個人事業型)
  3. リタイア資金は非常に低額にとどめ、支出の最適化の範疇を超えた超節約生活、必要に応じて低負荷バイトなどをして乗り切る(低資産・超節約型)
  4. 前々から収支の最適化や積み立てをコツコツ行ったことが報われて、中年以降にリタイアできるだけのある程度の資金を作ることが出来た(コツコツ型)

 もちろん、全ての事例において、綺麗にこの4つのどれかに分類されるものではありませんが、傾向としては、こんなところではないかと思います。リタイア後にも働くかどうかは、この分類では重視していません。

 

 1番の稼ぎ切り型が最も理想的なのでしょうが普通の人にはかなり難しい。日本が成り立たなくなるほど、このような人が増加するとは思えない。

 2番の個人事業型は、拘束時間が少ないというだけで、社会にサービスや資本を提供している側の人間ですから、日本が成り立たなくなる!の批判対象に含めるのは不適切でしょう。

 3番の低資産・超節約型は、「こんなに少額でも工夫次第でFIRE出来るんです!」的なコンテンツを盛んにアップするから一部で目立っていますが、実態としてはそれほど多くないのではないかと、睨んでいます。

斜陽の40代・50代がリタイアしたからといって・・・

 4番のコツコツ型は、地味だしリタイア年齢は遅めだが、難易度はメチャクチャ高いという程ではなく、実は早期リタイアのパターンとしては結構多いのではないか。

 ボリューム・ゾーンは恐らく40~50代。彼らのうち、積極的に情報発信をする人は比較的少ないだろうから、サイレント・マジョリティといったところか。

 

 とかく、40代・50代のサラリーマンは斜陽扱いされるもの。

 例えば、昨今流行している(ように一見見える)早期退職勧奨は45歳とするのがトレンド。

  【過去の当ブログ参考記事】 70歳就業法と45歳定年制。矛盾する流れ、日本はどうなる?

 また、「50歳を過ぎた社員は新しい価値を生まない」みたいな、随分とひどい言われ方もしている。www.businessinsider.jp

 だとしたなら、40~50代のほんの一部が早期リタイアしたところで、それは、斜陽の割に給料高めの人が、経済的に自立して自発的に辞めてくれるということだから、日本が成り立たなくなるどころか、多くの日本企業にとってはありがたい方向性なんじゃないの?

 リタイアできる人はどんどんリタイアして、若い人にその席を譲る。新陳代謝が活発になっていいじゃないですか

 いつまでも会社にしがみついていたらいたで批判され、早めに辞めたら辞めたで批判される。いちいち取り合う必要は無さそうです。

 

 色々書きましたが、要するに言いたいことは、 「リタイア者が増えて日本が成り立たなくなるなんて、そんなことありっこないから安心して下さい。」ということ。

 

★初めてお越しの方へ。以下にて私のセミリタイアの概要をまとめてあります。
 ⇒50歳でセミリタイア達成!その概要を書きます

人生計画にFIREを組み入れる

 前々回記事、FIREがブームになると水を差してしまう天邪鬼な私にて、FIREなるもの(の一部)に私は、胡散臭さを感じ、ついつい水を差してしまうということを書きました。

 でも、私は「FIRE」が一方的に悪だと思ってもいなくて、むしろ、人々はもっと積極的に試みてよい人生計画に組み入れろ!とさえ思う部分があります。

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 《東京都青梅市》

 

 前々回の記事より

 まぁ、これらの水差し系記事のターゲットは決まっています。「好きなことで生きていく」とか「リタイアで自分の時間を取り戻す」とか、何の免疫も無い状態でそういうセリフに感化されてしまった結果、超若年・極少額で、(傍目には無謀に映る)リタイアをしようとするパターンに対してです。

 このような形でリタイアすると、そのときは良くても、長い目で見ると無理のあるスタイルだから、普通の能力・運しか持っていない方は、「○百万円でFIREできます!」みたいな話が、本当に自分に適用可能なことなのか、慎重に考えた方がいいよ、ということ。もちろん、「これをすればあっという間に資産が倍増してFIREできます!」みたいな怪しげな広告に引っかからないようにしなくてはいけない。

 でも、一方で、人々は、無理の無い範囲で、FIREを人生計画に組み入れていけばいいとも思っています。

 最近は、80歳くらいは普通に生きる可能性が高いですから、「それまで食いつないでいくための明確なプラン」と、「そのプランを長期にわたって継続的に実行し、また、ある程度の変化に対応できるだけの資産・フローの裏付け」を得ることが、FI(経済的独立)だと考えると、結構、敷居が高いように思えます。 

 

 でも、私は50歳で、財政的基盤を固めた上でリタイアしたと思っていますが、個人的な実感ベースでいえばそれがメチャクチャ困難なことだとは感じなかった。もう少しリタイアが早くでも大丈夫だったと思っている。

 もちろん、私には恵まれていた点もそうでない点もあるので、全ての人が可能というつもりは無いのだけど、若い頃からFIを意識して準備を進められる人なら、アラフィフまでに安全度の高いリタイアができるだけの財政的基盤を作る、というのはそんなに再現性の低い話ではないと思う。

 まぁリタイア年齢がアラフィフでは不満な人も多いでしょうから、そういう場合は、例えばアラフィフ辺りを基点にして、副業や投資に精を出したり、収支計画を甘く見積もったりして、どこまでリタイア年齢を早めることができるか、折り合える点を色々と模索すればよいと思います。

 ただ一般に、REの年齢を早めれば早めるほど、難易度は飛躍的に上がっていく、という風に考えておいた方が無難です。

 例えば、リタイア年齢を50歳から45歳に早める場合の難易度の上昇幅をαとすると、50歳から40歳に早める場合の上昇幅は2αではなく3α、50歳から35歳に早める場合の上昇幅は3αではなく6αみたいなイメージ。

 こう書くと、絶望的な感じになりますが、逆に言えば、30歳の頃は遥か彼方のように思えた早期リタイアが、例えば40歳になる頃には、結構近くに来ていたりするということでもあります。

 つまり、投資(金融投資、自己投資)と同じく、ある程度は長期目線に立ったほうが、最終的に上手くいく、、、というのが、私の考えるところです。これは、「リタイアするまでが長期」というよりも、「人生を長期目線で眺めて、どこでリタイアするのが最適なのか、焦らず考えていく」というようなイメージです。

 

 会社というところは、辛くて不合理な場所ですが、福利厚生という点では圧倒的に勝っています。安定収入があるからこそ、副業や投資のリスクが取れる、という側面もあります。

 会社に全てを捧げるのではなく、ひたすら身を引いてしまうのでもなく、こちらも会社を利用してやる!くらいの気持ちでいくのが、まずは良いと思う。

 そして、まだ財政的基盤が脆弱な段階で、仕事がツライという場合。先の見えている人なら、そのままあと数年程度耐えれば、リタイアへの展望はもっとクリアになってくるでしょうし、まだまだ先の長い方は、リタイアよりも、まずは部署異動や転職を考えた方がよいのではないでしょうか、実際問題。

 ああぁ、あまりにも月並みな話ですね。。。しかも、セミリタイア村で。。。「それが嫌だから早くリタイアするんだろ」という声が聞こえてきそうです。まぁ、ごもっとも。

 私だって、仕事がツライということを実体験として理解しているつもり。

  【過去の当ブログ参考記事】 リタイア後初めて仕事の夢。こんな悪夢を見るほどにトラウマが大きい

 だから「リタイア後は、金銭的な理由で賃金労働に戻ることは絶対にしたくない!」と思っていました。

 

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働く意思を持たないことは犯罪なのか(軽犯罪法1条4号)

 軽犯罪法という、立小便などの軽い罪を定めた法律があり、その中の条文の一つに次のものがあります。

軽犯罪法第1条 - Wikibooks

第1条
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

4 生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの

 この条文は、リタイア者に適用され得るものなのか?ということを考えてみます。

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 《東京都八王子市》

この条文でリタイア者が逮捕されることは無いと思う

 結論から言えば、この条文によって、リタイア者が逮捕・起訴されるようなことは無いと思います。

  「働く能力がありながら職業に就く意思を有せず」 の表現がなかなかドンピシャなので、「働かないとアウトなのか?」と一瞬思ってしまいますが、他にも複数の要件が述べられていて、それらを同時に満たさないと、この罪には該当しないからです。

  • 生計の途がない
  • 働く能力がありながら職業に就く意思を有せず
  • 一定の住居を持たない
  • 諸方をうろついた

 リタイア者は、ある程度の資産があるから「生計の途が無い」というのは違うし、持ち家だろうが賃貸だろうがホテル暮らしだろうが、屋根のある住居に身を構えており、「一定の住居を持たない」も満たさない。

 だから、仮に警察に職務質問を受けても、「どこそこに住んでいる」ということが説明できれば、この条文で逮捕されることは無さそうです。

戦前の「浮浪罪」の後継が、この罪らしい

 それでは、上記の条文を全て満たすのは、どういうケースなのか?どうも「浮浪者」を想定しているっぽいな、と思ったら案の定でした。

浮浪罪 - Wikipedia

浮浪罪(ふろうざい)は、日本の内務省警察犯処罰令第1条第3号に規定されていた刑法犯の通称、俗称である。

(略)

なお警察犯処罰令は、1948年(昭和23年)、軽犯罪法の施行と伴に廃止された。軽犯罪法第1条第4号に浮浪罪相当の処罰規定が現存するものの、刑罰は拘留又は科料と軽罰となっている。

 戦前は、「内務省警察犯処罰令第1条第3号」というものに規定された、いわゆる浮浪を戒める法令だったようですが、規定内容が曖昧であるため、警察が人をしょっ引くのに都合が良く、濫用されたみたいです。

 戦後、人々を浮浪者と認定してどんどん逮捕するやり方はいけないよね、ということで、もっと適用条件を厳格にし、刑罰を軽くし、軽犯罪法に組み入れたのが、冒頭の条文のようです。更に同法第4条では次のように釘をさしています。

軽犯罪法第4条 - Wikibooks

この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない。

 だから、特に人に迷惑をかけている訳でもない人を、正職が無いからといって、どんどん検挙するなんてことはしないわけです。

「諸方をうろつく」については注意が必要

 では、この条文が死文なのか、というとそうでもなく、逮捕に至るケースもごくまれにあるそうです。

浮浪罪 -「寅さんのような生き方」は法に触れるか? | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 このように、浮浪を禁止する理由が必ずしも明確でないことが影響しているのか、実際に浮浪罪が適用され、検挙されるケースは極めて少ない。しかし、ゼロではない。2007年に奈良県のパチンコ店駐車場で、浮浪の疑いにより男性が現行犯逮捕された。その後、この男性の尿から違法薬物の陽性反応が出たとして、覚せい剤取締法違反でも再逮捕され、有罪判決を受けたのだ。

 しかし、二審では逆転の無罪判決が示された。それは、被告人の車の中に求人情報誌やハローワークの求人票写しが見つかっており、職業に就く意思があったと判断されたからだ。

 まぁ、このケースは、恐らく、見るからに怪しかったか、常習性があったか、薬物絡みということで、逮捕まで至ってしまったのだと思いますが、とにかく、あの条文が死文でないことを裏付けています。

 最近はまず見かけないですが(路上生活の方も、服装・身なりをちゃんとしていらっしゃるので)、私が子供の頃、いかにも、あの4要件を全て満たしそうな人、ごくたまに街中で見かけました。もちろん、本当に要件を満たしているか調査しているわけではないですが、「見ただけで分かる」。確かに、あぁいう人が「諸方をうろついて」いたら、みんな不安がるから、あのような条文があるのも仕方が無いんだろうな。

 だから、警官が、「諸方をうろついて」いる人に職務質問するのも、この軽犯罪法の規程と無関係ではないような。

 逮捕されることは無いとはいえ、平日の真昼間に、清潔とは言えない格好で、「諸方をぶらつく」ことを高頻度で行うようなことはしない方が、変な誤解を招かないだろうということは言えそうです。

 ちなみに、私はリタイア後、一度も警官から声をかけられたことはありません。そんな出歩かない、ということもありますが。

 

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FIREがブームになると水を差してしまう天邪鬼な私

 私は、もともと天邪鬼なんだと思う。

 だから、昨今のように「FIREがブーム!アーリーリタイアして、自分の好きな事だけをやる生活を手に入れよう!」と世の中が喧しくなってくると、自分自身はリタイアをしているにも関わらず、手のひら返して「いやリタイア生活なんて言うほど素晴らしいものではないから、そんなもんに人生賭けてもしょうがないよ」みたいなことを考え、結果、水を差してしまうのです。

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 《東京都あきる野市・JR五日市線・武蔵引田駅》

過去の水差し系記事

 ブログを再開してから、水差し系記事はいくつか書いています。

 あるいは、 1年近く前には、次のような記事も書いています。

 自分で書いておいて何ですが、このような水差し系記事は、あまり評判がよろしくなく、下手すると読者を減らしているかもしれない(と思う)。

 というのも、もともとリタイアブログの読者というのは、リタイアにシンパシーを持っている方が大半だから、というのが一つ。誰がどのようなスタイルでリタイアしようと大きなお世話だろ、というのがもう一つ。

 まぁ、これらの水差し系記事のターゲットは決まっています。「好きなことで生きていく」とか「リタイアで自分の時間を取り戻す」とか、何の免疫も無い状態でそういうセリフに感化されてしまった結果、超若年・極少額で、(傍目には無謀に映る)リタイアをしようとするパターンに対してです。

 だから、若年であっても「営業成績トップを何年も続け(あるいは投資で成功して、等)、資産は結構持っています」とか、ある程度年齢がいっていて、「先が見えているので、資産は多くないけど、年金年齢までは食いつないでいけます」みたいな人は、完全に対象外です。

水を差したくなる理由

 リタイア生活と会社員生活、どちらにもメリット・デメリットがあって、一方が他方に100%勝る、ということはあり得ない。あるいは、同じ人であっても、年齢によって、どちらのメリットが大きくなるのかは変わってくる可能性がある。

 でも、最近は、

「会社員生活は全面的に悪であり、いわゆる『社畜』に甘んじなくてはいけないから、全面的に善なるFIREを達成し、一刻も早く好きなことが出来る生活に移行しなくてはならない」

みたいな極論が多い印象。

 このような極論も、一部のリタイアブログで細々と語られている分には面白いし、有用かもしれないけど、それがあまり表に出てきてしまうと、結構、胡散臭く思えてくる。だから天邪鬼である私は、水を差したくなるのです。

 リタイアしていない人が水を差しても「外野の戯言」かもしれないですが、一応、私はリタイア生活を楽しんでいる側なので「酸っぱいブドウ」にはならないでしょう。

「老婆心」(別名:老害の戯言)というのも少しある

 FIREに水を差す理由としては、前項で述べた通り、「天邪鬼」というのが大半ですが、「老婆心」の要素も少しあります(老害の戯言ともいう)。

 トラブルが起こったり、病気・事故にあったり、心境に変化があったり、副業や投資の収益が減ったり、節約生活に疲れたり、年を重ねて肉体や精神力に衰えが生じたときなどに、最も頼りになるのは「お金」、時に「正職」です。「リタイアすれば、お金は無くとも、時間がある!」とは言っても、時間がモノを言うのは多くは平時であって、緊急時やイベント発生時には、金の力を借りる必要が出てくる。

 特に若ければ若いほど、その後の人生は長いので、そのようなイベントが起こる可能性は高く、資金を充分に用意する必要がある。目先の節約生活が成り立っているからそれでいいってものではないだろうと、これは真剣な話。

 資金が充分でないところに、そのようなイベントが訪れて、やはり「お金」や「正職」が必要だ、となっても遅い。「組織で上手くやっていけなくて前職を辞めた、長期間ブランクのある無職の人」を好条件で雇う会社って、ほとんど無いんじゃないでしょうか。

 あれほど忌み嫌っていた賃金労働、しかも前職より条件が悪い職に戻らざるを得なくなるような事態になっても、「リタイアいいよー、会社なんか早く辞めちゃいなよー」と煽っていた方々は、責任をとってくれないでしょう。

 でも、私としては、せっかくリタイアした方が、そのような形で挫折する、ということはあってほしくない。だから、せめて当ブログぐらいは、老婆心ながら、耳障りなことではあっても、必要と考えることは言っておこうと思っているのです。 

 

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リタイア2年めの住民税について

 リタイアに関してよく言われることが、リタイア1年めの住民税は高いよ~でも2年めには大幅ダウンするよ~、ということ。

 この前、2年めの住民税通知が来たので見たところ、やはりそのことは真実でした。 

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 《山梨県甲州市》

昨年の住民税

 私の昨年の住民税については、次の記事でまとめています。

 【過去の当ブログ参考記事】 住民税の通知あり。給付金10万など軽く吹っ飛ぶ額に溜息。 

 今回通知があった税額をハッキリ書くのは憚られますが、年額ウン十万円といったところです。(略)

 コロナの給付金10万円など軽く吹っ飛ぶその額に溜息。分かっていたこととはいえね。

(略)

 給料をもらっていたときはそうでもなかったけど、これほどの額を直接自分の資産から取られる痛み。リタイアして初めて味わう感覚です。

  確かに昨年の住民税はメチャクチャ高かった。噂は本当だったのです。

今年の住民税

 で、今年の住民税。総額で12,600円でした。3ヶ月に1回、3000円程度を払うくらいなので、まぁ痛くはない金額(多少、痒いが)。

 12,600円のうち、所得割が7,600円均等割が5,000円

 私の退職日は昨年の2月1日ですから、1月分の給料は受け取っています。しかも、退職時に、次期の賞与を日割で受け取ったりしているので(50歳退職の特典)、昨年の会社在籍は1月のみとはいえ、結構な額の所得が発生していまして、その結果、所得割が発生したのです。

 住民税の通知書をよくよく見たら、半年ほど前に、私が退職時の給与明細を見ながら、確定申告システムに入力した値が、そのまま通知書に書かれてあって、「ああ、これが住民税計算に使われたんだな」と納得した。恥ずかしながら、この年齢になって初めて税金のしくみを勉強したのです。

 【過去の当ブログ参考記事】 リタイア後、初の「確定申告」はネットで(e-Tax)

来年以降の住民税

 来年以降は、若干の所得があったとしても、それは、基礎控除や給与所得控除によりチャラになるぐらいの少額だと思います。だから所得割は恐らく消え、均等割のみが残る。つまり住民税は5000円ほどになる計算。

 ちなみに、日本では、均等割さえも発生しない、住民税非課税世帯、という制度もあります。

住民税が非課税になる条件とメリットのポイントまとめ

1.生活保護を受けている

2.未成年者、障がい者、寡婦、寡夫で前年の合計所得金額が125万円以下(このため所得が給与所得のみの方は、給与収入が204万4000円未満)

3.前年の合計所得金額が各地方自治体の定める額以下(東京23区では扶養なしの場合35万円。扶養がある場合は35万円×本人・扶養親族・控除対象配偶者の合計数+21万円)

 住民税非課税世帯に認定されると、国民健康保険が減免されるなど、均等割の5000円が免除されるだけでなく、様々な恩恵があるようです。

  多くのリタイア者が狙い得るのは、上記の3のケースでしょう。記事によれば、控除した結果が計算式を満たせば、他に特殊な用件はいらないっぽいので、セミリタイアとかサイドFIREで少額稼いでいる場合など、一考の余地はありそうです。

 もっとも、我が家では、私がリタイアしていても妻が働いているので、住民税非課税世帯に認定されることなど、絶対に無理ですが。

 

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私のリタイア生活とオリンピック

 オリンピックの真っ最中。リタイア中なら、その気になれば一日中テレビにかぶりついていられる身分。さて、私はどのように過ごしているのでしょうか・・・・。

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 《山梨県甲州市・柳沢峠付近》

「リタイア直後の夏は、オリンピック三昧だな」

 私がリタイアを検討を始めた当初、退職日は2019年12月31日を想定していました(実際の退職日は2020年1月31日)。一方、オリンピックは、2020年7~8月に開催することになっていましたから、「リタイア直後の夏は、オリンピック三昧だな」などと、前々から密かに考えていたものです。

  しかし、コロナで、オリンピックがまさかの1年延期。麻生氏が「呪われたオリンピック」などとおっしゃって叩かれていましたが、実際これまでの経緯を見ればまさにその通りで、コロナの問題が呪いの総仕上げみたいに、降って湧いてきたのでした。

 そのときの感想は、「まぁ、この状況じゃ、しょうがないよね」というものでした。

「オリンピック無観客予想」は当たった

 その後、私は「オリンピックは無観客であってもやるだろう」と予想しましたが、全くその通りになりました。以下、今年の正月の当ブログ記事です。

今年はこんな年になる・・・という想像を述べてみる

 つまり、緊急事態宣言を出すにしろ出さぬにしろ、収束までには相当な期間を要するということです。オリンピックが行われる7~8月においても、似たようなことをやっているのだろうと思います。

 オリンピックですが、多分、中止はしない。せっかく作った競技場ですから、選手や審判だけでも呼び寄せればテレビ放映ぐらいはできて、元手を少しでも取り戻せる。

 つまり、最悪でも無観客ということ。更には、運営者はギリギリのギリまで有観客の道を探るでしょうね。これは、私が書くまでもなく、森会長ご本人がおっしゃっていることでもありますが。

 もう既に開催しちゃっているので、今更な話になりますが、上記に補足させてもらえば、以下のようなことも思っていました。

  • オリンピックは、国際的な約束事、しかも日本から手を挙げた事であり、開催に向け、最後の最後まで開催に向けた最大限の努力をする国際的な責任が日本にはあると思う。感染拡大中でも、というか感染拡大中だからこそ、そのような努力が求められるのではないか。
  • 中止や延期は後々まで尾を引く。無観客でもいいし、どんなに盛り上がらなくてもいいから今年は開催して、とっとと、この問題を終わらせてほしい。もううんざりだよ。

何だかんだいって、あまりオリンピックを見ていない

 ということで、私は「リタイアした後の夏は、オリンピック三昧だな」「無観客でもいいから2021年に開催」と考えていたのですが、実際に開催に至った今、私はオリンピックをあまり見ていません

 無観客ではあるものの、日本が金メダルを沢山とり、オリンピックショップでは売上が急増、「呪われたオリンピック」としては、かなり盛り上がっている部類だというのに。

 結局、私は、オリンピックに限らず、もともとスポーツ観戦を取り立てて面白いとは思っていないからなんだろうな。

 「リタイアした後の夏は、オリンピック三昧だな」と思っていたのは、本当にオリンピックを見たかったからではなく、リタイア後の自分の優越的環境を意識し、気分を盛り上げるために、そのように思っていただけ

 「無観客でもいいから2021年に開催」も、国際上の責務とか、少しでも元をとる、が理由であって、私自身、オリンピックやスポーツに思い入れがあったわけではなかった。

 まぁ、日本がメダルをとれば「あぁすごいね、おめでとう」とは思うけど、そのくらい。スポーツ中継って長々と行われるから、それなりに思い入れを持って見ないと飽きてしまうんですよね。

 じゃぁ、思い入れを持って日本を応援したとしても、必ずしも勝つとは限らない。長時間応援して、結局負けましたでは、カタルシスを感じることが出来ない。

 結局、私は、オリンピック中もテレビをほとんどつけずに、本を読んだりネットを見たり、当ブログを書いたりといった、いつもと同じことをやっているだけなのでした。

 更に言えば、オリンピックに限らず、テレビをあまり見なくなりました。世間に少しでもネガティブな出来事があると、清廉潔白な自称・有識者さま達が、しかめっ面でターゲットを批判しまくっているのが、何か見ていられなくなってきたのです。

 

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FIRE達成後の資産の取崩とインカム収入、およびFIREを目指す問題点(FIREについて考える7つの論点・3)

  前回、前々回に続き、7つの論点について、私の考えを書いてみます。

 

前々回

50retire.hateblo.jp

前回 

50retire.hateblo.jp

 

目次

 

f:id:retire50:20210720105633j:plain 《東京都青梅市・荒川水系成木川源流部》

元記事

media.rakuten-sec.net

【論点1】率直に言って、FIREにどのような印象を持っていますか?
【論点2】なぜ、今、FIREが流行るのでしょうか?
【論点3】人は経済的自立の達成によって、心持ちが変わりますか?
【論点4】どのくらいの資産があれば経済的自立を達成したと言えるのでしょうか?
【論点5】FIREを達成するには何年かかるのでしょうか?
【論点6】FIRE達成後の資産の取崩とインカム収入をどう考えたらいいでしょうか
【論点7】FIREを目指すことの問題点は何でしょうか?

今回は論点6・7についてアップします。

 

【論点6】FIRE達成後の資産の取崩とインカム収入をどう考えたらいいでしょうか?

 取崩しと収入をどうするかは人それぞれであって正解はありません。その時々の望ましい生活スタイルに見合った支出を続けた上で、死ぬまでにお金が尽きなければいい

 「死ぬまでにお金が尽きない」というのは一見困難そうに思えますが、考えてみれば、今でもほとんどの高齢者たちは、定年後、なんだかんだ言って「死ぬまでにお金が尽きない」という状態を維持しつつ死んでいくわけです。この状態をもっと早いタイミングで作り出すだけだと考えれば、言われているほどハードルが高いことではないと思います。

 例えば、経済的独立に向けコツコツ地道な準備を進めて、例えば15年なり20年経つと、資産が良い感じに育っていて、「死ぬまでにお金が尽きない」というのも、あながち不可能ではなくなってくると私は思っています。

 この域まで達すれば、完全リタイアは難しかったとしても、セミリタイアやサイドFIREに移行して、無理無い範囲でインカムを追い求め、いつしかそれが難しくなってきたとき・面倒になってきたときに、必要に応じて取崩しモードに移行していく、みたいな方法論が可能です。

 

 一方で、最近は、20代で3桁万円でFIREしました!みたいな「ぼうけんしゃたち」が登場しています。

 当面は何とかなるとしても、先の長さを考えると、ファミコン版ファイナルファンタジー1をLV.10でクリアする、あるいは、ナゴヤ撃ちを使わないでスペースインベーダーを1万点とるくらいの、相当な縛りプレイだと思います(例えが古すぎ?)。

 彼らが将来もらえる年金はかなり少ないでしょうから、普通に考えて、その3桁万円は老後資金として、ほぼまるまる確保しておく必要があり、少なくとも60歳くらいまでは安易に取り崩せない。資産3桁万円では、投資収益もほとんど期待できない。

 すると、生活費を限界まで削った上で、生活費以上のインカムを確保し続ける、みたいな持続可能性に問題のありそうなスタイルを、数十年間行っていく形にならざるを得ない。

 つまり、FIREやセミリタイアというより、フリーターや個人事業主に限りなく近いのが彼らです。

 「資産の取崩とインカム収入は人それぞれ」とは言え、「いざとなったら資産の取崩しだけで相当の期間生きていける」という奥の手を握っているかそうでないのかは、極めて重要なポイントでしょう。

【論点7】FIREを目指すことの問題点は何でしょうか?

 一度FIREの魔力に憑りつかれると、その人はFIREのことしか見えなくなって視野が狭くなりがちではないか、と思うことがあります。

 ただ、全ての人に当てはまることではなく、FIREのうちFIから入ってくる人、最終的にはREを目指しつつもまずはFIに注力している人などは、むしろ普通のサラリーマンよりも視野が広いよな、と思うことが多いです。

 ただ、REに心を奪われ過ぎちゃっている人はどうかと思いますね。

 実際にREできるような客観的条件が極めて不充分にも関わらず、労働や労働者に悪態をつきまくり、「一刻でも早くREしなくては、どんどん人生の時間が無駄になっていく・・・」みたいな思考に陥らないようにした方が、トータルで幸せになれると思います。

 【過去の当ブログ参考記事】 FIRE:RE(早期リタイア)よりFI(経済的独立)を優先せよ、という意見に賛成する

 まぁ、他人の人生なんで余計なお世話なのですが、FIREを目指すことの問題点を挙げるということであれば、こんなことを指摘したいということです。

 

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経済的自立の達成に要する期間と資産・心持の変化(FIREについて考える7つの論点・2)

 前回に続き、7つの論点について、私の考えを書いてみます。

前回

50retire.hateblo.jp

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f:id:retire50:20210720080547j:plain 《東京都青梅市》 

元記事

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【論点1】率直に言って、FIREにどのような印象を持っていますか?
【論点2】なぜ、今、FIREが流行るのでしょうか?
【論点3】人は経済的自立の達成によって、心持ちが変わりますか?
【論点4】どのくらいの資産があれば経済的自立を達成したと言えるのでしょうか?
【論点5】FIREを達成するには何年かかるのでしょうか?
【論点6】FIRE達成後の資産の取崩とインカム収入をどう考えたらいいでしょうか
【論点7】FIREを目指すことの問題点は何でしょうか?

今回は論点3・4・5についてアップします。

【論点3】人は経済的自立の達成によって、心持ちが変わりますか?

 私が「逃げ切った」「完全リタイアがどうにか可能」、FIREの言葉に翻訳すれば、経済的自立がどうにか達成された、と認識しているのは48歳のタイミングです。

リタイア年齢や目標金額の設定には悩ましい点がある

48歳4ヶ月ならギリギリ完全リタイア可能という結論を得ていました。この段階でリタイアする選択もあったでしょう。

 ただこの条件だと、趣味や楽しみのために使えるお金が少ない。結局、48歳5ヶ月以降、50歳まで、ボーナスステージだと思って働くことにしたのですけどね。

  ということなのですが、48歳以降と47歳以前とで何か心持ちが変わったのか、というと、あまり変わっていないような・・・。

 よく言われることとして「経済的独立が達成されれば、いつ会社を辞めてもいいから気持ちに余裕が出る」というのがあります。でも、「あぁ、計算上はもうリタイアできるんだな」と思うことは出来たとしても、目の前の仕事の大変さを軽減することには何の役にも立ちませんでした

 【過去の当ブログ参考記事】 リタイア後初めて仕事の夢。こんな悪夢を見るほどにトラウマが大きい

 結局、経済的自立といっても、ただの数字上のことであって、それ自体は、目の前の現実に変化をもたらす力は無いのです。それで心持が変わるかどうか、というのは、その人の性格と環境次第でしょう。

【論点4】どのくらいの資産があれば経済的自立を達成したと言えるのでしょうか?

 経済的自立を文字通り解釈するならば、その人が、一生働かなくても最低限食っていけるだけの額は欲しいところ(生活費以外、たとえば、趣味や旅行などのために別途稼ぐのは可。年金を当て込んでもよい)。

 だから、サイドFIREと言われるもののうち、副業収入が無いと、中長期的に生活を成り立たせられないタイプのものは、たとえそれが「好きな仕事」であったとしても、経済的自立と言うには、まだ中途半端な気がする(もちろん、そのような生活スタイルを否定するものではありません)。

 額の絶対値については、人によって違うので一概には言えないでしょう。1億円あっても毎年1000万円使う人と、3000万円しかないが毎年150万円しか使わない人であれば、後者の方が経済的自立に近い。

【論点5】FIREを達成するには何年かかるのでしょうか?

 私の場合、本格的にリタイアを意識していたのは45~50歳の間の5年強です。しかし、この5年強で全てを成し遂げたというのではありません。

 思えば、リタイアとか関係無く、30歳くらいから家計の見直しをしたり、副業の可能性を模索したりしていました(モノにはなりませんでしたが)。あるいは、30代半ば頃、今の貯金でリタイアできるだろうか?などと計算したこともありました。

 【過去の当ブログ参考記事】 30代でセミリタイアしていたら?と時折考える

 すると、リタイアをビンビンに意識することはなかったとしても、実質的な準備は30歳ぐらいに始まっていたと言えます。そこから「完全リタイアがどうにか可能になった」と認識しているラインである48歳までは約18年、実際にリタイアするまでは約20年、ということになります。

 もっと運用を積極的に行って、資金計算を甘目にすれば、13~15年くらいで行けたのかもしれないな、という気はしています。あるいは副業とかバイトを積極的にとりこんでいれば更に早く・・・ということもあったかもしれません。

 まぁ、これは人それぞれだし、同じ人でも年齢によって必要期間は違ってきます。一般論としては、年齢が上の人ほど、種銭は少なくて済む一方、所得が高くなるので、準備期間は短く抑えられる。

 一方、FIRE達成年齢という観点で見れば、当然、早く準備を開始した方が有利である。そこは、各人で丁度良いバランスがあるはず。

  一つ確実に言えるのは、これは競走ではないので、早くFIREを達成した方が偉い、とか、遅めのリタイアだから価値が無い、ということでは全然無い、ということです。

 だから、「あの人が辞めたから自分も早く辞めなきゃ」とか「いついつまでにリタイアしないと人生の時間の損失だ」などと考える必要は毛頭ありません。

 

続き

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「FIRE」について考える7つの論点 ~私が考えること~

 最近、山崎元氏の次の記事が公開され、いくつかのリタイアブログで言及されています。

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  私自身は「FIRE」を自称するつもりは毛頭ありませんが、まぁ、似たようなこと(セミリタイア)を行っているので、これらの論点について私がどう考えているか、書いてみるのも一興かと。

 論点が7つもあるので、複数回に分けてアップします。

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 《神奈川県相模原市・相模川水系秋山川下流》

元記事

記事に載っている論点は次のもの。

【論点1】率直に言って、FIREにどのような印象を持っていますか?
【論点2】なぜ、今、FIREが流行るのでしょうか?
【論点3】人は経済的自立の達成によって、心持ちが変わりますか?
【論点4】どのくらいの資産があれば経済的自立を達成したと言えるのでしょうか?
【論点5】FIREを達成するには何年かかるのでしょうか?
【論点6】FIRE達成後の資産の取崩とインカム収入をどう考えたらいいでしょうか
【論点7】FIREを目指すことの問題点は何でしょうか?

今回は論点1・2についてアップします。

【論点1】率直に言って、FIREにどのような印象を持っていますか?

  多くの人には、リタイアして働かないで暮らす日々がいつかはやってくる。つまり、FIREのうち、E(arly)はともかくとして、FIRの日はほとんどの人にやってくる。そのときに対する備えは、早くから意識した方がいい。

 もちろんただ老後破産に怯えるのではなく、例えば、固定費を見直して浮いたお金を積立投資するとか、会社以外に浪費せずに楽しめるモノ・場所を作っていくとか、その程度のことをちゃんとしていくだけの話。

 そういう意味では、それほど特別なことではないと思います。FIREなんて名前はついていますが、通常のリタイアと比べて、E(arly)が付くか付かないか、というだけの違いです。

 数学的帰納法のパラドックス(と言われているもの)に、次のようなものがあります。

  • 髪の毛が0本しか無い人はハゲである。
  • ハゲの人に髪の毛を一本植え付けてもやはりハゲである。
  • よって、全ての人はハゲである。

これにならって、

  • 35歳でリタイアした人はFIREである。
  • FIREした人より一日遅れてリタイアした人もやはりFIREである。
  • よって、35歳以降でリタイアした全ての人はFIREである。

みたいに書いてしまうと、FIREと、"E無しのFIR"の境界なんて分からなくなります

 だから、FIREを遠い世界の出来事と思うのではなく、FIRE的発想を自分の人生に取り込んでいこう、と捉える方が多分幸せになれる。それが、FIREなのか、E無しのFIRなのかに関わらず。

【論点2】なぜ、今、FIREが流行るのでしょうか?

 私が子供の頃、既に「脱サラ」という概念があって、FIREと同じではないものの、「会社から月給をもらう以外の方法で暮らしたい!」という発想自体は取り立てて新しいものではありません。

 時代を遡れば、明治の高等遊民、鎌倉末期の徒然草(吉田兼好)、古代ローマの市民など、FIREみたいなものが登場する素地というのは、雇う・雇われるの関係がある社会なら、いつでもどこでもあるんだと思います。

 ただ、昔だと、情報を得る手段としては、紙媒体しかなく、情報源が限られていた。でも、今はインターネット時代。日米欧の達成者や志望者がアップしたブログや動画、あるいは投資などに容易にアクセスできる環境がある。このことが今の盛り上がりに一役も二役も買っているのでしょう。

 ただ、「FIREが流行っている」とは言っても、タピオカドリンクを飲むとは訳が違い、それを望んだら誰でもできるというものではありません。

 つまり「FIREが流行っている」というのを正確に言うと、

  • FIREに憧れるのが(一部で)流行っている
  • FIREを煽るのが(一部で)流行っている
  • FIREを実現した人が(ごくごく一部)いる

程度のこと。

 特に最近は、これは金になると睨んだのか、怪しげなyoutuberやインフルエンサーが、どんどん煽っていますからね。youtubeの広告にも変なのが出て来ています。

 以前、「成功指南ビジネス」というものについて書きましたが、今後は「FIRE指南ビジネス」が幅をきかせるようになりそうです。

  【過去の当ブログ参考記事】 「成功指南ビジネス」と早期リタイアの関係とは

 そして、本来FIREしてはいけない人ほど、そういう怪しいモノ・情報を掴まされる可能性が高いそこから人生転落する人も出てくるかもしれません。

 流行るというのは、そういうことも含んでいるのだと思います。 

 

 ・・・次回に続く・・・・

 

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FIRE:RE(早期リタイア)よりFI(経済的独立)を優先せよ、という意見に賛成する

  最近は、セミリタイアより「FIRE」という語が幅を利かせているようで・・・。単なるRetire Early(早期リタイア)ではなく、Financial Independence (経済的独立)という概念が含まれていることが、これまでの「○○リタイア」などの語とは異なる特徴ですね。

 私のような「ちょっと早めの定年退職」とは違い、若い方中心のムーブメントです。そのような方にとって、FIとRE、どちらが大切か。

 リタイア生活を楽しんでいる私としては、REの良さを強調したいところなのですが、時折、FI(経済的独立)を優先せよ、みたいな意見を(極一部で)見かけます。そして冷静に考えると、全くその通りでありまして、賛成せざるを得ないのです。

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《埼玉県飯能市(荒川水系入間川・成木川合流点)》

REを意識しながらもRE出来ない状態は、結構ツライ

 もちろん、REを全く考えるな、というわけではないですし、REがFIのモチベーションになることもあるので、バランス論ということにはなるんですが。

 ただ、私の経験から言うと、REをビンビンに意識しながら、REの実現の目途が立っていない状態、というのは結構ツライものです。

 私の場合、リタイアを意識してから達成までは5年強ほど。計算上、5年強でリタイアできることは分かっていて、ゴールは明確。それでもなかなか辛かった! この時期を如何に乗り切ったは、次の記事を参照。
  【過去の当ブログ参考記事】 リタイア決意後,実現までの辛い日々を乗り切る方法

 種銭も収入も少ない若い方は、おそらく5年では済まない方が大多数。

 例えば、大卒ストレート22歳で入社した後、ずーっとREを意識し、そのために準備を進め、副業などを組み合わせたとしても、よほど上手くやらない限り(あるいはリスクを相当大きくとらない限り)、実現するのは、早くても30代半ば頃というのが現実的な線ではないかと。

 実際、若者(20代~30代前半頃と思われる)がアップしていると思われる、FIREを目指す動画やブログ記事を何本か見たのですが、その道のりの遠さに絶望している方が何人かおられました。

 リタイア実現までの長丁場を、憧れのリタイア生活と現実とのギャップに苦しみ、「雇われて働くのは人生の時間の無駄遣いだ~~」などと意識しながら過ごすというのは、(例えそれが事実なのだとしても)なかなか大変なこと。

 最終的にREを目標を置くのは良いとしても、そのことを意識し過ぎず、まずはFI、(そして目の前の仕事)に注力した方が、精神的にも、仕事をするにも楽だと思うんですよね。

判断力が鈍る、過剰なリスクをとりがち

 いきなりですが、拙速の反対語として、巧遅という言葉があります(ゆっくりと巧みにやること)。

 この二つの言葉は、中国の古典『孫子』に出てくるものです。戦争やビジネスの世界では、確かに『巧遅は拙速に如かず』なのでしょうが、後戻りが難しく、「安定収入という武器」を手放すことになるREにおいては、拙速よりも巧遅を優先すべきだと思うんですよね。特に、若いほど、客観的な条件を整えるためのハードルが高いのです。

 しかし、前項の通り、REに拘り過ぎると、自分の思い描いているリタイア生活と現実とのギャップに苦しむことになります。すると、一刻も早くREしたいがため、判断力が鈍って過剰なリスクをとったり、変な情報商材に手を出したり、FIにとっては悪手となるものを、REのためにとってしまいかねない

REが最適解なのか、若いうちに見極めるのは難しい

 40代以降は、ある程度、今後の人生が見えてきます。
  【過去の当ブログ参考記事】 中年の危機 ~40代の悲哀を考える

 このくらいになると、今後の人生の方向性について、大体のことが確定してくるし、REのハードルは年齢とともに顕著に下がってきます。リタイアできる客観的な条件が整っている状況で、なおかつリタイアしたければ、すればいいと思う。

 しかし、人生3分の2以上が残っている段階で、基本的に片道切符であるREに一点張りしてよいのか見極めるのはかなり難しい

 確かに自由な時間は得られるけど、失うものもある。若いうちは認識できなかったREのデメリットが、中年以降に発現しないとも限らない。今後の人生はものすごく長い割に、判断材料が乏しいわけです。

 まぁ、生まれもってRE向き(あるいは投資家向き、個人事業者向き、ミニマム生活向き、サバイバル生活向き)の人はいますから、全員とは言いません。でも、大抵の人は、若いうちは、REは選択肢の一つとして頭の片隅においておくに留め、まずはFIを目指す! くらいが良いバランスだと思う。

 よほど幸運な例、あるいはリスクを過剰にとった例などを除き、FIの実現が見えてくる頃、そこそこの年齢になっている。このままREに突き進んでいいか、判断材料が増えているはず。そのときに最終判断しても遅くはない・・・と私は思うのですが、いかがでしょうか。

おわりに 

 色々、書きましたけど、私は若い方がFIREを目指すことはいいことだと思っています。REも含めて、人生の選択肢が広がりますから。

 REを必ずしも最終目的としない人にとっても、FIの状態は大きな武器。

 あるいは、FIが実現しなかったとしても(おそらくそちらの方が多数)、それによって得られた投資・節約スキルやお金は、やはり大きな武器。単なる「○○リタイア」よりも、FIREの方が裾野はむしろ広い、と言えます。

 ただ、若い方は、あまりREにとらわれず、色々な人生の可能性を模索して、そのなかで出来る範囲でFIを試みる、あわよくば、いつか資産が大きく増えたならREする、ぐらいに考えておいた方が、結果的に幸せになる可能性が大きくなるんじゃないでしょうか。何か説教くさくて恐縮ですが。

 

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ホリエモンの田舎肯定論が興味深い

 「憧れの田舎暮らし」へのアンチテーゼなのか、ネットでは田舎叩きが多いです。

 田舎では隣人の干渉がキツいだの、競争が無くて物価は高いからかえって都会よりも生活費がかかるだの、まぁ、都会人の数にモノを言わせ、言われ放題です。

 しかし、もう2年近く前になりますが、堀江貴文氏は田舎を肯定するような話をしていて、なかなか興味深く感じました。

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 《東京都青梅市》

ダメな国のダメな時代で働いている自分は不幸だ?

 ちょっと前になりますが、以前、「手取り14万なんて日本終わっている」というセリフに対し、堀江氏が「日本が終わってるんじゃなくてお前が終わってるんだよ」と返した例の事件です。

 この件に関連して、堀江氏は次のように述べています。

ホリエモン「月収が低いと嘆く人は、思考を怠っている。『お前が悪い』と思ってしまう」|新R25 - シゴトも人生も、もっと楽しもう。

(前略) 

第二に、「手取り14万円」というのはそんなにも不幸なことなのだろうか? 僕に言わせてもらえば、今の時代、月に10万円もあれば楽しく暮らしていける。

文句を言いながら無理して東京で暮らすのはやめて、田舎へ引っ越して家賃を極小に抑えればいい。家賃1万〜2万円のアパートなんて、田舎にはいくらでもある。

コンビニはどこにでもあるし、本や食料品や酒、生活必需品に至るまで、クリック一つでアマゾンが届けてくれる。

日本全国、どこへ行ってもユニバーサルサービスが完備されている。ほとんどの場所で4Gの高速通信がつながるし、スマートフォンさえあればネットフリックスやアマゾンプライム・ビデオで映画やドラマを楽しめる。

LINEを使えば、海外で暮らす友達と何時間喋ったって通話料はタダだ。

田舎に引っ越したところで、生活は大して変わらない。

だいたい、家賃も物価も高すぎる東京は「めちゃくちゃコスパが悪い」のだ。

youtu.be

 ここで堀江氏がおっしゃっていること、同年代である私には(若干私の方が上ですが)よく分かるのです。でも、日本は貧しくなった~、日本人は貧乏だ~、と、テレビでもネットでも皆が言うから、「平成の日本というダメな国のダメな時代で働いている自分は不幸だ」みたいに思っているんでしょうね。

 でも、私が子供の頃だって、浮浪者とかコ○キみたいな人、街中でたまに見かけましたよ。貧乏人用のアパートも、今だと小奇麗ですが、当時は、狭くて汚くて、薄暗くて、シャワーさえ付いてなくて、そういうところに一家四人で住んでいるのも珍しくはありませんでしたよ。

 2曲しか入っていないレコードが1枚700円もしたし、ビデオを見たければ、1台何十万もするデッキを買って、一本あたり1万円以上もするソフトを買わなくてはいけなかった。

 【過去の当ブログ参考記事】

 それに比べれば、今なんて「収入」という数字こそ格差はあれど、例えば、低収入だからって、ネットにアクセスさえ出来れば、実際にやれること・やっていることって、高収入でも低収入でも、大して変わりはありません。

 夢のような時代になったよ、全く。。。と私は思うのですが、今、日本で行われているサービスが空気のように当たり前だと思い、日本はダメだダメだと聞かされ続けている人には、まぁ同意されないだろうな。。。

ホリエモンの田舎肯定論

 さて、田舎の話。

 ネットには、田舎をディスって、東京を礼賛する意識高い系の人々が非常に多く溢れています。いや、ネットだけでなくリアルでもそうでしょうね。

 だから、堀江氏という成功者(もちろん彼は都会から大きな恩恵を受けているはず)についても同様だと、漠然と思い込んでいたので、「田舎に引っ越したところで、生活は大して変わらない」みたいなことをおっしゃるのを聞いて、「おぉ~っ?」と思ったのです。

 多分、堀江氏のおっしゃりたいことは、東京か田舎の二元論ではないのでしょう。

 東京で成功できる、居心地がいいと思うなら東京に居続ければよい。

 でも、東京で搾取され、高額の生活費をお布施する立場を十何年間も続けている、というのなら、それは東京のメリットを生かせていない、ということだから、環境を変えた方がいい。

 基準が14万円なら、田舎であっても、探せばもっともらえる仕事はあるでしょうし、堀江氏曰く、

家帰って何やってる?youtubeで動画見てる?友達とLINEでメッセージやりとりしてる?どうせそんなことだろ?こんなの人口5000人とか1万人の田舎に行っても一緒ですよ。

ということですから、(高給取りならともかく)東京で手取り14万円の人の生活水準が田舎に行って下がるとは思えない。

 ネットがここまで発達した今、環境を変えることのハードルは昔よりも遥かに下がっている。自分が快適に暮らせそうな環境を整えることは出来ると思う。

 でも、一つだけどうしても必要になるのは「自分の意志」。要するに自分が変えようとしないといつまでも今のまま。

 日本という国がどんなに良くなったところでそれは同じでしょうし、黙って待っているだけで「給料の少ない可哀想な自分」を救ってくれる国なんて、世界中どこを探しても無いんだと思います。

 

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小銭は1万円の如く、1万円は小銭の如く

 節約ネタで、「スーパーでせせこましい節約をしているのに、高額の出費について無頓着なのは本末転倒・・・」みたいなのがあります。

 でも、私が数千・数万円程度の買い物する場合は、あまりケチケチせず、小銭のようにポーンと出しています。

  逆に、普段、スーパーで買い物をする場合、数十円レベルの差額であっても、数万円レベルのものを買うときのように、吟味するようにして買うようにしています(ただしハシゴは基本しない)。

 逆じゃないの?

 そう思う方も多いでしょう。そのココロについて書いてみます。

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《山梨県甲州市・大月市(笹子隧道内部)》

当記事の標題について

 スポーツに関連して次のような標語があります。

  • ONE for ALL, ALL for ONE(ラグビー)
  • 稽古は本場所の如く、本場所は稽古の如く(相撲)

 これらの言葉について詳しく説明はしませんが、一見逆説的に思えて、そこに真理が含まれていることは認めざるを得ない、というのは分かるでしょう。

 本記事のタイトル「小銭は1万円の如く、1万円は小銭の如く」も同様の意図を含んでいます。

小銭は1万円の如く

 例えば、スーパーで食材を買う場合、値札を見て、効率の良い出費を心がけています。セール品、半額シール等で安くなっているものがあったら、それで出来る料理は無いか考えます。

 豊漁・豊作により「良い物が安く売られている」ことも多いので、「安い=品質が悪い」とは限らなかったりするのです。

 もちろん、単なる金額の最小だけを狙っているのではありません。半額シールが貼られていても、魚の体液でビチョビチョになっている刺身なんかは買いません。これを食べるだけで自分と家族が幸せになれる、と思えるなら、少々高額でもカゴに放り込むこともあります。

 このようにしていっても、一回あたりで浮く額って、せいぜい数十円から数百円の小銭レベルなんですけど、1万円を使うときのようにちゃんと吟味します。

1万円は小銭の如く

 例えば、最近、私はiPadのノートアプリに数学の問題や証明を書き込んでいる時間が極度に長くなったので、ブルーライトカットの眼鏡を買いました。

 1000円前後の安物ではなく、数千円する物です。

 値段と品質の良さが正比例するとは限らないけれども、数千円クラスの方が良い物・使いやすい物である可能性が高いので、最初からその価格帯に狙いを定めたのです。

 もちろん、数万円クラスのものを買うときも同じ。

 先日、自宅で使うための事務用椅子を9万円ほどで買った話を若干しました(リタイア後の生活費の推移)。個人ユースとしては結構高いように感じますが、躊躇せず、小銭を支払うのと同じ感覚で9万円を支払いました。 

分析

 数千・数万クラスの買い物をするたびにコスパを追求していっても、それで節約できる金額って、死ぬまでの間に100万ぐらい、と思っているんですよ、私の場合。

 その100万の有無で今後の人生が変わるかどうかというと、多分、何も変わらない。死ぬときの貯金残高が100万円多くなるだけの話。だったら、今後の生活・人生がなるべく快適になる可能性の高い行動をとった方がいい。数千・数万ぐらいは小銭だと思って、良い物・サービスを買った方がいい。

 こういう言い方に関して、「それはあなたがお金に余裕があるからそう思えるだけ」と反論を受けるやもしれません。

 でも、私は、小銭を使うときでも、あたかも一万円のように吟味して使うようにしています。たとえ少額でも不要なものを買わない習慣が出来ているから、数千・数万クラスを買い物をするときにも、同様の行動をする

 つまり、「実際に数千・数万クラスの買い物をする段階」に至ったということは、そのような吟味を経ている、ということです。すると「安く買うこと」よりも「良い物えを買うこと」の方が重要性になってくる。

 息をするように数千・数万を支出するのとは違うわけです。

 

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リタイア後の生活費の推移

 私がリタイアしたのは昨年の2月。その一月後から、毎月末、定期的に資産の棚卸しをして、自分の資産額・出費を把握するようにしています。

 あれから1年を過ぎて、そこそこデータがたまってきたので、少し振り返ってみます。具体的な私の出費額を公開するのは初めてだと思うので少し緊張します・・・。

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 《東京都青梅市》

棚卸表の一部を公開 

 表をまるまる公開するのは抵抗があるので、一部分だけ。もちろん、我が家全体ではなく、私の個人資産の棚卸しです(妻は妻で独自管理)。

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 「前月差分」とあるのは、資産額の前月と当月の差分。ほとんど収入の無い私にとっては、その月の出費額と大体イコール

 「差分累積」は、「前月差分」の差分の累積額、すなわち、2020年3月から当月までの間にいくら資産が減ったか、とイコール。

 移動平均は、コロナ感染者数でおなじみになったパラメータなので、私も取り入れてみました。ここでは過去12ヶ月の「前月差分」の平均値としています。月あたり9万円ほど支出している計算です。

解説

 月にならすと9万円とはいえ、毎月のデータを見ると、ある月は3万円台、ある月は26万円と、ものすごいバラつきがあるんですよね。

 理由としては、一時費用の有無

 特に昨年度は、リタイア一年目に特有の出費が多かった。

 26万円使った月は、住民税の支払いの他、オカムラの事務用椅子(9万円)の購入が重なったので、結構な額になってしまったのです。

 また、今年の1月は、値がマイナスになっていますが、これは、この月に収入があり、結果、黒字になったということ(文字は赤い色ですが)。確定申告を行った結果、かなりの額の税金が還付されたのです。リタイア時にもらった源泉徴収書、たっぷりと税金引かれていたからな~

  【過去の当ブログ参考記事】 リタイア後、初の「確定申告」はネットで(e-Tax)

評価

 昨年度は、リタイア一年目、およびコロナということで、支出パターンとしてはかなり特殊だったと思う。ただ、支出額だけでみれば、今後もそう変わらないんじゃないかな。

 昨年は住民税が高かった代わりに、確定申告で還付金があり、コロナで10万円もらった。今年からは住民税が安くなる代わりに、その種の収入は無い。

 昨年は、生活を楽しむための初期投資で結構な額を使った。今後は、その種の支出はなくなるけれど、コロナが収束して、旅行などに出かける機会は多くなる。

 結局、トータル支出は昨年とあまり変わらず、今後も年間100万円台前半で推移すると見込んでいます

 かなり少ないようですが、爪に火をともすような生活をしているつもりは無く、たまには結構な額の外食をしたり、欲しいもの・必要なものは躊躇なく買っています。

 生活費が夫婦折半であること(つまり一家全体でいえばもっと額は大きくなる)、住居費が固定資産税のみであること等で、支出額が低く抑えられているわけです。

リタイア必要額について考えること

 このペースでいくと、年金が出る65歳まであと14年、よほどのインフレが無い限り、それまでの総支出額は2000万円以内で収まりそう(自宅修繕など特殊な出費は除く)。

 65歳以降も支出の大部分を年金で賄える感じ。もし年金額が将来減らされたり、多少のインフレがあったとしても、3000万円もあれば逃げ切れると睨んでいます(一般論ではなく、自分の場合ですよ、念のため)。正直、もっと早くのリタイアも可能だったよな。

 具体的に数字を挙げて「リタイアするのに○○万円必要!」ということを大声で提唱することはしないスタンスなのですが、一年間、リタイア生活を送ってみて、具体的な支出額が出てくると、「このペースでいくと、死ぬまでにいくら使うんだろうか?」ということは、やはり考えます。

 

 1億円を作って、そこから4%の配当金を得て暮らそう・・・みたいな景気のいい(けど実現の困難そうな)記事をよく見かけます。まぁ、皆さん、頑張って下さい。

 

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お久しぶりです。サボっていた期間にやっていたこと。

 お久しぶりです。

 前触れなく、突然ブログをサボりだして、半年近く。ご心配された方もいらっしゃると思います。申し訳ありません。

 また少しずつですが書いていこうと思います。まずは、この「サボっていた期間」について、書いていきます。

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 《東京都青梅市》

セミリタイア生活は相変わらず続いています

 「まさか、セイルさん、リタイア生活に飽きたか、お金が減っていく生活に耐えられなくなって、また働きだしたんじゃ?」などとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、そういうことは全く無いのでご安心下さい(何を?)

 セミリタイア生活は相変わらず続いています。

ブログ以外にやりたいことができた

 ブログに限ったことではないと思うのですが、ネットでの情報発信というのは、時間をかければ、いくらでもかけられてしまう、という性質があります。

 私は当ブログにメチャクチャ時間をかけていた、という訳ではないのですが、それなりに時間を食うものであるのは事実。他にやることが出来て、そっちを優先してしまって、ブログの更新に時間を割いていられなくなった、というのが実際のところ。

 

 キッカケは今年1月17日の記事にあった、携帯電話のサービス変更検討ですね。

 この記事をアップしたあとも、モバイルサービスについて色々と検索しまくって記事を読むのが面白くなってしまい、ブログ更新そっちのけになってしまったわけです。

 もちろん、このことをいつまでもやっていたわけではなく、あるタイミングで飽きるわけですが、その後も、ブログ更新を阻む「やること」が出来てしまいました。

数学の本を読む

 それが、「数学の本を読むこと」ですね。

 前にも述べましたが、私の大学のときの専門は数学でありまして、自宅には専門書が結構あります。あるとき、何となく、それらの本のうち一冊を本棚からつまみ出したところ、その後の生活が全く変わってしまいました

 「やっぱり、数学は面白い!」

 もともと、大学の数学科なんて、それが役立つ役立たないは二の次で、数学が好きだから入る人間が大多数なわけでありまして・・・。

 本に書かれている証明は分かりにくいので、自分なりに分かるようにまとめ直し、Apple pencilで、ipadのノートアプリに繰り返し書いていく。

 そんなことをここ何ヶ月もやっていました。

 こういうことを何ヶ月も飽きずに続けているわけで、自分は本当にリタイア向きなんだなぁ~、と思います。

 コロナが終わったら、もう一回、大学に入ろうかな?と少し考えている。

【過去の当ブログ参考記事】 

当ブログの今後について

 一方で、ブログのことも気にはかかっていました。サボってはいましたけど、放棄したつもりはありませんでした

 たまに、はてなブログで読者登録があると、私のipadに報告が来る。

 「ああ、更新していないブログでも見てくれる人はいるんだな」

などと、都度、思うわけです。

 そんなことを何度か繰り返して、先ほど、あるキッカケにより、「そろそろ再開してもいいかな」と、ふと思い、この記事を書いているわけです。

 

 もともと、収益を期待しているわけではないので、ブログは無理せず出来る範囲で・・・と思っていたので(参考:セミリタイア後のブログ執筆 ~私の場合~)、そのようにやって行こうと思います。

 今後、週1くらいで更新できれば上出来でしょうか。

 ブログ村のランキングはやめました。ブログ村を退会したわけではないので、ブログを更新すれば新着記事には上がってきますが、IN、OUT、PVのランキングには登場しない、ということです。

 ランキングに登録していると、自分が何位か気になってしまって消耗し、かえってブログの執筆とか、読書などに支障しますから。

 

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リタイア後、初の「確定申告」はネットで(e-Tax)

 確定申告の時期を迎えました。

 これまで会社員一筋だった私は、「確定申告ってどんなことするんだろう。面倒臭いな~」などと思っていましたが、どうにか手続きを済ませることが出来ました。税務署には行かず、ネットで

目次

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 《東京都・多摩西部では、柚子はほとんどタダで手に入る》

確定申告をネットで行った理由

 もともと、私は次のような計画でいました。

  • 初めての確定申告は、よく分からないので、税務署で行い、色々と教えてもらう。
  • 勝手を知った2回め以降はネットで行う。

 しかし、リタイアしてさっそく新型コロナ。コロナが流行り出して間もない頃、やはりちょうど確定申告の時期で、税務署で感染者が出て、税務署が一時閉鎖されるなんてニュースになっていました。

混雑する税務署、クラスター発生の恐れも…消費増税で申告手続き煩雑に

 堺税務署(堺市堺区)の60歳代の女性職員の感染が判明した4日深夜、大阪国税局で開かれた緊急の記者会見。冒頭で上良睦彦総務部長が厳しい表情で告げた。

 青梅税務署がどれほどの混雑、感染リスクになるかは知らないけれど、「そこまでして税務署での手続きにこだわる必要も無いのかな。ほとんど無収入なんだし」と思い直し、方針を以下のように変更したのです。

  • まずはネットで出来る限りやってみる。
  • それでも出来ないなら税務署に出向くか電話できく(全くのゼロからより、「ここまでやったけど、分からなかった部分がありまして」という方が、税務署の滞在時間も減らせる)。

コロナとは無関係にマイナンバーカードを取得していた

 ネットで確定申告をするのに、必須なのがマイナンバーカード。実は私、リタイア直前の1月頃に既に取得していました。

 マイナンバーはそのシステムの創設時から、情報漏洩する・なりすましされるとかでマスコミや野党の反対意見が強く、その影響からか、マイナンバーカードを取得する人は「個人情報の大切さを顧みない『酔狂』」扱いでした。

 この風潮は、コロナが本格化する直前まで続いていましたので、カードの普及率は悪く、行政はマイナンバーの普及・啓蒙活動に熱心でした。その一環で、青梅市役所から、次のような郵便を受け取ったのです。

  「写真は市役所で撮ってあげるから、マイナンバーカード作ってよ~」

 これを読んで私は、「リタイアしたらどうせ確定申告をするんだろうし、無職の身には身分証明書になり得るモノが増えるのはいいこと」 と考え、世間的には評判のよろしくないマイナンバーカードを、市役所の言うとおりに、写真を向こう持ちでカードを発行してもらったのです(まぁ写真といっても、市役所職員が普通のデジカメで撮ってくれただけですが)。

カードリーダーの購入

 それまで日陰モノ扱いだったマイナンバーカードですが、私がカードを作って程なく、一気に地位が向上するのです。

 コロナの定額給付金申請にマイナンバーが使えるということで、作る人が急増したとか。あんなに、マイナンバーをいらない子扱いしていたのに、10万円もらえるとなったら、手のひら返してカードを作り出すとか、現金もいいところ

 ただ、私はこのときは普通に郵便で給付金申請しました。スマホの無い私はパソコン&カードリーダーという組合せが必須でしたが、カードリーダーが高騰していたからです。

 しかし、さすがに11月にもなると、カードリーダーの価格も落ち着いてきたし、参考までにマイナポイントも申し込んでおくために、次の商品を買いました。

 1000円以下の格安品でしたが、充分に使えましたので、マイナポイントはこれを使って申し込みました。

ネットでの確定申告はセッティングは面倒だが、その後は便利

 前置きが長くなりましたが、確定申告です。

 初めてなので、いろいろとネット検索をしてみたら、それっぽい記事がヒットするのですが、最後には「だから確定申告には○○というソフトが便利ですよ」という結論になっているものが少なくない。

 もちろん、色々と複雑な事業をされている方にはそうなんでしょうが、リタイアして無収入の私が、そんな専門のソフトが必要であるとは思えない。

 結局、国税庁のサイトにアクセスして、そこに載っている通りにやったら、とりあえず最後まで出来たっぽいのです。

 ただ、必ずしも楽勝というわけではありませんでした。まず、上記の「確定申告書等作成コーナー」というサイトにたどり着くまでが一苦労。

 その後、パソコンにソフトをインストールするも、何度も何度もエラー表示が出てくる。IDやパスワード、暗証番号の類が複数セット登場し、どれを入力したらよいのか分からない。

 このセッティングだけで2時間くらいかけたでしょうか。パソコンをあまり使わない人だったら諦めてしまうかも。

 とにかく、これからネットで確定申告をする人に言っておきたいことは、IDやパスワード、暗証番号の管理はしっかりしよう!ということ。もちろん、マイナンバーカード作成時にも暗証番号みたいなものを決めているはずなので、それも紛失しないように。

納税額や還付額がその場で分かる

 とにかく、セッティングが済めば、あとは決められた通りに入力するだけなので、それほど難しくはありませんでした。

 私の場合は、「昨年1月分の給与」と、「退職時にもらえる賞与」の源泉徴収額を入力することが主な仕事でした。これは、退職時に会社から受け取った源泉徴収票がソースですが、これをスキャンして添付するのかな、と思っていたら、驚いたことに、添付不要。入力した額がそのまま「電子送信」という形で受け付けられてしまったのですね。

 このように、ネットで確定申告する場合は、添付省略できる書類が多いのがメリットのようなのです。もちろん、現物を保管しておく必要はあるわけですが。

【確定申告書等作成コーナー】-e-Taxを利用して所得税の確定申告書を提出する場合の「源泉徴収票」や「医療費の領収書」などの第三者作成書類の添付省略

 入力が済むと、納税額や還付額がただちに計算されます。

 私の場合、タンマリ戻ってきます。というのも、退職時に結構な額、源泉徴収されていたから。特に賞与扱いになっていた部分についての徴収額が大きく、それがそのまま今回、還付されるというイメージです。

 結局、昨年は一ヵ月しか働いていないから、年収も少なく、本来ほとんど非課税なはず。なのに、たっぷり源泉徴収されてしまったので、その分は当然戻ってこなくてはならない、という、考えてみれば当然の理屈なわけです。

 

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